「おい。」
「んー」
「おい。」
「ん・・・」
「彰。」
「え・・・」
気付いたら、すぐ目の前に迅がいた。
「えっ---え、えっ!?」
思い切り仰け反った。
なんだ、何事だ?
「眠いのか?」
「え!?あ、あ、ごめん。もしかして眠りかぶってた?」
「・・・ああ。」
「ごめんごめん!もう起きた!」
「・・・。」
どうやらうとうとしていたらしい。
「で、何の話だったっけ。」
「・・・お前がバイトするって。」
「あ、そっか。」
そうだった。
現在午前0時ちょっと前。
場所は迅の家。
もはや当たり前となった勉強会。
本日もなんとかノルマを達成。
その後、バイトについて話そうと思ったんだがうっかりうとうとしてしまったらしい。
どうやら疲れが取れてないようだ。
「お前もいる?」
「いらない。」
とりあえず目を覚まそう。
冷凍庫からアイスを取ってきた。
昨日デザートで食べようと思って忘れてたイチゴアイスだ。
「ていうかさ。寒い時ってアイス食いたくならないか?」
「・・・別に。」
「そっか。」
「で?」
「ん?」
「なんでバイト?」
「え、ああ・・・」
バイトの話をしてたんだったな。
自分で言っといて忘れてた。
「家賃とか学費とか生活費とかちょっとは稼がないと。親はいないけどさ。自分で出来ることは頑張らないとな。」
「・・・そうか。」
文化祭も終わり学校も勉強モードに切り替わった。
大分この生活にも慣れてきたし、金も必要だし。
そういうわけでそろそろバイトも探し始めようかなーなんて思ったわけだ。
「どんなバイトがいいかな。」
一応高校生だからな。
制限が厳しそうだ。
コンビニ、スーパー、ファーストフード店?
(うーん・・・)
できれば給料が高いバイトがいい。
欲しい物は無いけどビールは飲みたいんで。
てことはあれか?
ホステスさんとかホステスさんとか・・・
「・・・・・。」
横を見ると姿見鏡。
その中の自分をじーっと睨んでみる。
「ふふっ。」
鏡に向かって笑いかけてみた。
うん、普通。
「ダメだ、ムリ。」
「は?」
「ホステスさんはどうかと思ったんだけどさ。」
「なに?」
「もう少し可愛ければ合格だったんだけどなぁ。」
「・・・。」
目も鼻も口も全て普通装備。
つまり全部使って攻めてみても「普通」な自分。
外見重視の仕事は無理だ。
「ていうかどっちにしてもホステスさんはダメか。年齢制限に引っかかる---」
---チュッ
「へ・・・」
可愛いリップ音と同時に
目の前が絶世のイケメンでいっぱいになった
ていうかこいつ・・・また----!
「な、なにすんだコラー!!」
「なにって、キス。」
「ふふふざけんな!」
「ふざけてない。」
文化祭以来。
そう、あの「好きだ事件」以来
こいつは隙あらばキスをぶちかましてくる。
とんだキス魔だ。
「お前は可愛い。」
「は!?」
今度はなんだ!
「お前は可愛い。でもホステスは却下。」
「な---」
何言っちゃってんのこいつ。
「分かったか?」
「わ、分かった分かった!分かったから離れろ!」
「よし。」
偉そうに返事して離れていく迅。
チラッと顔を見るとニッコリしている。
どうやら満足したらしい。
(可愛い、ねぇ・・・)
これのどこが可愛く見えるんだ?
もしかして目が悪いのか?
それともそういう趣味?
それともまさか
こんな私が可愛く見えるほど
アイラブ彰ってことなのか---
「やめろーーーーー!!」
「・・・何やってんだ?」
我ながらなんて恥ずかしい思考だ。
浮かれた頭をぶんぶん振った。
どうして?03 realReal
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