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ア「-------え・・・有希!?」
俺とアツシに挟まれていた有希。
気になったのか、振り返ってアツシを見あげた。
するとあからさまに目を見開くアツシ。
びっくりしたようだ。
有「・・・・・・・・久しぶりだな。」
知り合いか?
名前知ってるくらいだから知り合いなんだろ。
クラスも隣だしな。
それにしても、変な空気が流れてるような気がするのは気のせいか?
『誰?この人。』
アツシの隣にいた女子がこそっと耳打ちする。
君の事は知らないな。
ア「あぁ、学生時代の同級。クラスは離れてたんだけどよ。遼はケンカ相手。有希は・・・結局キスもさせてくれなかったな。」
アツシ君、隣のクラスじゃなかったんだ。
しかもケンカ相手って・・・
俺ってそんなにヤンチャだったわけじゃないからね。
痛いの嫌いだし。
彼女の前だからって話を大きくしちゃダメだよ。
いやいや。
そこじゃねぇだろ。
『キスって・・・・じゃあこの人、アツシが昔好きだった人なの?』
篤「まあな。」
有「・・・・・・・・。」
そういうことね。
さっきの気まずい雰囲気の原因はそれか。
そりゃ変な空気も流れるわ。
ア「それにしても、新名と別れたって本当だったんだ。」
おーっとアツシくん。
そこ行っちゃう?
お願いだから止めてくれないかなぁ。
有「ずいぶん懐かしい話だな。」
ア「それで?遼に乗り換えたってわけか。」
有「・・・・・・・・・。」
ア「遼も有希のことずっと好きだったもんなぁ。」
悪気は・・・・ないと思いたい。
チクチク何かが刺さるけどガマンガマン。
(あ。)
アツシに視線を向けるとニヤッと笑われた。
めちゃくちゃ悪気があるじゃねぇか。
ア「お前もしつこく諦めなかったわけね。有希も大変だったんじゃねぇ?何年も想われ続けるのって、今時重いだろ。」
いちいち棘がある言い方だな。
昔相手にされなかったからってプチ復讐か!?
男のジェラシーは食えねぇぞ。
(今日は厄日か・・・?)
やっと有希がこの街に戻ってきたのに。
戻った早々コレかよ。
今日はついてない。
令には爆弾発言を投げられ
親には話しかけてもらえず
・・・なんか泣きそう。
有「想われるのが重い?バカかてめぇは。幸せに決まってんだろ。」
・・・・・え。
ア「なっ----」
有「お前ら付き合ってんだろ?想いが大きい方が幸せだろ?」
ア「・・・・・・・・・。」
アツシ、彼女を前にぐうの音も出ず。
ていうかあの・・・
すっげぇ嬉しいんですけど。
有「それじゃ、私らそろそろ行くわ。お宅らの邪魔したくねぇし、私らも邪魔されたくないんで。行こうぜ、遼。」
「あ、あぁ。」
有「じゃぁなー。」
「じゃ、じゃぁな。アツシ。」
ア「・・・・・・・・。」
反応なし。
恐らく放心状態。
分かるぞアツシ。
俺もある意味放心状態だ。
お前と違って喜びに満ち溢れてるけどね!
公園から家まではすぐ近く。
俺の手を引きぐんぐん歩くもんですぐに着いた。
有「・・・・・・ムカつくな、あいつ。」
家に着くや否や、ぼそっと呟く有希。
ていうか、ムカつく?
何に?
俺は今、最高にいい気分です。
-----幸せに決まってんだろ
マジで・・・・・幸せ。
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