Felt happiness

Felt happiness 05 SAKURA∞SAKU second






ア「-------え・・・有希!?」






俺とアツシに挟まれていた有希。
気になったのか、振り返ってアツシを見あげた。

するとあからさまに目を見開くアツシ。
びっくりしたようだ。






有「・・・・・・・・久しぶりだな。」






知り合いか?

名前知ってるくらいだから知り合いなんだろ。

クラスも隣だしな。


それにしても、変な空気が流れてるような気がするのは気のせいか?






『誰?この人。』






アツシの隣にいた女子がこそっと耳打ちする。

君の事は知らないな。






ア「あぁ、学生時代の同級。クラスは離れてたんだけどよ。遼はケンカ相手。有希は・・・結局キスもさせてくれなかったな。」







アツシ君、隣のクラスじゃなかったんだ。

しかもケンカ相手って・・・

俺ってそんなにヤンチャだったわけじゃないからね。

痛いの嫌いだし。

彼女の前だからって話を大きくしちゃダメだよ。





いやいや。
そこじゃねぇだろ。






『キスって・・・・じゃあこの人、アツシが昔好きだった人なの?』

篤「まあな。」

有「・・・・・・・・。」






そういうことね。

さっきの気まずい雰囲気の原因はそれか。
そりゃ変な空気も流れるわ。






ア「それにしても、新名と別れたって本当だったんだ。」






おーっとアツシくん。

そこ行っちゃう?

お願いだから止めてくれないかなぁ。






有「ずいぶん懐かしい話だな。」

ア「それで?遼に乗り換えたってわけか。」

有「・・・・・・・・・。」

ア「遼も有希のことずっと好きだったもんなぁ。」






悪気は・・・・ないと思いたい。

チクチク何かが刺さるけどガマンガマン。





(あ。)





アツシに視線を向けるとニヤッと笑われた。

めちゃくちゃ悪気があるじゃねぇか。






ア「お前もしつこく諦めなかったわけね。有希も大変だったんじゃねぇ?何年も想われ続けるのって、今時重いだろ。」






いちいち棘がある言い方だな。

昔相手にされなかったからってプチ復讐か!?

男のジェラシーは食えねぇぞ。






(今日は厄日か・・・?)






やっと有希がこの街に戻ってきたのに。

戻った早々コレかよ。

今日はついてない。

令には爆弾発言を投げられ
親には話しかけてもらえず

・・・なんか泣きそう。







有「想われるのが重い?バカかてめぇは。幸せに決まってんだろ。」








・・・・・え。






ア「なっ----」

有「お前ら付き合ってんだろ?想いが大きい方が幸せだろ?」

ア「・・・・・・・・・。」






アツシ、彼女を前にぐうの音も出ず。






ていうかあの・・・








すっげぇ嬉しいんですけど。








有「それじゃ、私らそろそろ行くわ。お宅らの邪魔したくねぇし、私らも邪魔されたくないんで。行こうぜ、遼。」

「あ、あぁ。」

有「じゃぁなー。」

「じゃ、じゃぁな。アツシ。」

ア「・・・・・・・・。」






反応なし。
恐らく放心状態。

分かるぞアツシ。

俺もある意味放心状態だ。
お前と違って喜びに満ち溢れてるけどね!



公園から家まではすぐ近く。

俺の手を引きぐんぐん歩くもんですぐに着いた。






有「・・・・・・ムカつくな、あいつ。」






家に着くや否や、ぼそっと呟く有希。

ていうか、ムカつく?

何に?

俺は今、最高にいい気分です。






-----幸せに決まってんだろ







マジで・・・・・幸せ。