再・余興!

再・余興!—–4 SAKURA∞SAKU second

「で、歌はなんだ?」
遼「コラボしたヤツは・・・ほら。ダンスの練習したヤツだよ。あと、ソロはお前にやったやつ。」
「え・・・ダンスのって・・・・今回も?」
遼「もちろん。」
「もちろん・・・って。」
遼「練習すれば思い出すって。」
「お前って・・・本っ当に適当な奴だな。」

 

人のこと言えないのは十分分かってるが・・・
こいつの適当さはリアルにため息ものだ。

 

遼「大丈夫だって。それでよ、今日も練習組んでんだけど行ってみるか?」
「うーん、そうだなぁ。仕事も終わったしな・・・ライブ、再来週だろ?練習しとかないとやばいよな。面倒だけど・・・・行ってみるかぁ。」

 

あぁぁ・・・
今日はのんびり飯でも食いに行こうと思ってたのに。

まぁいっか。
歌うのは基本大好きだ。

 

累「今から行くの?俺も行っていい?」
遼「おぉ!来い来い。」
累「やった!皆も行こうぜ?」
「来んでいい!!」
累「え、なんでだよ。」

 

な、なんでって・・・

累たん、それはね

 

「恥ずかしいからだ。」
要「大勢の前で歌ってたんだろ?」
「そうだけど。でもなんか恥ずかしいじゃねぇか。」
真「お前の羞恥の顔を拝めるのか?なら行ってもいいな。なぁ、孝?」
孝「準備してくる。」
純「俺も準備してこよー。」
遼「全員来てくれんの?こりゃメンバーの気合も入るなぁ。」
「・・・・・・・・。」

 

バカ共め。
人の気も知らないで。

 

「・・・・・来なくていいってのに・・・」
累「いいじゃん有希。大勢の方が絶対楽しいって。」
「そ、そっかぁ?」

 

いやいや累、これは遠足じゃねぇんだぞ。
お前らは楽しくても私は嫌だ。

 

累「楽しみだなぁ。」
「・・・・・・・・・・。」

 

ま、まぁ累が楽しいならいっか。

バカの一つ覚えのごとく累たんに乗せられてしまった自分。

そして何故か全員で練習へ向かうことになった。
なにコレ何かおかしいと思う。

 

「あ!ここって・・・・・来たことがあるな!」

 

目的地に着くと

うわぁ、すっげぇ懐かしい。

 

遼「覚えてるか?」
「うんうん、懐かしい。」

 

結成からかれこれ何年目だろう。

遼はずーっとバンドを続けていて、ファンの数もかなり多い。

本人は「趣味の一環だ」とか言ってるが、趣味の範囲じゃ収まらないでっかい話も出てると聞いてる。

その道で挑戦する気があるのかと聞いたこともあるがこいつは動かねぇ。
他に何かやりたいことがあるのかもしれねぇな。

 

遼「どうした?」
「え、あ、いや、なんでもない。」

 

ボーっと考えてたら遼に腕を引かれた。

 

「お。懐かしい奴らがたくさんいるなぁ。」

 

練習場に着くとこれまた懐かしい顔ぶれ。

 

『あぁぁぁっー!有希ー!!!』
『有希さん!!?』
『マジで来てくれたのかぁ?』

 

しょっちゅう遊びに来てたからな。
メンバーとは顔馴染みだ。

 

「お前らのリーダー様にはめられたんだよ。」
『えー?!遼さんに?』
『さすが遼。有希のこと良く分かってる。』
遼「だろ?」
「調子に乗んなよ。」

 

まったく。

 

『あ・・・・・あのぉ・・・』
遼「ん?」
『その、後ろのゴージャスな方達は・・・?』
「へ。」

 

ゴ、ゴージャスってお前。
まぁ確かに間違いではないけれども。

 

「えーと、んーと、こいつらは私の下僕っていうか・・・」
『『『えぇぇぇぇっ!?!?!』』』
「「「 ・・・・・・・・・・・。 」」」
遼「ちょっと有希ちゃんやめて。痛いよめっちゃ痛いよ。俺にも視線刺さってるからね。発言には気を付けてください。」

 

大丈夫だ遼。
私にも刺さってるから。

 

「はいはいスミマセンデシタ。遼、とりあえずこいつらにメンバーのこと紹介してやってくれよ。」

 

主に2TOPからの視線がぐさりと刺さる。

冗談の通じないヤロー共だな。
軽いオチャメだろうが。

 

遼「えーとそれじゃ、紹介します。このツンツン頭が翔太。キャップ被ってるちっこいのが勇気。で、紅一点の楓。以上、分かったか?」
「「「・・・・・・・・・・・・。」」」

 

・・・名前しか分からなかった。

 

勇「俺らのことはいいんだよ!そっちの・・・・その・・・・下僕様たちの紹介をお願いします!」
遼「こ、こら勇気!」

 

勇気も相変わらずおバカらしい。

だが気をつけろ。
あいつらに小石を投げると大砲で返ってくるぞ。

 

「それじゃ紹介します。グレー髪のでかいのが要。クリクリ目の可愛い奴が累たん。後ろで髪結んでんのが純君。黒髪で偉そうな奴が真樹。不健康そうな不機嫌そうな~って奴が孝。以上だ。分かったか?」
「「「 ------------。 」」
遼「ちょっと有希!だから気を付けてくれよ!俺はまだ死にたくねぇんだ!しかもそれ俺に紹介した時と全く同じじゃん!」
「そうか?」

 

上手くまとめたと思ったんだけどな。

 

翔「え・・・ていうか、え?もしや皆様・・・有希の彼氏様だったり?」
「バカかお前は。んなわけねぇだろ。私は未だにシングルロード走行中だ。」
楓「もうびっくりしたぁ!5人とも有希の彼氏かと思った。」
「楓ちゃん、5人も彼氏がいたらおかしいでしょ。楓ちゃんも翔太一人でしょ。」
楓「そうだよねー。あははは!」
「・・・・・・・。」

 

楓は翔太の彼女。

付き合ってかなり経ってるはずだが・・・
早く結婚しろ。
そして私を式に呼べ。

 

何故かお互いの紹介になってしまったが、とりあえず無事終了した。

 

ところで忘れないで欲しい。

 

私は歌の練習に来たのだ。