再・余興!

再・余興!—–3 SAKURA∞SAKU second

「で、なんだ。」
遼「実はな、今回のライブはファンのリクエストで曲を選ぼうってことになってさ。ネットで希望を寄せてもらったんだ。」
「ふーん。」
遼「そしたらな、お前とコラボした奴とソロで歌ってもらったのが3.4.5位だったわけ。」
「・・・・・は?」
純「・・・それってすごくない?」
孝「ある意味ショックだな。」
遼「言うな!立ち直れなくなる・・・・」

 

確かに。

いやいやそうじゃなくて・・・・

 

「そ、それは有りがたいですな。まぁでも、ソロはともかくコラボしたやつは他のメンバーと歌えばいいじゃんか。」

 

別に私が出なくても問題ない。

 

遼「それがなぁ、お前のこと名指しで希望してるファンがすっげー多くてさ。迷ったんだが・・・・無理を承知で頼みに来た!」
「頼みに来たって・・・んなこと言われても・・・」
遼「頼むよ有希!」
「う、うーん。」

 

歌うのは構わないんだけどよ・・・

むしろそういう理由なら出てやりたい。
私でお役に立てるんなら。

でもねぇ----
色々問題があるんですよ。

 

要「出てやれよ。」
孝「そうだ。出ろ。」
「お前らは黙ってろ。」
要・孝「・・・・・・。」

累「俺、有希の歌聴いてみたい。」
「・・・・・え。そ、そう?」
累「あぁ!」
要・孝「・・・・・・。」

 

しょうがねぇなぁ。
累がそこまで言うなら----

 

じゃなくて!

 

累たんに流されてる場合じゃないぞ!
そういう問題じゃない!

チラッと真樹を見ると、バチッと目が合った。

 

「あ、あの真樹様、ちょっといいっすか?」
真「・・・・・あぁ。」
要「え、何よ。」
孝「密談か?気に食わねぇな。」

 

余計な外野は無視だ。
ひとまず声が聞こえないところまで真樹を引っ張っていく。

こいつは事情を知ってるし、とりあえず助けてくれ社長。

 

「ど、どうしよう。」

 

開口一番。
マジの本音。

どうしよう!

 

真「どうしたいんだよ。」
「出ていいなら出ようと思うけど・・・遼にもバンドにも散々世話になってきたし。」
真「ならいいんじゃねぇ?」
「でも・・・」
真「元々遼のバンドにだけ出るって言ってたんだろ?もしMIKAMIが何か言ってきたら抑えてやる。」
「えっ!マジ?」
真「あぁ。」

 

真樹!いや社長!
お前って奴は----!

 

「真樹様ぁぁぁぁぁー!!!!!」

 

さすが凄腕社長様!
頼りになり過ぎる!

何の仕事してるか未だに分からねぇけどな!

とりあえず、嬉しさのあまり真樹にダイブした。

 

累「あー!何やってんの有希!こら!離れろ!」
純「姫!間違ってるよ!それ真樹だよ!」
要・孝「・・・・・・・・・・・・・。」
遼「・・・・・・・。」
真「ほぉ、今日は積極的だな。やっと俺の魅力に気付いたか。」
「なんとでも言え!マジでサンキューな!」
真「・・・・・・別に。」

 

真樹の両手を握り選挙のようにぶんぶんと握手した。
今なら総理大臣にもなれる勢いだ!

 

「遼!仕方ねぇから出てやる!」
遼「え!やったぁぁぁ!!!」
累「とりあえず・・・良かったな、遼。」

 

口を尖らせる累。

大丈夫。
そんな累たんもかわいいぞ!

 

遼「サンキュー皆!約束通り一番いい席を用意するから!」

 

 

・・・ん?

 

 

累「え!」
純「ちょ、ちょっと!遼!」
遼「へ?」
「「「・・・・・・・・・。」」」

 

・・・・・・けっ

 

「なんだ。やっぱ全員グルか。」

 

とりあえず、目の前にいる真樹を睨む。

首が吹っ飛ぶ勢いで顔を逸らした。

 

要「ち、違うよー。俺らは協力してくれたらいつもと違う特別な有希ちゃんを見せてやるぜーって言われて・・・・・・!」
「都合の悪い時だけちゃん付けで呼ぶんじゃねーよ。・・・・ていうかそれをグルって呼ぶんだろうがぁぁぁ!」
要「ぎゃぁぁぁぁ!!!」

 

ムカついたので手っ取り早く要に当たった。

 

「まぁ返事もしたし。遼にも世話になってるからな。私で良ければ出てやるよ。」
遼「もーマジでサンキュ!ていうか、お前じゃないとダメ。」
「-----ったく。どうなってんだよお前のバンドは。」
遼「ねぇ?」

 

ねぇ?じゃねーよ。
適当な奴め。

 

 

(まぁ、久しぶりにやってみますかぁ。)

 

 

マジで久しぶりだ。

 

心の中で腕をまくる。