予感

予感 12 ~GAME





辰「透ちゃんのココ、すっごく熱い・・・」

「はぁ、っ---あ・・」

辰「指、溶けそう・・・」

「ぅ---ぁ・・・」







くどいようだが・・・

私は今、激しく後悔している。







こんなことになるならあの時営業女子の誘いに乗っとけば良かった。

そして辰巳さんを見捨ててさっさとホテル探しに旅立てば良かったんだ。


そもそもこのヤロー、営業女子に絡まれてた時は女神でも見るような目で縋ってきたくせに・・・

一体なんなんだこの仕打ちは。
恩を仇で返しやがって!






(くそ--)






それもこれも、全ては・・・









私が家に帰れないのがいけなかったんだ。









「----っ・・」

辰「・・・ん?」






今日は家に帰れない。

今日は、というよりしばらく帰れない。






それはなぜか。






それは---










忍が、帰ってきているからだ。










「・・、----ッ」

辰「・・・透ちゃん?」







今頃、あいつは司と一緒にいるんだろう。

幼馴染として友達として、仲良く酒でも酌み交わしてるに違いない。


本当ならきっと、私もその場にいたんだと思う。

最近どうだ?なんてありきたりな会話を楽しんでたかもしれない。








でも私は---あいつに会いたくない。








例えば司が一緒でも
例えば他の誰かが傍にいたとしても

やっぱり





・・・会いたくない。





え、それが家に帰れない理由なのかって?

バカじゃないの?

むしろ家にいた方が安心だろって?

いやいや何言ってんだ。



だってもし司や家族と一緒に家に来られたらどうする?

事情を説明するつもりはないし、逆に説明なしでヤツらを追い返すのは難しいだろ?


あいつと会わざるを得ない・・・

そんな状況に陥るのだけは何が何でも避けたいんだよ。







(だって・・・)







だって、もしあいつと会うことになれば

もし再びあいつに捕まってしまったら








私は、また--












「---考え事?」











ふと、頭の中で男の声が聞こえた。







「ぇっ」







一瞬、あいつの声かと思ってギクッとした。







でも目の前にいたのは







(ひっ----!)







まるで悪魔のように口角を上げる辰巳さんに

悲鳴を上げなかった自分を褒めてやりたい。






辰「なぁ、何考えてた?」

「ぇ・・ぁ、あの---!」

辰「もしかしてホテルのこと?まだ探すつもりでいるわけ?」

「え!ぇ、えと---っ!」






まるで春の日のそよ風のように穏やかな口調。

なのに漂ってくる雰囲気は氷のように冷たくて

私の両手を拘束する手にはギリギリと力が込められていく・・







私は一体・・・

何度同じ過ちを繰り返せば気が済むんだろう。







---辰巳さんは怒ってる。







とにかく、それだけは痛いほどに伝わってくる。






辰「でも、泊まるとこなら安心しなよ。」

「え、いや、あの・・」








辰「今日は・・・帰すつもりないから。」


「っ!」







辰巳さんの目が、ギラリと光ったような気がした。

そして





---ヤバイ!





頭の中がそれでいっぱいになった。







「待て--!ゃめ-----ゃ、あぁっ!」







視線を絡ませたまま、秘部に埋めていた指をズルリと引き抜いていく辰巳さん。

そして一本でも持て余していたソレを・・

一気に二本突き立ててきた。






「ぁ、あ---はッ、---っ!」






あまりの圧迫感に背中がギリギリと仰け反る。

だがそんな様子を楽しむように、ヤツの指は容赦なく中を掻き回してくる。






「嫌、ぁ--!」

辰「すご・・・」

「待て・・・ゃ、あっ!」

辰「・・吸い付いてくる。」






さっきまでのじれったい刺激とは全然違う。

追い詰められるような激しいソレに、気を抜けば一瞬で攫われてしまいそうな感覚に陥る。






「っ!--ゃ、・・・ぅ、ああぁっ!」






更に追い討ちをかけるように親指が割れ目をなぞる。

そしてすぐ傍にある敏感な突起を、まるでいたぶるように押し潰してきた。






「ゃだ、ぁ---やめ---あぁっ・・・!」






(なんだ----これ・・・・・!)






さっきまで散々焦らされてたからか?

やっと与えられた快感に悦んでいるのか?


まるで強力な媚薬に犯されているような

まるで身体の芯に火を着けられたような・・・







あまりにも強烈な快感に







冗談抜きでクラクラする・・・







辰「透ちゃん、イきそう?」

「ぁ、あ---、いや・・・・あっ・・」

辰「嫌?」

「嫌・・だ---ゃめ----っ」

辰「ふーん・・・」






体が熱い
腰が震える

喉が引きつる・・
目の前が霞んでいく・・







(溶けそ・・)







どうしよう、どうしよう







頭が、真っ白になる--












「-----っ!」











霞んだ視界に写る辰巳さんが

それはそれは妖しく口端を吊り上げた。







そして心底愉しそうに目を細め







ピタリと指の動きを止めやがった。







「・・・ぅ、---ぁっ・・!」

辰「----。」

「はっ、---はぁ、ぁっ---!」

辰「もしかして、期待した?」







(この、ヤロ----!)







分かってた。

こうなるのは分かってた。

嫌と言ったのは私だ。
やめろと言ったのも私だ。


でも--これは-----







「ぁ---っ、く・・・」







まるで出口を失った疼きが逆流してるみたいだ。

凶暴とも言える激しいソレに、体の震えが止まらな






「---ぇ、っ------!?」






くちゅ--



静かな部屋に卑猥な音が響く。

そしてヒクヒクと痙攣する中を弄ぶように、二本の指が動きを再開させた。






「ちょ---待て!ゃだ-----あ、あぁっ!」






中途半端に火照った体に再び火がつく。

しかもさっきよりも大きく、さっきよりも激しく下腹部が疼き出す・・






「嫌ッ----ゃめ----っ!」

辰「大丈夫・・」

「ぁ・・・、---?」

辰「イく前にちゃんと止めてあげるから・・」

「----っ!」






バカ言うな!と叫んでやりたかったが叶わず

一際激しく動き出した指が敏感な部分を容赦なく攻めたててくる。






(---ヤバい!)






さすがに---これはヤバい。






これ以上攻められたら






その上で熱を取り上げられてしまったら








冗談抜きで気が狂ってしまう!








「ゃ、だ----ゃめ---!」

辰「・・・・・・。」

「たつ、み、さ---も---ゆるし、て---!」

辰「!」

「辰巳、さんっ---!」

辰「っ--」






こいつに許しを請うことになるなんて・・

一体何の悪夢だこれは。






でも今はそんなこと言ってる場合じゃない。






イきたいのにイかせてもらえなくて

気持ちが良いいのに苦しくて堪らなくて







無意識に、涙が零れてしまう・・











辰「ぇっ・・・」











なぜか・・・

辰巳さんが目を見開いたような気がした。








「ん---!?」






でもヤツの表情に気を取られたのは一瞬。

気付けば熱い唇が自分のに重なってて






そして中を犯していた指が






絶頂を促すように暴れ出した・・







「んっ!---ん、ぅ----!?」

辰「・・・・・。」

「ゃ、ぁ---んっ!!」

辰「----っ」







(ちょっと-----待って---!)







止まろうとしない指に焦りを覚える。


だって・・・イかせないんじゃなかったのか?

焦らして焦らして焦らし抜くんじゃなかったのか?






なのにこれ以上煽られたら・・






これ以上快感を与えられたら----!











「ぁっ!--ん、ぅ-------ッッ!?」











パチン・・、と

頭の奥で、何かが弾け散ったような気がした。








そして









(ウ、ソ----、・・)









散々焦らされた体は何の躊躇もなく









甘い甘い快感を素直に受け入れた・・・









(ウソ・・だ---)









---快感は怖い







あの時以来、心に刻まれてしまった感情。

例え恋人にでも快感を与えられるのは怖い。

"イく"ことに関しては正に「恐怖」だった。



それはきっとこれからも変わらない。

簡単に変わることは出来ない。

そう思ってた。







なのに・・







(なん、で----)







あんなに怖かったのに
あんなに嫌だったのに








恐怖を感じる余裕すらなかった--









「ん、っ---は・・」

辰「---っ!」

「ぁ---、・・・」

辰「・・・っ、透・・」







恐怖に呑まれなかった体に残されたのは







ただただ甘ったるい恍惚感







跳ねる体を引き寄せる辰巳さんの逞しい腕も

感情をぶつけるように絡みつく熱い舌も







気持ち良くて気持ち良くて







堪らない・・・







「ん、----んっ・・」







キスを交わしてるのは辰巳さんだ。

そんなことは分かってる。







でも









夢中でその唇に応えた。