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---忍くんと何があったのか
気になりだしたら最後・・・
胸がザワザワしてたまらない。
出来れば今すぐ聞いてみたい。
けど
今はそんなこと考えてる場合じゃない。
「透ちゃん・・・ごめん。」
まずは---謝らなきゃ。
「透ちゃん、ごめんなさい・・」
透「・・・っ・・」
「もう聞かないから・・・」
透「---、ッ・・」
「お願い・・・泣かないで」
透「--、・・っ・・!」
目元に触れると華奢な肩が小さく跳ねた。
一瞬、しまったと思った。
でも怖がられたわけじゃなかったみたい。
戸惑ってる様子だけど、まるですがるように俺の手に触れてきた。
(-----えっ!)
うそ・・・
手が震えてる?
「---っ・・透ちゃんごめん 本当にごめんなさい・・・!」
罪悪感に駆られて思わず抱きしめた。
でも包み込んだ体もやっぱり震えてて余計に胸が痛くなった。
とにかく、ひたすら謝った。
知りませんでしたじゃ済まされない
ちょっとした意地悪のつもりだったなんて
そんなの言い訳にもならない
イジワルして傷つけて
おまけに泣かせてしまうなんて
本当に---最低だよ俺。
「透ちゃん、泣かないで・・・」
頭を撫でてみる
抱きしめる手に力を込めてみる
あぁ、でもダメだ・・・
涙も震えも止まらないよ。
(どうしよう・・・)
透ちゃん本当にごめんなさい。
忍くんのことはもう二度と聞かないから
だからお願い--
許して・・・
(---あ!)
どのくらい時間がたったんだろう。
ふと、透ちゃんがモゾモゾ動き出した。
「・・・透ちゃん?」
返事は---ない。
でも弱々しく胸を押し返してくる。
透「・・・玲くん、あの・・」
「!」
透「・・・ごめん。もう大丈夫。」
「えっ・・」
(ほんとかな・・・)
確かに震えは大分治まった気がするけど・・・
なんだか離れ難くてぎゅっと抱きしめ直してみる。
するともう一度胸を押された。
「・・・本当に大丈夫?」
透「・・・あぁ。」
「じゃあ・・・体、起こすよ?」
透「・・・ん。」
恐る恐る・・・
ゆっくりゆっくり体を起こしてみる--
(---!)
思った通り。
透ちゃんの目は真っ赤だった。
ついでに頬まで紅くて気まずそうにこっちを見上げてくる。
(う、うわぁ・・・)
あまりにも酷い有様に頭がクラクラする。
今更だけど罪悪感に押し潰されそう。
「透ちゃん・・・ごめんなさい。」
透「・・・・・。」
「本当にごめんなさい。反省してる。」
透「・・・・・。」
(うぅ・・・)
返事が無い。
「・・・どうしたら許してくれる?」
透「・・・・・。」
「許してもらえるまで何でもする。だから--」
透「あの、玲くん・・」
「な、なにっ?」
透「と、とりあえずその・・・」
「?」
透「・・・離れよっか。」
「え?」
透ちゃんはチラリと上目でこっちを見上げ
そしてもう一度胸を押し返してきた。
ていうか、離れる?
離れる。
離れるって・・・
「えぇ!」
透「えぇじゃない。さっさと離れなさい。」
「そ、そんな・・・」
透「早くしろ。」
きゅっ、と胸元を隠す透ちゃん。
そして真っ赤な顔を更に染めてプイッとそっぽを向いた。
なるほど。
その紅い頬は恥ずかしかったからだったんだね。
いやいやそんなことはどうだっていい!
(ちょちょ、ちょっと待って・・)
これってエッチのことを言ってるんだよね?
こんな中途半端な状態で強制終了しちゃうぞって意味だよね?
「あ、あの、透ちゃん・・・」
透「・・・・・。」
「・・・えと、・・」
透「・・・・・。」
(ほ、本気だ---!)
そそ、そんな・・・
こんな状態でやめるなんて・・
む、無茶言わないでよ。
俺に死ねって言うの?
「・・・・・。」
透「・・・・・。」
ここで止めるくらいなら嫌われた方がマシだー!
と叫びたい。
最低なヤツだって?
そうだよ、俺は最低の男だよ。
なんて開き直ってしまいたい。
でも
透ちゃんの真っ赤な目が
まだ乾いてない涙の痕が
グサグサと罪悪感を刺激する・・・
「・・・・・・・・・・分かっ、た。」
辛い、すごく辛い。
やっと食べれるー!とありついたランチを目の前で取り上げられるより辛い。
でも今は、素直に言うこと聞こう思う。
だって・・・
悪いのは全部、俺。
透「・・、---んっ・・・!」
「・・・・・・。」
透「-----は、ぁ・・」
「・・・・・・。」
ゆっくり引き抜いていくと色っぽい声が漏れる。
自分が悪いのはわかってるけど
こんな可愛い透ちゃんを前にお預けなんて・・・
正に生殺しだよ。
まぁ、何度も言うけど俺が悪いんだけどさ。
でも
「・・・・・・。」
やっぱり辛い。
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