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手も足も出ない、なんて言葉は
今の私の為にある言葉だと思う。
「はぁ、はぁ・・・っ・・」
熱い。
すごく熱い。
肌を刺す空気はこんなに冷たいのに
むしろ寒さを感じるくらいなのに
まるで真夏のビーチに迷い込んだかのごとく体が熱い。
玲「透ちゃん、可愛い・・・」
グラグラ揺れる意識の中
甘ったるい声が耳をくすぐる。
(ぅっ・・)
鉛のように重いまぶたをギギギと持ち上げる。
目を刺す光がまぶしい・・・
そしてチカチカする視界に見えたのは
イタズラっぽく口角を上げる、余裕の笑み。
「・・・・・。」
もちろん、殺気を込めて睨んでやった。
玲「もー、またそんな顔する。」
「・・・・・。」
玲「せっかく可愛かったのに・・・」
「・・・ふざけんな。」
玲「なぁに?なにか言った?」
「---っ!」
玲くんの綺麗な目がスッと細められた。
それと同時に動きを再開させる指。
そしてゆるゆると上下に割れ目をなぞった後
まるで俺の居場所はココなんだと主張するかのように
濡れたソコに指を沈めてくる。
「ちょっ・・や--!」
反射で足を閉じた。
だが玲くんの腰が邪魔で叶わない。
それならばと胸を押し返す。
しかし嘲笑うかのようにビクともしない。
「玲く---やめ--!」
玲「そんなに気持ちいいの?」
「っ!?」
玲「指、飲み込まれそう。」
「!」
愉しむように指を動かしながら、今にも唇が触れそうな距離で囁く玲くん。
ていうかなんでわざわざ言葉にするんだ君は。
恥ずかしさのあまり思い切り視線を切った。
玲「こら、目逸らしちゃダメ。」
「あっ!」
玲「こっち見てて。」
「っ・・」
玲「可愛い顔見せて?」
「ゃめ---ぁぁッ!」
もたもたと中で遊んでいた指が敏感な部分を擦り上げる。
強制的に与えられる甘い刺激。
痺れるようなソレに反応してビクリと腰が跳ねた。
玲「すごいね、溢れてくる・・・」
「--っ!」
玲「ほら、分かる?」
「ゃだ---ぁ、ぁっ--!」
いやらしい音を立てながら中を掻き回す玲くん。
そして顔を覗き込み、わざと卑猥な質問を投げて寄こす。
玲「透ちゃん、可愛い・・・」
「玲くんやめ、っ--あぁっ!」
はしたなく響く水音
自分のものとは思えない淫らな声
そしてそれに比例して
蓄積された快感が、狂ったように暴れ出す。
「嫌・・・ぁ---!」
腰がゾクゾクと震え出す
背中が仰け反り、爪先から何かがかけ上がってくる
打ち寄せる波のように
何度も、何度も
恐怖を感じるほどに・・・
玲「透ちゃん、どうしてほしい?」
「ぁ--あっ・・」
玲「イきたい?」
「---っ!」
その問いに、無意識に玲くんの服を掴んだ。
快感は嫌いだ。
出来ればこれ以上受け入れたくない。
だけど体が疼いて疼いて
いっそ一思いに上りつめてしまいたくて
このまま我慢し続けたら
確実に気が狂ってしまう--
玲「だーめ。ちゃんと言わなきゃイかせてあげない。」
(・・ぁっ---!)
あと少し・・・
あと少しというところで
熱が消えた。
「は、ぁ、ぅっ・・!」
不本意に熱を取り上げられた体が痛い程に疼く
続きを求めて下腹部がゾクゾクと震え出す
(なんで・・・!)
あと少しだったのに
やっと開放されると思ったのに
一体、今ので何度目だろう。
快感が弾ける寸前
玲くんの指が、ピタッと止まる。
玲「もー、また黙ってイこうとしたでしょ。」
「はっ・・・ぁ--」
玲「気持ちよくなりたかったらちゃんと言って?ね?」
「---っ、・・」
---お願い、イかせて
察しの通りだ。
玲くんは現在、私にこの恥ずかしいセリフを言わせようと夢中になっている。
(ふざけやがって---)
全くもってふざけてる。
そんな破廉恥なセリフ言うわけないだろ。
願わくば今すぐ蹴り飛ばして説教してやりたい。
だが・・・
今の私に、そんな虚勢を張る余裕なんか残ってない。
玲「言わないの?」
「っ・・」
玲「まだ我慢するつもり?」
「嫌っ・・・あ、ぁ--!」
幾度となく繰り返される寸止め地獄。
敏感な部分をしつこく刺激するくせに
触って触って限界まで追い詰めてくるくせに
それなのに・・・
達する寸前、容赦なく快感を取り上げる。
「はっ・・・ぁ--」
正直言って
焦らされるのがこんなに辛いとは思いもしなかった。
(苦し、い・・)
何度も言うが、手も足も出ないとはこのことだ。
体が焼けるように熱くて
得体の知れない焦燥感に犯されて
冗談抜きで、苦しい・・・
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