約束

約束 12 ~GAME






透「玲く-----ん、っ!」







逃げようともがく両手を押さえ込み

柔らかくて感触のいい唇を夢中で味わう。

そして






押さえの利かない右手が

透ちゃんのシャツをじわじわと開いていく。







透「--や---ろッ・・コラ---!」







多分怒ってるんだよね・・・

でもごめん。
今は無視しようと思う。







(どうしよう・・・ゾクゾクする・・)







一応言っとくけど

こんなことするつもりなんて無かった。


たとえ透ちゃんから誘われたとしても
確実に断れる自信もあった。




本当だよ?




無理言って家にお邪魔したのだって

司くん達と別れた後、どことなく寂しそうな透ちゃんを一人にしたくなかったから。

昨日みたいにヤケ酒に走るかもしれないし

それに・・・

また泣いちゃうんじゃないかと思ったら放っておけなかった。






-- 純粋に透ちゃんのことが心配






ウソじゃない。
本当にそう思ってた。







なのに







ハプニング発生。







多分、忍くんについて質問したのがいけなかったんだと思う。



そりゃトラブル中のエッチ友達のこと聞かれても困るよね。

案の定、透ちゃんは言葉に詰まって

しかも表情がどんどん曇っていくもんだから頭を撫でた。

「大丈夫だよ」って言葉と一緒に。




そしたらなんと---







俺を見つめたまま







透ちゃんの目に、涙が・・・








「えっ・・・」








な・・






な----









(-------なにそれっ!)









それはもう、すごい衝撃だった。








まるでクライマックスで弾けるシンバルのように

バーンと胸が震えた。








(か、可愛い・・・)







思わずジッ・・と見つめてしまった。


だって昨日の悲しそうな涙とは全然違う。


おまけにコンタクトが・・なんて言い訳するし
痛がるフリしてコソッと涙拭いてるし





(ちょ、ちょっとやめてよ・・・)





可愛い仕草に煽られて体がどんどん熱くなる。

待って、待ってよ透ちゃん。

もうやめて。
これ以上刺激されるとさすがに理性が--







ぷっつん







(あ・・・)












と、いうわけで












我慢強さが自慢の俺の理性は

まるでハサミを当てられた糸のようにあっさり千切れた。







(参ったな・・・)







最近どうもおかしい。

この前といい今日といい

透ちゃんを目の前にするとどうも調子が狂う。



とにかく







(・・・透ちゃん、ごめんなさい。)







一応反省はしてるよ。
約束したのに本当にごめんなさい。

でも俺だって男だから。
こればっかりはどうしようも無い。

それに・・・









透ちゃんが可愛い過ぎるのが、悪い。









透「・・っ---ぁ・・」







それにしても不思議だ。







透ちゃんとのキスって、いい。







感触のいい唇はもちろんだけど

舌を絡ませるほどに体の力が抜けて
深く重ねるほどに甘い声を漏らす

別にキスが大好きってワケじゃないけど
こんな可愛い反応されたらこっちまで感じてしまう。






透「ん、ぁ---」

「---っ・・」






もしかして透ちゃん、キスに感じる子なのかな。

漏れ出す声がすごく色っぽい。


ていうかキスでこんなになっちゃって・・・

体に触れたらどうなるんだろ。





(・・・・・。)





うわ、想像するだけでゾクゾクする。







「---!」







突然、透ちゃんの体からガクッと力が抜けた。


夢中でキスしてたから・・・
息出来なくなっちゃった?






「ごめん透ちゃん。苦しかったよね。」

透「・・・・・。」

「大丈、夫・・」






名残惜しかったけど唇を解放した。

そして透ちゃんを見下ろして--







「えっ・・?」







バーンときた。

頭の中で本日二度目のシンバルが炸裂した。







(な、なんでそんな顔してるの・・・?)







ぐったりとソファーに背を預ける透ちゃん。



その頬はほんのり上気してて
涙で潤んだ瞳はトロンと惚けてる。



しかも乱れたシャツから柔らかそうな胸元を覗かせて

おまけに俺に両手を拘束されたその姿は







めまいを覚えるほどに、エロい・・







「・・・・・。」






これはちょっと・・・

やばいかもしれない。






「・・・そんなに気持ち良かった?」

透「・・・っ・・」

「それとも、誘ってるの?」

透「--ぇ・・?」






なんだか耳がキーンとする
頭もクラクラするし・・・


もしかしたら







変なスイッチが入っちゃったかもしれない







透「玲く---待っ--!」







自分で聞いたくせに答えを待つ余裕もない。

俺の異変に気付いたのか、慌てて顔を逸らす透ちゃんの顎を取って






再び、激しく唇を奪った。






(うわぁ・・・ちょっと--)






獲物を襲う時の獣って
こんな感覚なのかもしれないと思った。

目の前のご馳走をめちゃくちゃにしてやりたい・・・

そんな激しい衝動に駆り立てられる。






透「玲く---っ・・ぁッ!」






肌に触れたくてシャツに手を滑り込ませる。

すると透ちゃんの体がビクッと跳ねた。





透「や、やめっ---!」

「・・・。」

透「コ、ラ---!」

「・・・・・。」





さっきの蕩けた様子とは一変。
今度は必死に暴れ出した。







でも、俺も一応男なんで。







そんな無駄な抵抗を押さえつけて







下着のホックをプツン、と外した。