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「・・・・・・。」
玲「・・・・・・。」
---ドクン、ドクン
まるで全身が心臓になったみたいだ。
テレビから流れる映画は結構な音量なのに
激しく踊り狂う鼓動しか聞こえない。
(や、やばい・・・)
喋らない私を不審に思ったのか玲くんの顔が真剣な表情に変わっていく。
どうしよう
このままじゃマズイ
早く、早くなにか話さなきゃ
変に思われる・・・
「え、えーと---」
玲「・・・・・。」
なにか、なにかないか?
なんでもいいから---早く!
「あの、その---」
玲「・・・透ちゃん。」
「ちょ、ちょっと待て!えっと---!」
玲「ねぇ、透ちゃ--」
「そっそういえば-----!あいつらにゲームのこと話してくれたか!?」
玲「・・・え?」
(・・・・・えぇ・・)
ボスとかキナコとか
玲くんのレストランとかヨーロピアンとか
冷静になれば話題なんていくらでもあったのに
思わず口から飛び出したのはなんと
例のしょうもないゲームについてだった。
まあ・・・許してもらいたい。
焦るととんでもないことを口走る。
それが人間だ。
玲「・・・ゲーム?」
「そ、そう!この前話しただろ?ゲームやめるって!」
玲「あ、あぁ・・・」
無理矢理な話題変更にポカンとする玲くん。
しかし言ってしまったものは仕方が無い。
こうなったらここは---
押し通す!
玲「・・・ごめん、まだ言ってない。」
「え、えー!そうなのー!?」
玲「う、うん。」
「もも、もー!玲くんの忘れんぼ!」
玲「・・・・・。」
ものすごくテンションの高い私
裏腹にものすごく戸惑っている玲くん
頑張れ、着いて来い王子!
玲「ご、ごめんね、明日にでも言っとく。」
「ほ、ほんとか!?」
玲「・・・うん。」
「や、やったー!ちょーうれしー!」
玲「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
---しーん
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
かか、会話が続かなーい!!
「そ、そ、それじゃ玲くん!そろそろテレビゲームでもやりますか!」
玲「・・・透ちゃん。」
「も、もしかしてゲームは苦手か!?困ったな!それじゃ次のDVDでも--」
玲「透ちゃん、大丈夫だよ。」
「・・・・へっ・・?」
玲「何があったか知らないけど・・・そんな顔しないで?」
「え・・・」
玲「透ちゃんには友達がたくさんいるだろ?」
「・・・・・。」
玲「ほら、俺もいるよ?」
「・・・・・。」
一体どういうつもりだろうか。
スッと伸びてきた手が、ぽんぽんと頭を撫でた。
そして一体なんのことを言ってるんだろう。
さっぱり意味が分からない。
でも・・・
---大丈夫だよ
玲くんが言った大丈夫と私が感じた大丈夫は確実に意味が違う。
だけどなぜか「大丈夫」だけがスルッと心に入り込んできて
(ど、どうしよう・・・)
これは不本意だ。
でも・・・
リアルに、泣きそう
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