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正にジャストタイミング。
思い切りため息をついた瞬間
寝室のドアが開いた。
先に言っておくが私は一人暮らしだ。
よって、まさかの第三者の登場に激しく驚いた。
二日酔いが消し飛ぶくらいビックリした。
そして現れた人物にもっと驚いた。
だってそこにいたのは王子・玲くん
しかもなぜか
エプロン姿。
「え、え・・・?」
玲「どうしたの?」
突っ込みどころがありすぎてどれから処理すればいいのか分からない。
とりあえず
「な、なんで玲くんがいるんだ?」
最大の疑問だろ。
だって玲くんを家に招いた覚えが無い。
玲「あれ、やっぱり覚えてない?」
「え・・・」
ニコッと微笑みながら近づいてくる玲くん。
ていうか"やっぱり"ってなに。
もしや酔ってる間に何かやらかしたのか私。
(はっ・・・!)
ちょっと待て。
このパターンってまさか・・・
酔った勢いで致してしまった、なんてことはないですよね!
「あ、あの、もしかしてですけど--!」
玲「透ちゃん、昨日すごく酔ってただろ?」
「・・・う、うん。」
玲「店を出た後ここまで送ってきたんだけど一人で歩けないみたいだったからさ。悪いと思ったんだけど家にお邪魔したんだ。」
「え・・・」
玲「勝手に入ってごめんね?」
(お、送ってくれた・・・?)
とりあえず最悪な予感は外れたようで一安心。
それより、家まで送ってくれたって?
全然覚えてないけど・・・
もしや昨日は最後まで付き合ってくれたのか?
なんと、君っていいヤツ。
玲「明け方にいったん自宅に帰ったんだけどさ。透ちゃんが寝過ごすといけないからさっき戻ってきた。」
「そ、そうなの?それはそれは-----おかえり。」
玲「うん、ただいま。あ、これ二日酔いの薬だけど、いる?」
「・・・有難くいただきます。」
玲「それとご飯作ってきたんだけど・・・一緒に食べない?」
「え!食べる!」
なんと・・・
薬だけじゃなくわざわざ飯まで作って戻って来てくれたらしい。
君ってマジでいいヤツ。
私はいい友達を持った!
玲「そうだ。エプロンも勝手に借りちゃった。」
「気にすんな。どんどん使ってくれ。」
とにかく
記憶が大分飛んでるのは気になるが
暴れたとか○○やら△△したとか・・・
何かヤバイことをやらかしたわけじゃなさそうだ。
良かった、本当に良かった。
(でも・・・今度から気をつけよう。)
昨日は確かに酔ってた。
酔うつもりで飲んだし記憶が飛べばいいとも思ってた。
でもそれとこれとは話が別だ。
友達とはいえ酔って男を家に上げるなんてダメだろ。
玲くんがいいヤツだったから無事だったものの悪いヤツだったらどうなってたことか・・・
そんなことじゃコロッと襲われても文句は言えない。
自分の身は自分で守る。
世の中の常識だ。
玲「そうだ透ちゃん。ご飯の前にシャワー浴びておいでよ。」
「へ?」
玲「すっきり気分で食べた方がご飯も美味しいよ?」
「そ、そう?じゃあ・・・浴びてこよっかな。」
ご飯にする?
それともお風呂?
まさか有名なコレを身をもって体験できるとは・・・
自分、女ですがなかなか気分いいっす。
じゃなくて
玲くんてばなんて気が利くんだろ。
まるで新妻レベルのナイス気遣い。
きっといい奥さんになれるよ。
「よいしょっと・・・」
玲「ふふ、寝癖ついてる。」
「え、マジ?髪が伸びたからかな。最近酷いんだよなぁ。あ、薬サンキュ。」
玲「・・・あ。」
「むぐ?」
とりあえずベッドからおりた。
そしてもらった薬をぐいっと飲んだところ、玲くんがボソッと呟いた。
「なんだ、どうした?」
玲「やっぱり・・・結構はっきり残っちゃったね。」
「残った?何が?」
玲「なにって・・・」
「?」
玲「キスマーク。」
・・・は?
今日も相変わらず素敵な笑顔の玲くん。
その笑顔を更に深め
私の鎖骨をトントンと指で突いた。
玲「俺は見られても構わないけど・・・透ちゃんは恥ずかしいよね?」
「あ、あの・・・?」
玲「後で絆創膏はっとこうか。持ってる?」
「も、持ってるけど、え・・・?」
玲「じゃあシャワー浴びたら張ってあげるね。」
「え、いや、え・・・?」
リアルに、フリーズ。
だって、意味が分からない。
とりあえず鎖骨を確認しようと鏡の方へよろめく。
するとご飯が冷めるから早くシャワーに行けと促された。
(・・・シャワー?)
そ、そうだったシャワーだ。
とりあえず今はシャワーを浴びよう。
しかし
(ひ、ひぃぃぃーーー!!)
浴室の鏡の前に立ち声にならない絶叫。
鎖骨、胸元、腹部。
その他際どいところにまで飛び散る紅い跡。
まさか下も---!?
とパンツを引っ張り下ろすと不幸中の幸い。
下半身は無事のようだ。
ていうか-----なにこれ。
シャワー当てても取れない
当然だが擦っても叩いても取れない
「あわわわ---!」
なにコレまじでなにコレ。
なんでこんなことになってんの?
昨日は何も無かったんじゃなかったのか?
(・・・・・・・。)
いやいや現実から逃げるな。
明らかに何かあった跡だろコレ!
「くっそー、騙された---!」
あのヤロー虫も殺せないような顔してるくせに!
しかもなにが良く眠れた?だ
なにがご飯食べる?だ
カワイイ顔で微笑みやがって白々しい。
よーし決めた。
今後一切、君の笑顔は信じないからな!
「玲くん!ちょっといいか!」
温まるのも中途半端にシャワーを切り上げる。
そしてリビングのドアを開け放ち、せっせとご飯の準備をする玲くんの前に仁王立った。
玲「あれ、もう上がったの?ちゃんと温まった?絆創膏張る?」
「それは後でいいから!ちょっとそこに座りなさい!」
玲「はーい。」
今日という今日は絶対許さんぞ!
ガツンと説教してやる!
「いいか!良く聞け--」
玲「それじゃ、いただきまーす!」
「---え!?」
玲「ん、美味しい!ほら、透ちゃんも食べなよ。」
「それじゃ遠慮なく------じゃなくて!」
玲「目玉焼きも上手く出来たんだよ。見て見て、とろとろだー!」
「お、おぉ!」
玲「あ、透ちゃん、半熟で大丈夫だった?」
「全然オッケー!やっぱ目玉焼きは半熟だよな!」
というわけで
説教してやるつもりだったのに
またしてもコロッと流された。
玲「美味しい?」
「うん、美味い!玲くんは料理の天才だな!」
玲「そ、そうかな。」
「照れんなって!」
(甘い、甘いぞ透・・・!)
分かってる。
そんなことは分かってる。
けど---!
玲「なんだか透ちゃんと一緒にご飯食べるのって楽しい。」
「え、そう?」
玲「うん。」
「へ、へへっ!」
(あー、やっぱ可愛いわ玲くん・・・)
以上、3時間前の出来事だ。
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