スポンサーリンク
辰「で、ゲームのことだけど。」
ソファーに座りズズッとコーヒーをすする。
あー、美味い・・・と思ったら奴の声。
「えーと。ゲームってなんのゲームでしたっけ。やっぱり・・・・・RPG?」
辰「・・・・・・・・・・・。」
ジトッと変な目を向けられる。
あれ間違えた?
もしかして格闘ゲーム?
辰「思い出したフリしやがったな?」
「いやいや覚えてますよー!格闘ゲームでしたよね!?」
辰「・・・・・・・・・。」
でかいL字のソファー。
斜め前に座る奴。
呆れたように足を組みかえる。
イラッとするほど足が長い。
辰「もう・・・また説明しないといけないわけ?」
「面倒ならしなくていいですよ。」
辰「説明無しで参加するの?」
「説明書とかあるでしょ。こう見えてゲーム得意なんで。説明書見ればなんとかなるかと。」
辰「・・・・・・もしかして、テレビゲームと勘違いしてない?」
「え・・・違うんですか?」
辰「・・・・違うよ。」
じゃぁ・・・なんのゲーム?
辰「あのね透ちゃん。俺らと、恋愛ゲームして欲しいの。」
「れ、恋愛ゲーム!?」
まさかとは思ったが・・・
そっち系のゲームだったか!!
「さすがにそれは・・・知ってると思いますけど私、女ですよ?そういうのは男友達とウハウハやってくださいよ。」
辰「は?」
は?じゃないだろ。
残念だがそっち系は管轄外だ。
興味も無い。
「美少女と仲良くやるっていうあれでしょ?彼女にプレゼントして高感度アップ。A.花束。B.ブランドの財布。C.現金。」
辰「え・・・・」
「それとももしかしてアッチですか?メイド喫茶とかコスプレとか・・・好みの美少女を育てちゃおーみたいな?」
辰「なに言ってんの!」
「へ?」
違うのか?
辰「なんてこと考えてるんだよ。俺が言ってるのはリアルな世界の話!」
「リアル?意味が分かりませんが・・・」
辰「簡単に言うと、俺たち・・・まぁ3人いるんだけど。ほら!昨日、葵くんが説明してた晋と玲!」
「あぁ。」
辰「で、ゲームの内容ってのはさ。3人のうち誰が一番に透ちゃんの心を奪えるか・・・みたいな感じ。」
「あぁそういうことですか。」
辰「そう。」
辰巳さんを含め、3人の男。
そいつら3人のうち、誰が透ちゃんの・・・
つまり私ですが。
誰がいち早く私の心を奪えるか---------
「----って待てー!なんだそれは!」
辰「面白いだろ?」
「面白くない!!」
あほかこいつは。
「冗談なら-----」
辰「冗談じゃないよ?」
「じゃぁ尚更悪い。そんなのに付き合うつもりは無いです。」
心を奪うゲームだと?
まったくもって馬鹿馬鹿しい。
そんなゲームに付き合ってられるか。
美少女ゲームやってる方がまだマシだ。
辰「そっか、そりゃ残念。」
「残念でしたね。」
顎に手を当てて何かを考え込む辰巳さん。
本気でそんなゲームをやるつもりだったのか?
究極のバカだなこいつ。
辰「じゃぁ・・・今からヤらせろ。」
「---------は!?」
すぐ近くに座ってる奴。
更に距離を縮めて・・・・
隣に座ってきやがった。
「な、なにしてるんですか。ていうか・・・・あんた今なんて言った?」
辰「参加しないんだろ?」
「するつもりはありませんけど----」
辰「参加しないなら今すぐ犯す。」
「え!?いやいやちょっと待って!!」
そういえばそんなこと言ってたな。
それってなんだ?
参加するなら今日の身の安全は確保。
参加しないなら今からヤられる。
こういうこと?
「ちょっと---触るな!!」
辰「さっき約束したばっかりだろ?忘れたとは言わせねぇぞ。」
「待てーーー!!」
ゆっくりと圧し掛かってくるヤツの体。
思い切り押しても全然動かない。
それよりどうすればいいんだよ!
せっかく助かったのにまた振り出しか!?
「ちょっと---タイム!!」
辰「なんだよ。」
「か、考えさせてください!とりあえず退いて!!」
辰「えー。」
「またお預けかよー。」なんてワケの分からないことを呟きながら離れていった。
とりあえず落ち着け私。
とにかく無事に帰れる方法を考えろ!
辰「もう、どっちにするの?さっさと決めて。」
「ちょっと黙ってください!」
辰「これ以上焦らされたら死ぬ。」
「じゃぁ死ね!」
辰「・・・・・酷いね。」
どうする。
どうすればいい?
殴るか?
殴って気絶させてその隙に脱出するか?
いやダメだ。
力ではこいつに勝てる気がしない。
辰「何を悩んでるの。選択肢は2つだろ?」
「・・・・・・2つ?」
何と・・・・何?
辰「1.ゲームに参加するか。2.今から俺に喰われるか。さぁどっち?」
「・・・・・・・・・・。」
なんだよその嫌過ぎる選択肢は。
指を二本立てて突き出す辰巳さん。
その余裕な笑顔がかなりムカつく。
「3.何事も無かったことにして帰る。」
辰「却下。」
「・・・・・・・・・・・。」
即答ですか。
「じゃぁ参加する。」
辰「え?」
選択肢がその2つなら・・・
参加するを選ぶに決まってんだろ。
辰「参加するの?」
「する。」
とりあえず、今日が無事ならそれでいい。
この魔の辰巳ホームから無事に帰還できればこっちのもんだ。
連絡が来ても無視すればいいんだからな。
むしろ絶対無視だ。
着信拒否してやる。
辰「透ちゃん・・・・連絡、無視するつもりだろ。」
「え!」
心を読まれた。
辰「出来るモンならやってみろ。調べ上げて探し出して・・・その場でヤってやるからな。」
「・・・・・・出来る限り無視はやめます。」
辰「絶対やめて。ショック受けるから。」
「・・・・・・・・。」
とりあえず
今は無事に家に帰れることだけを考えよう。
スポンサーリンク