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「う・・・・ん・・朝---か?」
少し目を開けると光が飛び込んでくる。
どうやら朝らしい。
「眠い・・・」
目を閉じて体を横に向ける。
あぁ気持ちいい。
再び眠りの世界へ入れそうだ。
「だる・・・」
いつもはすぐに目が覚める方なんだけどな。
なんだか体が異常にだるい。
気だるいっていうか・・・
もしかして風邪か?
「あれ・・・?」
そういえばいつの間に家に帰ってきた?
その前に・・・どうやって帰った?
そもそも昨日は何してたんだっけ。
「んー?」
え・・・と。
テレビ見てたら香織から電話掛かってきて。
事件かと思ったら合コンで---
PIPIPIPI-----
「誰だぁ?・・・煩いなぁ。」
電話だ。
まぁ多分・・・香織だろ。
でも今日は勘弁してくれ。
のんびり休みたい気分なんだ。
手探りで音のする場所を探る。
「もしもし香織かぁ?」
半ば香織だと決め付け、相手を確認せず電話に出た。
「どうした?また事件か?悪いけど今日は---」
『・・・・・・辰巳に代われ。』
「あ?」
---タツミニカワレ?
なんだそりゃ。
ていうか誰だこいつ。
「あーごめん。確認しないで電話取った。どちらさんですか?」
『・・・・・・・・・・。』
なぜ・・・無言?
「あれ、もしかして間違い電話?」
『間違ってねぇ。』
「じゃぁ誰だよ。名を名乗れ。」
『おい。』
「なんだ。」
『辰巳に代われ。』
「あんたなぁ・・・」
なんだこいつ。
名乗らないつもりか。
ディスプレイを確認すれば済むことなんだが体がだるい。
出来れば無駄な動きは避けたい。
「こんな朝っぱらから嫌がらせかよー。さっさと名乗ってくれ。あ、もしかして直樹?」
『違う。とにかく辰巳に代われ。』
「さっきからなんだよそれ。なんかの呪文か?」
タツミニカワレタツミニカワレ。
なんの役に立つ呪文だよ。
『てめぇ・・・いい加減にしろよ。』
「それはこっちのセリフだ。さっさと名乗ってくれ----」
「んー、透ちゃん・・・?もう起きたの?」
「・・・・・・・えっ?」
(--------------。)
・・・・・・なんでだろう。
頭の上から声が降ってきた。
「あ、ごめん。電話中だった?」
「え・・・え-----?」
「あれ、それって俺の携帯?」
「は---」
「もしかして寝ぼけてるの?」
「----------------。」
なんでだろう・・・・この声。
聞き覚えが----ある。
ついさっきまで聞いてたような・・・
いやいやその前に
なんで声が聞こえる-----?
私って一人暮らしじゃなかったっけ・・・
「・・・・・・・・・・・・!?」
恐る恐る目を開けてみる。
そして目の前に広がったのは知らない部屋。
狭い視界で確認できることと言えば・・・
この部屋は随分整頓されているってことか。
いや待て気付くべきはそこじゃない。
(な・・・ななななんじゃこりゃ-----!?)
顔の横に---腕が見える。
それに背中に・・・
自分のじゃない体温を感じる。
「-------------。」
一体私に・・・・何が起こっている?
『おい。早く代われよ。』
「----------。」
『聞いてんのか?』
「透ちゃん寝ちゃった?携帯取りますよー?」
「・・・・・・・・・。」
そっと携帯が離れていった。
取ったのは多分、この腕と体温の持ち主。
「もしもし---俺。晋?あーごめんすっかり忘れてた。そうだなぁ・・・17時でいい?腹も減ったし、メシ食いに行きたい。」
ちょっと待ってくれよ。
状況が全く読めない。
一体・・・一体なにが起こってる?
「分かった。玲も連れて来いよ。じゃぁなー。」
(しっかりしろ思い出せ!!)
昨日はえーと。
香織に呼び出されて合コンに付き合って・・・
それからどうしたんだっけどうなったっけ。
あぁあれだ!
合コンから抜け出してカウンターで葵と・・・
えーと----辰巳さんだ!
葵と辰巳さんと喋ってて・・・
しばらく飲んでたら悠人って子が酒を持って来てぐらついて---
そうだあいつに捕まったんだ!
あれ・・・まさかこいつ。
後にいるこいつってまさか----
「透ちゃん。」
「------っ!!」
不意に名前を呼ばれてビビる。
そして顔の横の腕が動いた。
「----っや、やめろ!!」
「んー?やっぱり起きてたの?」
腕が動いたかと思ったら、そのまま体に絡み付いてきた。
ご丁寧にもう一方の腕も一緒に。
「あー、やっぱ透ちゃんって柔らかい。」
「----なっ・・なんだっ!?えっ・・・おいっ---えぇ・・・・・っ!?」
「何言ってるの?」
肩や腰に絡み付く腕。
なんか・・・違和感を感じる。
「ふ---服っ------!!」
どうりで温かさがリアルなワケだ。
それはなぜか。
それはつまり。
服を着てないからだ!!
下は------
(・・・・・・・・・・・。)
やややっぱり着てない!!
「ななななんでだっ!何があった!?ちょ・・・放せよ!!」
「なんでそんなに暴れるの。昨日はあんなに可愛かったのに。」
「-------!?」
そりゃ動きも止まるだろ。
こいつ今・・・なんて言った?
ていうか----
「だっ誰だお前!!やっぱ悠人くんか!?」
「えー悠人って昨日のガキ?そりゃないだろー。」
悠人くんじゃ・・・・・ない?
それじゃ---
一瞬・・・・「あいつ」かと思った。
けど違う。
雰囲気も香りも・・・何もかもが違う。
「忘れちゃったわけ?」
「-------っ!」
頭の下から腕を引き抜かれる。
肩を押されて体が仰向けに---
ちょっと待てちょっと待て!
見える・・・このままじゃ見える!
なんとか胸を隠し、チラリと横目で声の主を確認すると---
「た・・・辰巳・・・さん!?」
目の前には---上半身裸の辰巳さん。
うん、間違いない。
不機嫌そうだがこの綺麗な顔は辰巳さんだ。
とにかく・・・悠人くんじゃなくて安心した。
酒に薬を盛るようなヤツと朝を迎えるなんて真っ平ごめんだ。
「た、辰巳さんだったんですか。ビックリしたけど良かったー。」
辰「良かったの?」
「それにしてもなんで辰巳さん?それになんで裸・・・?」
そうだ。
問題はそこだ。
なぜ我々は裸体なんだ?
辰「・・・覚えてないの?」
「え、えと---すみません。」
辰「・・・ふーん。」
「え---ちょ、ちょっと!」
妖しい笑みを浮かべて顔を近づけて来る。
胸を押し返してみるが効果はない。
近さに少々焦る。
とっさに顔を逸らした。
辰「------透。」
「------ッ!?」
耳元に響いた低い声。
その声に、なぜか体の芯が疼いた。
辰「思い出さない?」
「あ・・・あの・・・・・・・」
はっきり覚えてるわけじゃない。
でも----覚えてる。
昨日、いやついさっきだ。
確かに・・・耳に覚えがある。
辰「忘れるなんて酷いなぁ。やっと素直になったと思ったのに。」
「な・・・何言って---」
辰「まぁ、こっちは覚えてると思うけど?」
「え・・・っ?」
体をなぞりながら手が下に伸びていく。
あまりにも突然のことで制止することが出来ない。
「-----ちょ、ちょっと!」
辰「んー?」
足を閉じようと試みた時にはもう遅かった。
足の間に体を入れられ妨げられる。
「何する-------ッ!!?」
---クチュッ
彼の指が・・・ゆっくり割れ目をなぞる。
そして卑猥な音を立てながら
中に押し入って来た。
「な---っなに---えッ!?」
辰「やっぱり、まだ濡れてる。」
辰巳さんの言う通りソコは十分潤っていて
簡単に指を受け入れていく。
「ぃ-----やッ・・・・!」
辰「イヤ?こんなに濡れてるのに・・・透ちゃんは嘘つきだなぁ。」
「ぅ----ぁッ----!」
しかも背中が痺れるようなこの感覚。
声と同様、さっきまで感じてた。
そう・・・ついさっきまで・・・・・・
辰「透ちゃんはここが好きなんだよな?」
「-----ッぁ!」
侵入した指がクッと折り曲げられる。
内壁を擦るようになぞられると腰がビリビリと震えた。
「や---やめ--!ぁ・・・ッ!」
辰「まだ思い出さない?」
「ぁ----ぅッ・・・!」
ウソ---だろ・・・
なんで・・・なんでこんな-----!
辰「透・・・・・」
「--------ッ!」
耳元で囁かれる掠れた声。
この声も、そしてこの感覚もやっぱり覚えてる。
何度も名前を呼ばれて
何度も快感を与えられて
それからどうなった?
覚えてない。
全く覚えが・・・・・無い?
まさか私は
------落ちたのか?
「待--ッって--!や・・め----ッ!」
辰「思い出した?」
「---な・・なんと--ッ・・なく・・・もう---やめろ・・ッ・・」
辰「なんとなくなの?」
「--ッ・・・ッ・・!」
なんだよこれ。
なんで覚えてないんだよ。
覚えが無い程落とされた?
それは無い。
そんなことあるはずが無い------
辰「じゃぁ、「約束」は?」
「---ぇッ・・?」
-----約束?
辰「なんのことか分かんない・・・って顔してるな。」
「ぇ?」
思わず辰巳さんを見上げると・・・
それはもう飛び切り妖艶で
そして
悪魔のような笑顔----
「---ん---------ッッ!!」
指が激しく内壁を擦る。
貫かれるような刺激が押し寄せて体がビクッと跳ねる。
それと同時に---
自分の意思とは裏腹に、体が快感を貪った。
「・・・ぁ----ぅッ・・・!」
背中が仰け反る。
体が痙攣する。
「ぃや------だ・・ッ・・!」
ウソだ・・・
こんなのはイヤだ----------
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