『高野さん・・・』
「あぁ、お前か・・・」
そこにいたのは知ってる女だった。
少し前に遊んでたっていうか・・・
ま、体の関係ってヤツですね。
『最近電話もくれないから・・・』
「必要ないだろ。付き合ってるわけじゃないんだし。」
『でも・・・』
パタンとドアを閉めて近づいてくる。
なんかこれ・・・
面倒な雰囲気だな。
「俺達は束縛し合う関係じゃないでしょ。」
『そ、そうだけど・・・私・・・』
「それにここには来ない約束じゃなかった?」
『ご、ごめんなさい・・・』
参ったな・・・
今はまずいんだけど。
「分かったなら帰ってくれない?もうすぐ客が来るんだよね。」
『・・・・・・。』
「----ったく・・・」
黙って立ち尽くされても困る。
早くしないと有希が来ちゃうだろ。
仕方なくコーヒーを置いて立ち上がった。
悪いけどお引取り願いま--
『-----っ!』
「・・・・・なんのつもり?」
肩を押そうと手を伸ばすと
女が抱きついてきた。
『高野さんのこと好きになっちゃったの。』
「・・・・・・。」
『もう今までの関係じゃ無理。好きになってとは言わないから・・・私を彼女にして?』
「ごめん。」
『ど、どうして?彼女いないんでしょう?』
必死に下から見上げてくる。
そんな顔されてもね・・・
「いないけど無理。今はまってる女がいるから。」
『えっ!?それってその人が好きってこと?』
「好き?そんなんじゃないと思うけど・・・」
嫌いかと言われたら好きだと答える。
でもこいつが言ってる好きって恋愛対象としてってことだろ?
有希に対する気持ちはどう考えても恋愛感情じゃない。
まぁ、それを説明する義理はないけど。
『じゃぁ・・・』
「なかなか手強くてね。だからしばらくは誰とも関係持つ気はない。ごめんね?」
『・・・・・。』
涙を浮かばせて訴えてくる女。
しかも俺の服を掴む手が小さく震えてる。
それに気付いてるのに優しく出来ない俺はやっぱり最低な男なんだろうな。
今更だけど。
「悪いけどそろそろ帰ってくれない?マジで客がくるからさ・・・・」
---コンコン
(あ・・・)
「あー。来ちゃった。」
『え?』
「有希ちゃん?」
有「そうでーす。」
ドアの向こうから聞きなれた声。
やっぱり有希だった。
『女の人?生徒?』
「関係ないだろ。ほら、手ェ放して。それといい加減マジで帰って?」
『・・・・・。』
「有希、ドア開いてるぞ!」
女の手を服から剥がし、外にいる有希に声をかけた。
ガチャッとドアノブが回る。
そして--
有「失礼しまぁ・・・・・」
(------ウソ・・・)
不覚だった。
腕を引かれて体が傾いて
そして・・・
唇に、肌の感触。