好きの定義

好きの定義—–3 SAKURA∞SAKU first

(えー・・・・)

 

ここって・・・
T大じゃないっすか?

目の前にはででーんと構えるでっかい校舎。
前に累に連れられて来たことがある名門大学だ。

 

(・・・道を間違えたか?)

 

もう一度手元のメモを見てみる。
だが何度読み直してもここ以外考えられない。

つまり要の職場は → T大?

 

(ちょっと待てよ・・・)

 

ここで働いてるってことは、あいつ・・・

まさか先生様なのか?

いやいやないない。
だってあんな教授がいてたまるか。
人様に何かを教えられるようなヤツじゃねぇ。

でも・・・

ここで間違いないと確信する気持ちもある。

なぜなら桜館の住人共は、累、純君、孝とT大関係で繋がってる。
真樹は聞いたこと無いけどその可能性は高い。

 

(えぇ・・・要は絶対バカだと思ってたのに。)

 

とりあえず、部屋の場所と番号は聞いていたので向かってみようと思う。

間違えてたら引き返せばいい。
むしろ間違えていて欲しい。

 

(要の苗字ってなんだったっけ。えーと、あ!高野か!)

 

よくぞ思い出した。
さすが私。
あいつとは頭の出来が違う。

 

「ふっふっふ・・・」

 

自分の記憶力に満足しつつ大学内への侵入に成功。

 

(もう3ヶ月前か?累と一緒に来たのって。)

 

平日だから校内には学生がちらほら。

ちょうどあんなギャルだったよな。
累と歩いてる時に絡んできたカワイ子ちゃん。
懐かしい思い出だ。

 

(大学か・・・・)

 

自分の大学時代を思い出す。

思い出としてはきっと楽しいものがたくさんなんだがあまり思い出したくはない。

でもこうやって時間が経って学生達を見ると自然に笑みが出る。

楽しいんだろうな。
楽しいのが一番だぞ若者よ。

 

 

(・・・・・。)

 

 

さすが私!

 

 

迷いました。
どこがどこだかさっぱり。

 

(参ったな。)

 

「さっきもここ通らなかった!?」

ドラマや映画でよく見かけるシーン。
正にそれだ。

 

(ここ、さっき通った・・・)

 

見事な迷宮入り。

もうだダメだ。
誰かに聞こう。

要に聞けって?
それは嫌だ。
『やっぱ迷ったんだぁ』なんてバカにされたくない。

 

(そうと決まれば・・・)

 

周りを見回す。
誰か、誰か助けてください。

 

『ねぇ、どこの学部の子?』
「?」

 

後から声が聞こえた。

振り返ると2人の男子生徒。

 

「わ、私ですか?」
『そうそう。一緒に遊びに行かない?』
「・・・・・。」

 

もぉぉぉ!T大最高っす!!

またしても大学生に見てくれちゃって。
気分いいっすよサンキュー!

 

「あ、ごめんなさい。私・・・えっと・・・た、高野先生に用があって!」

 

もし要が先生じゃなかったら・・・
と思ったが思い切って聞いてみた。

 

『えー?君も先生のファン?』

 

(ファン・・・?)

 

どうやら"高野先生"ってのはいるらしいが要かどうか窺わしい。

だが・・・
そういえばあいつもイケメンだからな。
中身は変態だけど。

ていうか---

 

「断じてファンじゃないです。用を済ませに来ただけなんで。」
『そ、そっか。えと、先生の部屋はここを真っ直ぐ行って・・・』

 

ご丁寧に教えて頂いた。

サンキュー君たち。
幸せをありがとう!

ちなみに言われた通りに進むとすんなり着いた。

 

(あ、やっぱ合ってた。)

 

部屋のドアに「高野要」のプレートを発見。

おいおいマジで先生様だったのかよ。
ショックー。

 

(世の中間違ってる・・・)

 

複雑な気持ちでドアを叩いた。