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「・・・じゃあこういうことですか?
①辰巳さんは日下さんを自宅に招待した。
②でも日下さんは恥ずかしくなってひとまず断った。
③そして気付けばアラ不思議。
なぜか二人は俺の家でイチャイチャと--」
透「しっかり目ェ覚ませよ木戸。それともまだ寝たりないのか?」
「すすっ---すみませんでしたぁ!」
ヒヤリと冷え込む室内温度
グサリと抉り刺さる視線
軽いお茶目なジョークだったのに・・・
どうやら日下さんは冗談も通じないほどイラついてらっしゃるらしい。
辰「ほら、木戸も眠いみたいだし・・・さっさと帰ろう?俺の家に。」
透「だから!行かないって言ってんだろ!いい加減この手を放せ変態ヤロー!」
辰「もー、透ちゃんの意地っ張り。」
透「だー!話が通じない!」
「・・・・・・。」
改めて状況を整理しよう。
どうやら日下さんは事情があってしばらく自宅に帰れないらしい。
じゃあ昨日の夜はどこで寝たんだ?ってのはひとまず置いといて・・
今夜の宿を心配した紳士な辰巳さんは(多分)親切心で日下さんを自宅へ誘った。
だが日下さんが承諾するはずもなく・・・
「もー、透ちゃんの分からず屋!だったらひとまず木戸の家に行くよ!」
透「なんでだよ!」
ほんと、なんでそうなったんだろう。
とにかく・・
何を間違えたのか俺の家に押しかけてきたお二人。
そして現在三人揃って座り込み、小さなローテーブルを囲んで茶を飲んでいる。
(ずずず・・・)
ま、正直言って辰巳さんに頼られるのはとっても嬉しい。
ピンチの時に俺のことを思い出してもらえるのはなんとも光栄だと思う。
だがしかし・・・
(今日だけは勘弁してー)
どうかお願い察してほしい。
なぜなら自分、昨晩はほとんど寝てないのだ。
なんでってそりゃ・・・
思い出すのも恐ろしいブルブル・・・
「えっと、僕はそろそろ・・・」
松「もうこんな時間か!木戸君が帰るなら俺も--」
営①「何言ってんですか二人とも!まだ3時ですよ夜はこれからでしょー!」
松「これからってお前・・・」
営②「そうですよー!もちろん次行きますよね!ね!?」
「ぇえ、と----------------へへ。」
上「木戸さんお気を確かに!こうなったら覚悟を決めてください!」
下「自分たちも最後まで付き合いますから!」
営③「よーし決まり!さああんたたち!木戸さんをしっかりお連れして!」
上下「イエッサー!」
親睦会の後、不本意にもK社の皆さんに連れ去られた俺。
切りのいいところで帰ろうと思ってたが結局朝の5時まで付き合わされた。
面識のある松田さんと上下コンビはともかく、K社の裏の支配者と噂される営業部の皆さんのなんとまぁ恐ろしいこと・・
軽くトラウマ決定。
思い出すだけで寒気が・・・
透「あーもう・・・いい加減疲れてきた。」
(はっ・・・)
現実に目を戻すとヨロヨロとテーブルに倒れ込む日下さん。
どうやらお疲れらしい。
ま、昨日は日下さんも大変でしたからね。
辰「大丈夫?」
透「あんたが言うなよ。」
辰「あ、髪跳ねてる。」
透「そりゃ髪くらい跳ねるわ。」
(それにしても・・・)
目の前の光景に---
激しく違和感を感じるのは気のせいだろうか。
辰「ねぇ透ちゃん、お願いだから俺の家に行こう?そっちの方がゆっくり休めるよ。」
透「あのなぁ--」
辰「・・・純粋に心配なんだよ。透ちゃんを一人にさせたくない。」
透「・・・・・・。」
テーブルに伏せる日下さんの髪を撫でる辰巳さん。
まぁ、この行為自体に違和感はない。
さすがに職場でこんなことはしないけど、辰巳さんが日下さんのご機嫌を取るのは良くあることだ。
(でも・・・なんか・・)
サラサラと髪を梳く優し気な手つき
目を合わせようとしない彼女に送る切な気な視線
そんな憂いを帯びた辰巳さんはまるで
叶わぬ恋に翻弄される
お色気だだ漏れのセクシー執事・・・
辰「木戸?顔赤いけど・・・大丈夫?」
「お、お気遣いなく・・・」
辰「?」
あ、危ない危ない・・・
俺が色気にやられてどうする。
とにかく何が言いたいかというと
-----辰巳さんの様子がいつもと違う
ような気がする。
まぁ、どこが違うのかと言われても上手く説明できないんだけど・・・
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