遼 01 SAKURA∞SAKU first

(えぇ・・・・・)

 

なにこの家…

マジで家なの?
もしかしてお城?

 

学生時代からの友人---

いや、もはや悪友となりつつある有希。

 

どうやらヤツは最近引っ越したらしく

迎えに来いとのことでやって来たのだが・・・

 

(あいつ、宝くじでも当てたのか?)

 

目の前に構えるのは超立派な豪邸。

普通に立ちすくみます。
自分、一般庶民なんで。

 

「なぁにやってんだあいつは・・・」

 

動こうとしない足をなんとか進め玄関に向かう。

 

(そういえば・・・)

 

昨日飲みに誘ったら電話の後ろで男の声が聞こえた。

しかも複数。

住人って言ってたけど・・・

もしや男を飼ってるのか?
逆ハー気取りか?

 

(いや、そんなはずはねぇ。)

 

そういうつもりであいつが男と一緒にいるなんて考えられない。
それどころか誰かに"男"を意識することすら考えられない。

 

なぜならあいつには、治りきれない傷がある。

 

それにその傷が癒えない限り

 

俺の想いもあいつにぶつけることもない。

 

まぁ、どうして有希のことをアレコレ考えてしまうかというと・・・

理由は簡単。

 

俺があいつのことを好きだから。

 

じゃなきゃあの激しい飲みに日々付き合えるかってんだ。

 

(ここで合ってるんだよな・・)

 

玄関に到着。

インターホンに指を置き、一瞬指が止まるがとりあえず押してみる。
間違ってたら帰ればいい。

 

「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」

 

(え・・・)

 

インターホンを押してしばらく。

出てきたのはモデル並み、てかモデルさんっすか?

顔色の悪さが妖しいフェロモン大放出の・・・
とにかく超イケメンお兄さんが出てきた。

 

孝「・・・・・。」
「あ、えっと、その…有希さんは・・・」
孝「----お前が遼か?」
「え?は、はいっ」

 

俺のこと知ってるってことはここで合ってるんだな。
間違ってて欲しいなーなんて思っていたためがっくり。

 

孝「入れ。」
「へ?あ、あの・・・」
孝「早くしろ。」
「は、はい。」

 

断れない空気。
もはや肯定しかできない。

少し広げられた扉をくぐり城の中へ突入。

 

(うぉ・・・中もすげぇ。)

 

豪邸は外見だけのこけおどしじゃなかった。

玄関は俺の家のリビングが納まりそうだし
天井なんて空まで続いてそうなくらい高い。

しばらく歩くと、リビングだろうか。

前を歩くモデル様がドアを開けて無言で入室を促す。
どうも・・・と言って足を踏み入れた。

 

(え・・・えぇぇぇ!!?)

 

中にいたのはこれまた・・・・・

ここはハーレムですか!?
なんて聞きたくなるようなイケメンが4人。

やばい。
緊張しすぎて息が出来なくなる。

 

要「君が遼君?」
「は、はい。」
純「うわ、すっごくカッコいいじゃん。」
「え。」

 

イケメンにそう言われるとお世辞でも嬉しいっす。
今日は気持ち良く眠れそうです。

 

累「おーい有希!遼って奴が来たぞ!」

 

ハーレムメンバーの一人が2階に向かって声をかける。

すると・・・・・

 

「えっ-----マジ!?」

 

聞きなれた声が降ってきた。