ありがとな・・・

ありがとな 09 realReal






「はぁ・・・分かんないヤツだなお前も」

「なぁ、彰。」

「・・・なに。」





「好きだ。」





「---っ!」























「好きだ、彰。」






















出来ることなら消えないでほしい

このままずっと傍にいてほしい







「・・・私も好きだぞ。お前は恩人だ。感謝してる。」
「とぼけるなよ。」
「・・・。」
「ちゃんと言ってくれ。」








でも、必ず探すから。








そして「また会える」と信じていたいから









だからお前も










俺のことを想っていて欲しい。










「・・・・・・・はぁ・・」


「・・・。」




























「私は、ガキに興味はない・・・」

























「・・・・・くっ」


「・・・なんだよ。」








思わず笑いが出た。








「素直じゃないヤツ。」








めちゃくちゃ鼻声のくせに

どんな顔して言ってんだろうと思ったら

なんだか笑えた。







「・・・大人だからな。色々事情があるんだよ。」
「なんだよそれ----」
「・・・笑うなよ。」
「仕方ないだろ---」






すごく不器用でばればれだけど






最後の最後まで俺のことを考えてくれてる









そんなこいつの優しいウソが









すっげぇ嬉しかった。










「ふぁ・・・」
「---!・・・眠いのか?」
「ああ、すっげぇ眠い・・・」
「・・・。」

「なぁ、今何時?」
「今---0時20分。」
「へへ、そっか、してやったりだな。」
「は?」





なんだそれ。





「夢のお告げでさ、誰かが「明日だ」って言ってたんだよ。つまり昨日ね。」
「へぇ。」
「お告げ通り・・ことが・・・進んだら・・・」
「彰・・・?」
「面白く・・・ない・・・・だろ・・・・・?」
「・・・ああ、そうだな。」






声が、だんだん小さくなっていく。







「なぁ・・・」

「ん?」





「明日・・・晴れるかな・・・・」


「星が出てるか?」 


「・・・うん。」


「じゃあ晴れるかもな。」


「そっ・・・か・・・」


「ああ。」






「迅・・・」




「なに。」



































あいつは何を言おうとしたんだろう。


















俺の名前を最後に



















あいつの声は、聞こえなくなった。