「はぁ・・・分かんないヤツだなお前も」
「なぁ、彰。」
「・・・なに。」
「好きだ。」
「---っ!」
「好きだ、彰。」
出来ることなら消えないでほしい
このままずっと傍にいてほしい
「・・・私も好きだぞ。お前は恩人だ。感謝してる。」
「とぼけるなよ。」
「・・・。」
「ちゃんと言ってくれ。」
でも、必ず探すから。
そして「また会える」と信じていたいから
だからお前も
俺のことを想っていて欲しい。
「・・・・・・・はぁ・・」
「・・・。」
「私は、ガキに興味はない・・・」
「・・・・・くっ」
「・・・なんだよ。」
思わず笑いが出た。
「素直じゃないヤツ。」
めちゃくちゃ鼻声のくせに
どんな顔して言ってんだろうと思ったら
なんだか笑えた。
「・・・大人だからな。色々事情があるんだよ。」
「なんだよそれ----」
「・・・笑うなよ。」
「仕方ないだろ---」
すごく不器用でばればれだけど
最後の最後まで俺のことを考えてくれてる
そんなこいつの優しいウソが
すっげぇ嬉しかった。
「ふぁ・・・」
「---!・・・眠いのか?」
「ああ、すっげぇ眠い・・・」
「・・・。」
「なぁ、今何時?」
「今---0時20分。」
「へへ、そっか、してやったりだな。」
「は?」
なんだそれ。
「夢のお告げでさ、誰かが「明日だ」って言ってたんだよ。つまり昨日ね。」
「へぇ。」
「お告げ通り・・ことが・・・進んだら・・・」
「彰・・・?」
「面白く・・・ない・・・・だろ・・・・・?」
「・・・ああ、そうだな。」
声が、だんだん小さくなっていく。
「なぁ・・・」
「ん?」
「明日・・・晴れるかな・・・・」
「星が出てるか?」
「・・・うん。」
「じゃあ晴れるかもな。」
「そっ・・・か・・・」
「ああ。」
「迅・・・」
「なに。」
あいつは何を言おうとしたんだろう。
俺の名前を最後に
あいつの声は、聞こえなくなった。
ありがとな 09 realReal
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