「あれ、もうこんな時間?」
「うわほんとだ。そろそろ帰ろっか。」
「えー、もう帰んの?」
「もうって・・・もう11時過ぎてるじゃん。明日も学校があるだろ。」
「そっか。そうだよな・・・」
時計を見ると午後11時過ぎ。
もうそんな時間か。
「どうしたんすか彰ちゃん。もしかして寂しいんすか?」
「黙れアラタ。さっさと帰れ。」
「えー!」
調子に乗ったアラタを足蹴にする彰。
ずいぶん楽しそうだ。
「今日の夜、迅の家に集合な!」
昼間、学校で集合命令を受けた黒田とアラタ。
なんで今夜?なんて不思議な顔をしていたが従順な奴らだ。
なんだかんだいって二人とも集合した。
「やっぱこの歌手いいよなー。青春時代を思い出す。」
「え、佐野も好きなの?実は俺も好きなんだよね。」
「マジで?でも覚えとけ。こいつ近いうちに整形すんだぞ。」
「えーうそだろ!?ショックー!」
二人を呼んだからといって特別なにかをするわけじゃない。
いつも通り、ただ時間をすごすだけ。
「あー彰ちゃん!また寝ようとしてる!」
「はっ!」
しかも気付けばうとうとしてる。
「アラタ!栄養ドリンク!」
そしてムリして起きて
またいつも通りの時間を過ごす。
これはきっと
こいつなりのお別れ会なんだと思う。
「うわっ!さむっ!」
「ほんとだ・・・アラタ、マフラー貸して。」
「嫌だよ俺も寒い---って返せー!」
帰る二人を玄関まで見送りにきた。
ドアを開けると冷たい空気。
外は、寒い。
「忘れ物ないか?」
「大丈夫っす!」
「そっか。じゃあお休み。」
「ああ。」
「お休みなさいっす!また明日!」
「あ、そうだ。黒田、アラタ。」
「ん?」
「なんすか?」
「ありがとな。」
「「え・・・?」」
「気をつけて帰れよ。」
「あ、ああ。」
「---?了解っす!」
こいつは、何も言わずにいなくなるつもりなんだろうか。
「迅さん、また明日!」
「じゃあな、迅。」
黒田にもアラタにも何も言わず
「ああ、またな。」
そして俺にも・・・