ありがとな・・・

ありがとな04 realReal






「あれ、もうこんな時間?」
「うわほんとだ。そろそろ帰ろっか。」
「えー、もう帰んの?」
「もうって・・・もう11時過ぎてるじゃん。明日も学校があるだろ。」
「そっか。そうだよな・・・」





時計を見ると午後11時過ぎ。

もうそんな時間か。





「どうしたんすか彰ちゃん。もしかして寂しいんすか?」
「黙れアラタ。さっさと帰れ。」
「えー!」





調子に乗ったアラタを足蹴にする彰。
ずいぶん楽しそうだ。








「今日の夜、迅の家に集合な!」







昼間、学校で集合命令を受けた黒田とアラタ。

なんで今夜?なんて不思議な顔をしていたが従順な奴らだ。
なんだかんだいって二人とも集合した。





「やっぱこの歌手いいよなー。青春時代を思い出す。」
「え、佐野も好きなの?実は俺も好きなんだよね。」
「マジで?でも覚えとけ。こいつ近いうちに整形すんだぞ。」
「えーうそだろ!?ショックー!」





二人を呼んだからといって特別なにかをするわけじゃない。
いつも通り、ただ時間をすごすだけ。





「あー彰ちゃん!また寝ようとしてる!」
「はっ!」





しかも気付けばうとうとしてる。





「アラタ!栄養ドリンク!」





そしてムリして起きて

またいつも通りの時間を過ごす。










これはきっと











こいつなりのお別れ会なんだと思う。












「うわっ!さむっ!」
「ほんとだ・・・アラタ、マフラー貸して。」
「嫌だよ俺も寒い---って返せー!」





帰る二人を玄関まで見送りにきた。

ドアを開けると冷たい空気。

外は、寒い。





「忘れ物ないか?」
「大丈夫っす!」
「そっか。じゃあお休み。」
「ああ。」
「お休みなさいっす!また明日!」
「あ、そうだ。黒田、アラタ。」
「ん?」
「なんすか?」













「ありがとな。」










「「え・・・?」」








「気をつけて帰れよ。」
「あ、ああ。」
「---?了解っす!」









こいつは、何も言わずにいなくなるつもりなんだろうか。









「迅さん、また明日!」
「じゃあな、迅。」








黒田にもアラタにも何も言わず









「ああ、またな。」










そして俺にも・・・