ありがとな・・・

ありがとな02 realReal





『彰・・・』






・・・なんだ?






『明日だ、彰。』






明日?
なにが?






『彰・・・』






誰だ?良子?






『彰---』










お前は、誰だ?















「はっ!」









目を開けたら、コーヒーカップが見えた。






「あー、いかんいかん。眠っちゃったか。」






目をこすり時計を確認すると午前4時。
寝てたのは10分くらいか。





「良かったー」





良かった、本当に良かった。









また「ここ」で目覚めることが出来て 










本当に良かった。









「眠気スッキリ栄養ドリンクは・・・あった。よーし朝までもう少し頑張るぞー」







最近、襲ってくる眠気が尋常じゃない。







立ってようが歩いてようが襲ってくる。

昨日なんて体育の授業中にきた。
あまりの激しさに耐えられずなんとそのまま眠ってしまった。






そして眠りにつくと必ず奇妙な夢を見る。






初めのころはぼんやりだった。

良子の夢をみたような気がする・・・
そのくらいの感覚だった。






でも最近は違う。







夢から覚めても鮮明に覚えてる。







映像は見えない。
なぜか真っ暗。






でも声だけははっきり聞こえる。






聞こえるのは大体が良子の声。

もうすぐだね、とか
起きたらいっぱい遊ぼうね、とか

一方的に話しかけてくる。





そしてもう一人。





そいつが誰なのかは分からない。

ただ呟くように私の名前を呼ぶ。

でもさっきは





「明日だ」って・・・






「あーやだやだ。これって怪奇現象か?」






静かな部屋に独り言が響く。






「いい加減にしてくれよなー。寝るのが怖いっての。」






パンパンと頬をたたく。
そして持ってきた栄養ドリンクを一気に飲み込んだ。








---怖い








そう、私は寝るのが怖い。








次に深く眠ってしまったら最後








もう二度と、この部屋で目覚めることは無い。








そんな気がして









怖くてたまらない。








「こういうのってなんて言うんだっけ?虫の知らせ?違うか?」








私の勘は、多分当たってる。








なんでって聞かれても答えられない。

でもなんとなく分かる。







「・・・・・。」








私はきっと










"元に戻る"












「は、ははっ、やったー」







この姿になって屈折約一月。

色々あったけどやっと元の自分に戻れるのか。


はじめは焦ったよなー。

だって起きたら知らない場所だったんだぞ?
しかも鏡見たら若返ってるし

今考えたら笑えるよな。

だって焦りすぎて迅を神様だなん・・て・・・








「・・・・・。」

























迅・・・