『彰・・・』
・・・なんだ?
『明日だ、彰。』
明日?
なにが?
『彰・・・』
誰だ?良子?
『彰---』
お前は、誰だ?
「はっ!」
目を開けたら、コーヒーカップが見えた。
「あー、いかんいかん。眠っちゃったか。」
目をこすり時計を確認すると午前4時。
寝てたのは10分くらいか。
「良かったー」
良かった、本当に良かった。
また「ここ」で目覚めることが出来て
本当に良かった。
「眠気スッキリ栄養ドリンクは・・・あった。よーし朝までもう少し頑張るぞー」
最近、襲ってくる眠気が尋常じゃない。
立ってようが歩いてようが襲ってくる。
昨日なんて体育の授業中にきた。
あまりの激しさに耐えられずなんとそのまま眠ってしまった。
そして眠りにつくと必ず奇妙な夢を見る。
初めのころはぼんやりだった。
良子の夢をみたような気がする・・・
そのくらいの感覚だった。
でも最近は違う。
夢から覚めても鮮明に覚えてる。
映像は見えない。
なぜか真っ暗。
でも声だけははっきり聞こえる。
聞こえるのは大体が良子の声。
もうすぐだね、とか
起きたらいっぱい遊ぼうね、とか
一方的に話しかけてくる。
そしてもう一人。
そいつが誰なのかは分からない。
ただ呟くように私の名前を呼ぶ。
でもさっきは
「明日だ」って・・・
「あーやだやだ。これって怪奇現象か?」
静かな部屋に独り言が響く。
「いい加減にしてくれよなー。寝るのが怖いっての。」
パンパンと頬をたたく。
そして持ってきた栄養ドリンクを一気に飲み込んだ。
---怖い
そう、私は寝るのが怖い。
次に深く眠ってしまったら最後
もう二度と、この部屋で目覚めることは無い。
そんな気がして
怖くてたまらない。
「こういうのってなんて言うんだっけ?虫の知らせ?違うか?」
私の勘は、多分当たってる。
なんでって聞かれても答えられない。
でもなんとなく分かる。
「・・・・・。」
私はきっと
"元に戻る"
「は、ははっ、やったー」
この姿になって屈折約一月。
色々あったけどやっと元の自分に戻れるのか。
はじめは焦ったよなー。
だって起きたら知らない場所だったんだぞ?
しかも鏡見たら若返ってるし
今考えたら笑えるよな。
だって焦りすぎて迅を神様だなん・・て・・・
「・・・・・。」
迅・・・
ありがとな02 realReal
スポンサーリンク
スポンサーリンク