どうして?

どうして?07 realReal





「んー、眠ってるだけみたいね。」
「は・・・」
「だから、ただ眠ってるだけ。寝不足なんじゃない?」
「・・・。」





保健室まで急いだ。


ベッドに寝かせて布団をかける。
それでもこいつは目を開かなかった。



いきさつを話すと保険医はしばらく彰を診ていた。

そして出した結果がこれ。




---寝てる




そんなバカな。






「高校生はエネルギー使うからね。ちょっと疲れてるんじゃない?」





(ほんとかよ。)





数学中に居眠りしたんじゃないんだぞ。
体育の授業でいきなり寝たんだぞ。

疲れてるからってそんなの有りなのか?





「あのさ、これから出ないといけないんだけど。その子見ててもらってもいい?」
「え」
「大丈夫大丈夫すぐ起きるって!起きたら教室に戻ってもいいからね。」
「はぁ・・・」





熱も計らず薬も出さず「じゃあ宜しく」と言って保険医は出て行った。

なんて適当なヤツだ。
医者になったあかつきにはあんなヤツにはならないと心に誓った。






「はぁ・・・」






思わず、ため息。






「・・・。」






ベッドの端に腰掛ける。


小さく上下する真っ白なシーツ。

そして頬に、まぶたに、唇に触れて、生きてることを確認する。







「心配させんなよ・・・」







倒れてるこいつを見たとき






心臓が止まるかと思った。






目を開かないこいつに触れたとき






「怖い」と思った。







「目ェ開けろよ、彰。」







やはり俺は、こいつが好きだ。






未来から来ようが過去から来ようが

変人だろうが超人だろうが関係ない。






「はぁ・・・」






いつの間にこんなに大きくなったんだろう







こいつのことが大切で
こいつのことが愛しくて








たまらない。









「んー」

「!」






触りすぎたか?
俺の手を避けるように身をよじる。






「起きたか?」
「・・・・・。」






返事無し。
どうやらまだ眠ってる。










それにしてもこいつは一体どうしたんだ?










ここ最近眠そうだとは思ってた。

だががまさか体育の最中に寝るなんて・・・

もし故意で寝たなら変人どころの話じゃない。
もはや自由人だ。








でももし、故意じゃなかったら?









まさかこいつに、なにか起こってるのか?










「------。」











自分で考えておいて情けないが











「何か」を想像してすっげぇ怖くなった。











「早く起きろよ、彰。」











もしこのまま目を開かなかったら

もしこいつがこのまま消えてしまったら









俺は一体、どうなるんだろう










「起きてくれよ・・・」










怖い。

こいつに起きてる異状が怖い。



そしてなによりも











こいつが目の前からいなくなることが、怖い。