まさかまさかの---?

まさかまさかの—?03 realReal





『それではー文化祭を始めまーす。』







気の抜けた校長の言葉
同時に響いた花火の合図




そして文化祭、開始。




久々に味わうこの雰囲気。

夏祭りとかそういうイベントも好きだけど、自分たちで盛り上げる文化祭はワクワク感も3割増し。

まぁ、あんまり手伝ってないけど。





(あ、後でうどん食べよう。)








なぁんて思ってたのが2時間前。








「ほんと、あいつらってモテるよなぁ。見ろよあの長蛇の列。先頭から後尾までぜーんぶ女子!」





私は今、目の前に構えるドリンク模擬店(ホット)を見物している。

ま、我々2年7組の店だな。
ちなみに缶と紙コップ入りを取り扱っております。




いやいやそれは置いといて。




ドリンク模擬店なんて文化祭の定番だろ?

実際ドリンクを扱ってるクラスは他にも何件かあるらしい。
それに飲み物なんてどこで買っても同じだと思う。




つまりドリンク店に行列が出来るわけが無い、はず。




なのになんでだろう。





「あーダメだ。一番後ろが見えない。」





我がクラスのドリンク模擬店(ホット)には初っ端から客が殺到。

もちろん狙いは西本と黒田。

「きゃー!」とか「やーん!」とか「カッコイイー!」なんて悲鳴がひっきりなしに聞こえてくる。





「こりゃすごい。全員ホットココアだとして・・・全部で一体いくら売り上げるんだ?」





(・・・。)





悪いな皆さん。
売り上げ1位は我々2年7組が頂いた!







「もー!彰ちゃんは販売担当でしょ!そんなところで何やってるんすか!」
「・・・売り上げ予想中。」
「現実逃避してる場合じゃないっすよ!こっちだって忙しいんすから!誰かさんのおかげで!」
「・・・。」






容赦なく現実に引き戻す声。

その主はアラタ。

くそ、もう少し放っておいて欲しかった。





「ほら!笑顔笑顔!」
「・・・いらっしゃいませー。」
「こらー!もっと愛想良く!」
「いらっしゃいませぇー。」





---こっちだって忙しいんすから!





そう、実はこっちも忙しい。


私がいるこの場所は西本率いるドリンク模擬店(ホット)のお向かいさん。

売り物はコールドドリンク。


あいにく本日は肌寒い気温。

客足もあまり期待できないだろうと思っていたがなんのその。
今のところウーロン茶を筆頭にばんばんがんがん売れていく。





「いやぁすごいっすねー!まさかこんなことになるなんて・・・予想もしてなかったっす!」





安心しろ。
私も予想してなかった。



だって





「なんでこんなに人が来るんだよ!」
「なんでって・・・彰ちゃんを見に来てるんすよ。」
「---。」
「すごいっすよねぇ・・・女子のあの目!」





そう、そうなのだ。

私とアラタが属するこのコールド店。
ホット店ほどではないが初っ端から女子が群がってきた。



目的はアラタ---ではなく私。

もちろん「きゃー」とか「やーん」とか言われるわけではない。

聞こえてくるのは





「えー、あの人が西本センパイの?」
「らしいよぉ。」
「黒田センパイとも仲いいんだってぇ。」
「えぇ?この前アラタくんと歩いてるの見かけたよぉ?」
「うそぉ!」





こんな声がコソコソヒソヒソ聞こえてくる。

文化祭が始まって2時間、ずーっとこれが続いてる!




つまりこの女子たち・・・

最近西本(達)と一緒にいる私を視察する為にドリンクを買いに来たらしい。

売り上げ貢献ありがとうございます。
でも睨むのはやめろ!





「なんか普通だね。」
「だよねぇ。」





皆さん大体同じことを言う。

そして去り際にギラッと一睨みして去っていく。
もう・・・お姉さんは泣きそうです!





(がんばれ彰。)





今日一日気合で耐えよう。

そして今度からあいつらと距離を置こう。
これ以上女の子に嫌われるなんて耐えられない。