まさかまさかの---?

まさかまさかの—?02 realReal




「うー、寒っ!」
「大丈夫か?」
「なんとか。」





外に出たら寒かった。

冬が近いからな。
服とか布団とか、そろそろ冬の準備をしないといけない。





「スーパー寄っていいか?」
「ああ。」





今日はバイトが休みらしい西本。
米を買うんで帰りは持ってもらおうと思う。





それにしても





「相変わらずモテモテですねぇ、西本君。」
「・・・・・・。」





さっきの話をほじくり返す私。

なんとなくからかいたくなるのは私だけじゃないだろ?





「・・・顔が好きなだけだ。俺のことが好きなんじゃない。」
「おーおーひねくれ者だね。素直に喜べばいいじゃないか。」
「嬉しくない。」
「なんでだよ。」
「・・・。」





あれ、黙った。






「俺は、母親にそっくりだ。」
「は?」





な、なんだいきなり。





「俺を連れて父さん以外の男と頻繁に会ってた。」
「え!」
「5歳の時、突然いなくなった。」
「え。」





なんだそれ!





「大丈夫だって言ってたけどショックだったんだと思う。」
「・・・。」
「母親が消えてから父さんはみるみる弱って・・・そのまま死んだ。」
「・・・。」





う、うそだろー!!







「だから俺は、母親そっくりのこの顔も、この顔に寄って来る女も好きじゃない。」








ポケットに手を突っ込んで歩く西本。

相変わらず綺麗な顔でまっすぐ前を見て

でもなんとなく寂しそうな、悲しそうな・・・







「西本ーーーー!!」
「---!」






思わず抱きついた。






「モテ過ぎて天狗になってるもんだとばかり思ってたけど---」
「は?」
「女に冷たいのはそんな理由があったんだなー!」
「・・・。」





これで納得!





「人間って顔じゃないもんな!」
「そ、そうか。」
「それにお前とお母さんは別の人間だ!」
「そ、そうだな。」
「お前はお前だろ!私はお前の顔、好きだぞ!」
「---。」





なんせ初めて会った時は神様だと思った。

率直に美しいと思った。
神々しいとも思った。

だから






「だからそんな寂しそうな顔っ---」






途中までしか喋れなかった。






だって見上げた先の西本が






あまりにも綺麗に笑ってて・・・




























「お前が好きなら、これでいいか。」






















少しはにかみながら、そう言った。







どんなに私が大人の女でも







普通に、クラッとした。










「ダメだわお前・・・むやみやたらに笑顔を見せるな。」
「は?」
「お前のそれは凶器だ。好きな女の前だけで披露しろ。」
「は・・・」











その後スーパーで買い物をした。





レジのお姉さんが西本を見てボトッと玉ねぎを落とした。

すみません!と謝るお姉さんに分かる、分かるよ!と心の中で同調した。






(そっか・・・)






事故ったり若返ったり

大変なことが続いて実感する余裕が無かったけど







---西本はイケメンなんだ







玉ねぎを拾いながら、そう思った。