二回目のスクールライフ

二回目のスクールライフ07 realReal






「なりたかったけどなれない。」
「なんで?」
「金がない、だから大学に行けない。」
「え、親は?」
「親は、いない。」
「へ。」
「小学校に上がる前に二人とも死んだ。」
「ふーん。」





少し顔を逸らしてポリッと頭をかく。


やっぱり気まずいよな。

あんまり話したくなかったが・・・
話してしまったものは仕方がない。





「じゃあ、私と一緒だな。私も親がいない。」
「は・・・」
「私の場合生まれた時からいなかったんだ。だから親の顔も知らない。」
「・・・。」





な、なんと。





「中学卒業まで施設にいたんだ。そこがすっごいボロくてさ!」
「ふーん。」
「お前は?」
「え?」
「お前も同じ?」
「俺は・・・母方の親戚に世話になってる。あんまり上手く行かなくて高校入る時に家を出たけど。」
「なるほど。それじゃ大学行かせてくれなんて頼み辛いよな。」
「何度も頼んだけど・・・ダメだった。」
「そっか。そりゃ辛いわ。」





まるで世間話をするように話が進んでいく。

昨日のドラマ面白かったよねーみたいな。
なんだか不思議な感じだ。





「ところでなんで医者になりたいんだ?」
「父さんが体が弱くて・・・まぁそんな感じ。」
「同じように苦しんでる人を助けてやりたいと思ったとか?やっぱお前優しいわ。感動した。」
「・・・。」





そういうのはやめろ。
恥ずかしい。





「でもさ、羨ましいよ。」
「羨ましい?なんで。」
「だって私は夢なんてなかったぞ。」
「は?」
「将来の夢もやりたいことも無かった。普通に就職できればいいやーと思ってた。まぁ、つまらない人間とも言う。」
「・・・。」




なんだそりゃ。




「でもさ、高2で明確な夢を持ってるヤツなんてなかなかいないと思うぞ?」
「・・・そうか?」
「そんなもんだろ。」
「ふ、ふーん。」






「だから私は、お前を応援する!」






「・・・・・え?」






応援する?

応援するって・・・





「いや、だからそれは」
「本気なら諦めるなよ。」
「・・・。」
「諦めきれないから毎日勉強するんだろ?」
「---!」





ふわふわしてた空気が

ピン、と張り詰めた。





「金が必要なのは分かるぞ。自分じゃどうしようもないことも分かる。でも奨学金とか援助とか、調べれば色んな方法があるはずだろ?」
「・・・。」
「必要なら一緒に親戚に頼みに行くぞ。」
「・・・。」

「それに・・・お前には力になってくれる奴らがいるだろ?」
「・・・。」
「黒田とかアラタとか橘とか。あいつらに相談したか?」
「・・・。」

「あいつらはお前のことが大好きだから。絶対力になってくれるって。」
「・・・。」
「それにたまには頼ってやった方がいいぞ?ま、嬉しすぎて泣き出すかもな!」
「・・・。」






何を想像したのか豪快に笑い出す。







でも俺は







動けなくなってしまった。








「まぁとにかく!私はお前を応援するぞ!」









(なんなんだよ・・・)








なんで








なんでそんなこと言うんだよ









(やばい・・・)









なんか、すっげぇ嬉しい。








---頑張ってもいい








そう言われたような気がして









すっげぇ嬉しくなった。









「今思ったんだけどさ。私がここにいる理由ってこれかもしれないな!」

「?」

「だから!お前の夢を応援する為にここにいるんじゃないかってこと!」

「!」







---ドクンッ!







心臓が破裂したかと思った。







だって






そんなカワイイ笑顔で







そんな嬉しいこと言われたら







「都合のいい考えだけど・・・もしそうなら素敵だよな!」







さすがに俺も・・・








我慢できない。