「なりたかったけどなれない。」
「なんで?」
「金がない、だから大学に行けない。」
「え、親は?」
「親は、いない。」
「へ。」
「小学校に上がる前に二人とも死んだ。」
「ふーん。」
少し顔を逸らしてポリッと頭をかく。
やっぱり気まずいよな。
あんまり話したくなかったが・・・
話してしまったものは仕方がない。
「じゃあ、私と一緒だな。私も親がいない。」
「は・・・」
「私の場合生まれた時からいなかったんだ。だから親の顔も知らない。」
「・・・。」
な、なんと。
「中学卒業まで施設にいたんだ。そこがすっごいボロくてさ!」
「ふーん。」
「お前は?」
「え?」
「お前も同じ?」
「俺は・・・母方の親戚に世話になってる。あんまり上手く行かなくて高校入る時に家を出たけど。」
「なるほど。それじゃ大学行かせてくれなんて頼み辛いよな。」
「何度も頼んだけど・・・ダメだった。」
「そっか。そりゃ辛いわ。」
まるで世間話をするように話が進んでいく。
昨日のドラマ面白かったよねーみたいな。
なんだか不思議な感じだ。
「ところでなんで医者になりたいんだ?」
「父さんが体が弱くて・・・まぁそんな感じ。」
「同じように苦しんでる人を助けてやりたいと思ったとか?やっぱお前優しいわ。感動した。」
「・・・。」
そういうのはやめろ。
恥ずかしい。
「でもさ、羨ましいよ。」
「羨ましい?なんで。」
「だって私は夢なんてなかったぞ。」
「は?」
「将来の夢もやりたいことも無かった。普通に就職できればいいやーと思ってた。まぁ、つまらない人間とも言う。」
「・・・。」
なんだそりゃ。
「でもさ、高2で明確な夢を持ってるヤツなんてなかなかいないと思うぞ?」
「・・・そうか?」
「そんなもんだろ。」
「ふ、ふーん。」
「だから私は、お前を応援する!」
「・・・・・え?」
応援する?
応援するって・・・
「いや、だからそれは」
「本気なら諦めるなよ。」
「・・・。」
「諦めきれないから毎日勉強するんだろ?」
「---!」
ふわふわしてた空気が
ピン、と張り詰めた。
「金が必要なのは分かるぞ。自分じゃどうしようもないことも分かる。でも奨学金とか援助とか、調べれば色んな方法があるはずだろ?」
「・・・。」
「必要なら一緒に親戚に頼みに行くぞ。」
「・・・。」
「それに・・・お前には力になってくれる奴らがいるだろ?」
「・・・。」
「黒田とかアラタとか橘とか。あいつらに相談したか?」
「・・・。」
「あいつらはお前のことが大好きだから。絶対力になってくれるって。」
「・・・。」
「それにたまには頼ってやった方がいいぞ?ま、嬉しすぎて泣き出すかもな!」
「・・・。」
何を想像したのか豪快に笑い出す。
でも俺は
動けなくなってしまった。
「まぁとにかく!私はお前を応援するぞ!」
(なんなんだよ・・・)
なんで
なんでそんなこと言うんだよ
(やばい・・・)
なんか、すっげぇ嬉しい。
---頑張ってもいい
そう言われたような気がして
すっげぇ嬉しくなった。
「今思ったんだけどさ。私がここにいる理由ってこれかもしれないな!」
「?」
「だから!お前の夢を応援する為にここにいるんじゃないかってこと!」
「!」
---ドクンッ!
心臓が破裂したかと思った。
だって
そんなカワイイ笑顔で
そんな嬉しいこと言われたら
「都合のいい考えだけど・・・もしそうなら素敵だよな!」
さすがに俺も・・・
我慢できない。
二回目のスクールライフ07 realReal
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