昨日は結局、55555匹目の羊で記憶が飛んだ。
外が薄っすらと明るかったので明け方だったんだろう。
あぁ、これでやっと元に戻れるなんて思いながら睡魔に身を投じた。
PIPIPIPIPIPI----
どのくらい時間がたったのか。
気持ち良く眠っていたところ枕元に置いていた携帯がこれでもかと鳴り出した。
「・・・煩いなぁ。」
出なかった。
さすがに眠い。
携帯を布団に包んで押さえつける。
PIPI・・・
切れた。
ごめんね。
後で掛けなおしま--
---ドンドンドンドン!
「---えっ!!」
玄関を叩くでかい音。
突然の騒音にビックリ。
もちろん飛び起きた。
ついでに頭も一気に覚醒。
そして昨日の記憶がドバッとよみがえる。
「まさか---戻ったのか!?」
辺りを見回す。
そして心底落ち込んだ。
相変わらずここは知らない部屋。
鏡を見れば泣きそうな顔した幼い私。
(あの神様ヤロー・・・)
何が寝れば戻れるだ。
とんだデタラメ吐きやがって。
「おーい、佐野彰~」
「---え!!?」
一瞬、耳を疑った。
だって訪問者は私の名前を呼んだ。
つまり私を知ってるのか?
今の幼い私を!?
「はいはい今開けまーす!」
---私を知ってるんだ!
そう思うと救われたような気がして
希望が見えたような気がして
超スピードで玄関に走り、ドアを開けた。
「おはよう佐野。もうお昼前だけど。」
そこにいたのは知らない男だった。
ふわふわ栗色の髪とちょっぴりずれた眼鏡。
その奥で細められた目。
そしてワザとらしく上がった口角がなんとも胡散臭い。
「まさかとは思うけど今起きた?」
「・・・。」
「やっぱりね、髪ボサボサだし。」
「・・・。」
「あ、俺は今日から君の担任の橘先生です。あまりにも遅いので迎えに来ました。」
「・・・。」
ニッコリ笑って手を差し出された。
(担任って・・・)
何言ってんだこいつ。
ここはどこ、私は・・・10 real Real
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