「あれ・・・?」
目覚めは極力良い方だと思う。
一度目覚めれば割とすぐに覚醒するし、寝ぼけて幻覚を見る体質でもない。
なのになんでだろ。
目覚めたらまず目に入る水色のカーテンも、お気に入りのポスターも見当たらない。
代わりに見えるものといえば、キッチン、テレビ、ローテーブル、タンスなどなど。
小さなワンルームだろうか。
どうでもいいが目に入るもの全てに見覚えが無い。
「・・・・?」
瞬きしたり片目を瞑ってみたり。
早く目覚めろと脳を刺激する。
でもダメだ。
どう頑張っても目の前の景色が変わらない。
「・・・?・・・あ。」
ああそっか。
もしかしてここ、良子の家?
昨日は久しぶりに大量に飲んだし、家に帰り着いた記憶もないし・・・
もしかして私、酔いつぶれた?
「いやいや違うだろ。」
良子の家なら我が家のように知っている。
今更見間違えるはずが無い。
じゃあ・・・
「ここどこ・・・」
もぞもぞと布団を退けてベッドの上に正座。
そして改めて部屋を見回した。
でもやはり知らない部屋だ。
「まさか・・・」
一瞬、拉致とか誘拐とか物騒なことが頭に浮かんだ。
最近そういうニュースも多いしもしかして、と思った。
だがその考えはすぐに消えた。
だって私に限ってそれはない。
そもそも拉致誘拐されるような才能も財産も持ってない。
「いやいや、ないない・・・」
それじゃまさか酔った勢いで行きずりの男と・・・?
なんてことも考えたがそれもすぐ消えた。
だって私に限ってそれはない。
そもそも行きずりの男の影すら見当たらないし服もちゃんと着てる。
じゃあなんで?
なんで私は見知らぬこの部屋で寝てたんだ?
ここはどこ、私は・・・01 real Real
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