有「あぁー寒ぃなぁ・・・」
真「暖めてやろうか。」
「お前が言うとなんでエロく聞こえんだろうなぁ。」
有「お前も人のこと言えないけどな。」
何故寒いか。
それはこの寒空の中。
外でタバコを吸ってるからでして・・・
有「そろそろタバコ止めなきゃなぁ。どんどん居場所が無くなる。」
「まぁなー。」
真「そう簡単には止められねぇよ。」
有「そうだよなぁ。私も酒とタバコとPCがあればって豪語してるからな。ま、そんなのは言い訳なんだけどよ。」
玄関先の段差に並んで腰を下ろしてる俺達。
ふぅーっと並んで紫煙を吐く。
「もう冬になるんだなぁ。」
有「そうだなぁ。」
真「当たり前だろ。」
有「乗れよ。この空気に。」
「そうだよ真樹ちゃん。乗れよ。」
真「・・・・・冬だな。」
しぶしぶ話を合わせる真樹。
有希の言うことはなんだかんだ言って聞いちゃうわけね。
可愛いとこあるじゃん美人さん。
ま、怖くて言えないけど。
有「なぁ・・・」
「ん?」
有「その・・・・・・・・・本当にありがとな。」
真「は?」
空に昇る紫煙を見つめる有希。
ていうか今のなに。
どういう意味?
有「・・・改めて言いたくなった。それだけ。」
「・・・・・・・・。」
真「・・・そうか。」
今度は伏し目がちに地面に視線を落とす有希。
もしや酔ったのか?
うーん、そんな風には見えないけど・・・
有「あのさ・・・」
「ん?」
有「私・・・・・どうすればいいんだろ。」
(あぁ・・・・・・)
なるほど。
ソレのことか。
(・・・まぁ、気持ちは分かる。)
自分を好きでいてくれる男が身近に六人。
言い寄られるだけならまだ軽い。
だが全員本気となったら話は違う。
その上、有希自身はトラウマ持ち。
それが理由で「男」を意識するのが怖いのが現状。
少しは軽くなってきてるみたいだけど・・・
まぁ、悩むよな。
でも-----
「今まで通りでいいんじゃないの?」
有「・・・へ?」
マヌケな反応が返ってきた。
真「悩むだけ進歩だな。」
「あ、それ言えてる。」
有「え・・・」
真「取り合えず女に戻れ。自分は女だってことを自覚しろ。」
有「は・・・」
そりゃごもっとも。
-----私は恋愛なんて無理だ
なんて壁はぜひとも取っ払ってもらいたい。
有「そっか・・・」
ふっと笑みを浮かべてタバコを消す有希。
その様はまるでイケメンホスト。
思わず目を奪われてしまう。
でもやっぱお前にタバコは似合わない。
この際止めちまえ。
有「お前ら・・・・・本当にバカだな。私が男だったら・・・絶対私のことなんか好きになんねぇ。」
「はぁ?いやいや、お前の性格だったら絶対落ちてる。」
真「あぁ、落ちるな。」
有「それは絶対ねぇ!」
「いやいや落ちるって。」
有希が男だったらなんて考えたこともなかったけど。
想像したら・・・
うん、有希は絶対有希に落ちるわ。
なんかウケる。
有「な、なに笑ってんだよ!」
真「ククッ・・・・・悪ぃ。」
どうやら真樹も想像しちゃったらしい。
「有希はさ」
有「なんだ!」
「自分で思ってる以上に、いい女なんだぞ。」
有「へっ・・・」
有希の体が、ぴょんと跳ねた。
真「・・・相変わらず可愛い反応だな。」
「ほんと、苛めたくなるわ。」
有「やっ-----やめろバカ!」
ほーんと、可愛い奴・・・
「なぁなぁ、この際全員と付き合ってみたらどうよ?親密な関係になったら誰がいいか分かるのも早いと思うけど。」
有「何言ってんだ。私はお前らみたいに器用じゃねぇ。」
真「どっちにしても俺はお前のこと俺の女だと言いふらすからな。」
有「なな何と何がどっち!?」
真「いずれそうなるんだ。支障はねぇだろ?」
「まずは外壁からってやつ?それいいね。俺もそうしよう。」
有「外壁!?意味分かんねぇ!」
-----俺の女
いずれそうなる。
まぁ、六人が全員
そう思ってんだけどねぇ。
もちろん俺は
誰にも譲る気は無い。
真「なぁ。」
有「今度はなんだ。」
真「・・・寒い。」
有「・・・確かに。」
「そろそろ戻ろっか-----っくしゅん!」
有「戻ろ戻ろ!」
マジで寒くなってきたので部屋に戻った。
時刻は午後23時50分。
もうすぐ明日になるし、楽しい宴席もそろそろお開きの時間だ。
有「じゃぁな皆。お休みー。」
あくびと共に部屋に入っていく有希。
その背中を全員で見送った。
(お休み有希。いい夢見ろよ。)
----------ライバル SAKURA∞SAKU second(完)