ライバル

ライバル 05 SAKURA∞SAKU second

<要>

有「あぁー寒ぃなぁ・・・」

真「暖めてやろうか。」

「お前が言うとなんでエロく聞こえんだろうなぁ。」

有「お前も人のこと言えないけどな。」

何故寒いか。

それはこの寒空の中。

外でタバコを吸ってるからでして・・・

有「そろそろタバコ止めなきゃなぁ。どんどん居場所が無くなる。」

「まぁなー。」

真「そう簡単には止められねぇよ。」

有「そうだよなぁ。私も酒とタバコとPCがあればって豪語してるからな。ま、そんなのは言い訳なんだけどよ。」

玄関先の段差に並んで腰を下ろしてる俺達。

ふぅーっと並んで紫煙を吐く。

「もう冬になるんだなぁ。」

有「そうだなぁ。」

真「当たり前だろ。」

有「乗れよ。この空気に。」

「そうだよ真樹ちゃん。乗れよ。」

真「・・・・・冬だな。」

しぶしぶ話を合わせる真樹。

有希の言うことはなんだかんだ言って聞いちゃうわけね。

可愛いとこあるじゃん美人さん。

ま、怖くて言えないけど。

有「なぁ・・・」

「ん?」

有「その・・・・・・・・・本当にありがとな。」

真「は?」

空に昇る紫煙を見つめる有希。

ていうか今のなに。
どういう意味?

有「・・・改めて言いたくなった。それだけ。」

「・・・・・・・・。」

真「・・・そうか。」

今度は伏し目がちに地面に視線を落とす有希。

もしや酔ったのか?

うーん、そんな風には見えないけど・・・

有「あのさ・・・」

「ん?」

有「私・・・・・どうすればいいんだろ。」

(あぁ・・・・・・)

なるほど。

ソレのことか。

(・・・まぁ、気持ちは分かる。)

自分を好きでいてくれる男が身近に六人。

言い寄られるだけならまだ軽い。

だが全員本気となったら話は違う。

その上、有希自身はトラウマ持ち。

それが理由で「男」を意識するのが怖いのが現状。

少しは軽くなってきてるみたいだけど・・・

まぁ、悩むよな。

でも-----

「今まで通りでいいんじゃないの?」

有「・・・へ?」

マヌケな反応が返ってきた。

真「悩むだけ進歩だな。」

「あ、それ言えてる。」

有「え・・・」

真「取り合えず女に戻れ。自分は女だってことを自覚しろ。」

有「は・・・」

そりゃごもっとも。

-----私は恋愛なんて無理だ

なんて壁はぜひとも取っ払ってもらいたい。

有「そっか・・・」

ふっと笑みを浮かべてタバコを消す有希。

その様はまるでイケメンホスト。
思わず目を奪われてしまう。

でもやっぱお前にタバコは似合わない。
この際止めちまえ。

有「お前ら・・・・・本当にバカだな。私が男だったら・・・絶対私のことなんか好きになんねぇ。」

「はぁ?いやいや、お前の性格だったら絶対落ちてる。」

真「あぁ、落ちるな。」

有「それは絶対ねぇ!」

「いやいや落ちるって。」

有希が男だったらなんて考えたこともなかったけど。

想像したら・・・

うん、有希は絶対有希に落ちるわ。

なんかウケる。

有「な、なに笑ってんだよ!」

真「ククッ・・・・・悪ぃ。」

どうやら真樹も想像しちゃったらしい。

「有希はさ」

有「なんだ!」

「自分で思ってる以上に、いい女なんだぞ。」

有「へっ・・・」

有希の体が、ぴょんと跳ねた。

真「・・・相変わらず可愛い反応だな。」

「ほんと、苛めたくなるわ。」

有「やっ-----やめろバカ!」

ほーんと、可愛い奴・・・

「なぁなぁ、この際全員と付き合ってみたらどうよ?親密な関係になったら誰がいいか分かるのも早いと思うけど。」

有「何言ってんだ。私はお前らみたいに器用じゃねぇ。」

真「どっちにしても俺はお前のこと俺の女だと言いふらすからな。」

有「なな何と何がどっち!?」

真「いずれそうなるんだ。支障はねぇだろ?」

「まずは外壁からってやつ?それいいね。俺もそうしよう。」

有「外壁!?意味分かんねぇ!」

-----俺の女

いずれそうなる。

まぁ、六人が全員

そう思ってんだけどねぇ。

もちろん俺は

誰にも譲る気は無い。

真「なぁ。」

有「今度はなんだ。」

真「・・・寒い。」

有「・・・確かに。」

「そろそろ戻ろっか-----っくしゅん!」

有「戻ろ戻ろ!」

マジで寒くなってきたので部屋に戻った。

時刻は午後23時50分。

もうすぐ明日になるし、楽しい宴席もそろそろお開きの時間だ。

有「じゃぁな皆。お休みー。」

あくびと共に部屋に入っていく有希。

その背中を全員で見送った。

(お休み有希。いい夢見ろよ。)

----------ライバル SAKURA∞SAKU second(完)