ライバル

ライバル 04 SAKURA∞SAKU second

<真樹>




どうやら有希は

京都が好きらしい。






有「お前さ、あの裏通りにある旅籠知ってるっか?」

要「え、そこは知らない。」

有「マジ?よし、じゃあ候補に入れとこ。ぜひ要に見せてやりたい。」

要「俺のために・・・ありがと有希ちゃん!」

有「気にすんなって!」





実は要も日本史が好きだったりする。

普段はやる気のない目をキラキラ輝かせて盛り上がっている。





累「それで?」

純「姫はどっちに行きたいの?」

有「難しい選択だな・・・どうしよ。本気で悩む・・・・」

孝「どっちでもいいじゃねぇか。」

有「黙ってろ!悩んでんだ!」






まだいつ行くかも決まってねぇのに。

気が早い奴らだ。







(それにしても・・・)







隣に座る遼をチラッと見る。


有希の好きなものを教えてくれるとは・・・

なんてお人好しなヤツ。

黙ってれば二人で旅行に行けたかもしれねぇってのに。





遼「なんだよ真樹様。あいつの好きなことをお前らに教えるのがそんなに意外っすかぁ?」

「・・・・・・・。」






こいつ・・・

急に鋭くなるのは止めて欲しい。







「・・・食えねぇヤローだな。何企んでやがる。」

遼「企んでなんかないよ。一つや二つ好きなこと教えたからって痛くもかゆくもないってこと。」

「・・・・・・。」

遼「だって有希のことならもーっといっぱい知ってるしー」

「・・・・・ムカつく。」

遼「ははっ!ゴメン調子に乗った。今回はさ、純粋にあいつが喜べばいいなぁと思って。まぁ・・・色々あったからなぁ。」






確かに。

今はあんなに笑ってるが・・・

精神的にはかなりきつかったはずだ。






遼「それに、お前らにもマジで感謝してんだよ。俺も晴れて男に戻れるし、有希もきっと変わって行くと思う。」

「・・・そうか。」

遼「ま、つまりこれからは全員ライバルってことだな。」

「ライバル?」

遼「うわぁ・・・なんか急に怖くなってきた。お手柔らかに、真樹様。」





怖いだなんて言いながらニッコリ笑いかけてくる遼。

上等じゃねぇか。

さすが何年も有希を守ってきただけのことはある。






「お前もな。」






売られた微笑には微笑を。


まぁ、お手柔らかに行くつもりは更々ない。

俺だけじゃない。

ここにいる奴全員、一歩も引く気はねぇだろうけど。






遼「・・・・・・・・。」

「・・・・・なんだよ。」

遼「真樹・・・・ちょっ、お前・・・・・」

「?」





なんだ?






遼「今の顔・・・すげぇ色っぽかった。」

「・・・・・・。」






やはり・・・

バカなところは有希と同じらしい。







「お前に惚れられても全然嬉しくねぇよ。この変態。」

遼「え!ば、ばか!違ぇよ!そういう意味じゃなくて男としてだなぁ----!」

有「えーなになに?遼さんたら真樹に惚れちゃったのぉ?よっ!美人さんは辛いっすねぇ!」

「・・・・・・。」






わざわざ茶々を入れる有希。

対面するソファーにどっかり座ってニヤニヤ顔を向けてくる。

どうやら俺に構って欲しいらしい。






「・・・遼、有希、俺の前に正座しろ。」

有「えっ!や、やだなぁ!冗談に決まってるじゃないっすかぁ!ねぇ遼さん!」

遼「そそそぉっすよ!もー真樹様ったらぁ!」

「早くしろ。」

遼・有「・・・・・・・ハイ。」






全く、学習しない奴らだ。


しばらく沈黙の重圧を食らわせてやった。

その後、遼には一発。

そして有希を引き寄せてキスしたら要に殴られた。





有「ここコノヤロー!覚えてろよ!」

「あ?」

有「なななんでもございません!」

純「もー、刺激したらダメだよ姫。」

要「懲りないねぇ。」






要と純に保護されてしまった有希。

キスの一つや二つでいちいち面白い反応。

何度見ても飽きない。







(可愛いヤツ・・・)







これからはあいつを守り

そして遠慮はしない。







必ず俺のものにする。