サ「五十嵐さん!!」
「あいつはっ!?」
有希との通話が切れてすぐ店まで走った。
無駄だと思いながらリダイヤルしていたらサオリって女が出た。
どうやら有希のヤツ、携帯を落としていったらしい。
サ『ネネさんがあの人達に連れて行かれちゃったんです!!すぐに追いかけます!!』
「待て。そこにいろ。」
サ『でも!!』
「お前が行ってもどうしようもねぇ。それに場所が分からなくなるだろうが。俺が行くまでそこにいろ。」
サ『-------っ!』
くそ-------
なんでこんなことに-----!
サ「五十嵐さん!!」
「どっちだ!?」
店にはすぐに着いた。
まだ遠くには行ってない筈だ。
サ「あっちです!裏通りは人がほとんど通らないから・・・気を付けてください!」
「あぁ。悪いけど後ろから二人来る。そいつらにも居場所教えてくれるか?」
サ「はい!」
了承の返事を背中で聞いた。
(どこだ!?)
有希が連れ込まれたらしい裏通り。
都合が悪いことに暗い上に横道が多い。
早く見つけねぇと・・・
「は、放せよっっ!!!」
「!」
遠くの方で有希の声が聞こえた。
焦りを含んだその声に急かされて暗い路地を急ぐ。
すると-----
細道の入り口に男が二人。
携帯片手に何やら話しているのが見えた。
(見張り・・・・ってワケか。)
耳に首に腕に指にジャラジャラくっついてる男と金髪が眩しい男。
とりあえず路地に足を進めると---
当然だが立ち塞がってきた。
『なんだてめぇは!』
「・・・退け。」
『はぁ?今取り込み中なんだよ!』
まぁ・・・どうぞ、と通してはくれない。
おまけに金髪男が胸倉を掴んできやがった。
(・・・・・・・・チッ)
話し合いで解決してる時間もつもりもない。
ひとまず金髪男の手を締め上げた。
『ぃ----てぇ!』
『なっ---!んだよてめぇ!ヤんのかコラァ!』
「・・・・・・。」
今度はジャラ男が殴りかかってきた。
何度も言うが話し合うつもりはない。
腹に一発蹴りを入れてやった。
『ぐっ!』
壁に打ち付けられて地面に落ちるジャラ男。
やる気あんのかお前。
『な・・・・っ!』
仲間の戦線離脱に驚いたのか、金髪が怯む。
すかさず鳩尾に入れて転がした。
そしてすぐに路地の奥へ向かった。
有希とあいつは意外にも近くにいた。
見張りを立てて安心してたんだろうか。
なんとも詰めの甘いヤローだ。
まぁ俺にとってはラッキーだった。
男が俺に気付いたのが分かった。
有希を壁に押さえつけている・・・
(・・・・・・・・・・。)
待て待て落ち着け。
とにかく有希を助けるのが先だ。
冷静に------
「・・・・・・・孝。」
らしくない、弱々しい声が耳に届く。
その声に釣られて男から視線をずらす。
そして目に入ってきたのは・・・
有希の涙。