ナ・イ・ト・ワ・-・ク Part3

ナ・イ・ト・ワ・-・ク Part3—–3 SAKURA∞SAKU second

『あいつが持参した物には口を付けるな。』

 

孝に口を酸っぱくして念を押された。

え、食い物飲み物に何か入れる奴とかいるのか?
まぁ・・・言われなくても飲み食いするつもりは無いけれども。

 

「こ、こんばんはー。」
『よぉネネ、久しぶりだな。』
「うん。もう会うことはないと思ってたけど。」
『言うじゃねぇか。』
「まぁね。」

 

本性さらしちゃったんで。
もはや猫を被る必要はないかと。

ちなみに今日は連れが2人いる。
これまた悪そうな奴らだ。

 

「どうしたんだ?なんで私を指名したの。」
『俺の女にするって言っただろ?』
「・・・まだそんなこと言ってんのか?物好きなんだな。有り難いこって。」
『くっ・・・面白ぇ女。ますます気に入った。』
「へぇ。」

 

もはや可愛いフリをする必要は無い。

 

『お前が店に出る日を楽しみにしてたんだぜ?』
「へ?」
『ルミに頼んでさ。お前が来たら連絡入れるように言ってたんだ。』
「・・・・・・。」

 

なるほど。
度重なる偶然はそういうことだったのか。

 

「ルミちゃん、お前のこと気に入ってたのに。可愛そうな扱いするんだな。」
『しょうがねぇだろ?女は皆俺に惚れるんだよ。俺に頼られてあいつも喜んでると思うぜ?』
「おモテになられるようで。」
『お前以外にはな。』

 

心底楽しそうに笑いを漏らすガキ。

一体何考えてんのか・・・
なんか嫌な感じだな。

 

「あのさ、この際私のことは女として見るなよ。友人としてなら案外うまくいくかもよ?な!友達になろう!」
『今更無茶言うな。俺はお前が欲しくてたまらねぇんだよ。』
「あっそ。じゃぁ早く夢から覚めることだな。」
『はっ!口の減らねぇ女だ。だからこそ落とし甲斐がある。』
「さっさと目を覚ませ。女なら周りに腐るほどいるだろうが。」
『お前みたいな女はいねぇよ。』

 

・・・・・チッ

なにが楽しくて私なんぞに構うんだこいつは。
珍しい生物が欲しいならペットショップに行け。

 

『おいネネ。今日はいい酒を持ってきた。飲めよ。』
「あぁサンキュ。ゆっくり味わって飲ませてもらうよ。」
『今飲めよ。』
「強制する男は好きじゃない。」
『・・・・・まぁいい。ちゃんと飲めよ。』
「もちろん。酒には目がねぇんだ。」

 

ど派手なボトルに入った琥珀色の酒。

孝の睨んだ通りこいつは酒を持参してきた。
そして飲ませようとヤケに勧めてくる。

臭いで強いってのは分かるけど・・・
何か入れてんじゃねぇだろうな。

 

(簡単には飲みませんよー。)

 

この時代、何があるか分からんからな。
警戒警戒。

 

ス「ネネさん、お願いします。」
「!」

 

やった、ボーイさんが呼びに来てくれた。

ナイスだ君、いい仕事してる!
心の中で両手親指をカッ!!と立てた。

 

「ごめんね、今日も指名が被っててさ。」
『全然構わねぇよ。だが・・・俺はお前を逃す気はねぇってこと、ちゃんと理解しておけよ。』
「・・・・・・・怖いな。」
『あぁ、俺は怖いぜ?』
「・・・・・・・・・・・。」

 

不気味に口角を上げるガキを背に席を後にした。

 

得体のしれない不穏な空気・・・

 

なんか-----嫌な感じがする。

 

「・・・・・・ただいまー。」
孝「あぁ。」

 

孝がいる席に戻ってきた。

なんか疲れた・・・
もうこのまま帰りてぇよー。

 

「・・・・なぁ。」
孝「?」
「あのさ・・・今日、終わるまでいてくれねぇ?」
孝「・・・・・・。」

 

安心しろ。
料金は私が持つ。
・・・半分くらいなら!

 

孝「そのつもりだ。」
「・・・・・ありがと。」
孝「・・・何かされたか?」
「いや別に。そういうわけじゃない。」

 

何かされたわけじゃない。
何かされたわけじゃない、けど・・・

なんか、ね。

 

「心配するな。ただお前と飲みたいだけだ。」
孝「・・・・・・。」
「本当だって。」
孝「・・・・・・。」

 

すっげぇ不審そうな目を向けられる。

 

(あーあ・・・)

 

孝にはあまり心配かけたくなかったんだけどな。

 

最近不機嫌オーラが強いし
もしかしたら悩みを抱えてるのかもしれないし

刺激したくないってのが正直なところだ。

 

それにしても・・・

 

「なーんでかなぁ・・・やっぱ年下とは相性悪いんだろうなぁ。」

 

思わず独り言。

年下の男子は基本苦手だ。
何かとトラブルが発生してしまう。

何故だ。
私が悪いのか?

年上だの年下だの、年を取る毎にそんなこと言ってられなくなるんだろうが・・・

どうしても苦手意識が消えない。
そして今回のことで更に嫌になった。

 

孝「年下・・・・ダメなのか?」
「基本な。」
孝「そう・・・・か。」
「でも純君とか累たんは好きだぞ。可愛いと思う。」
孝「・・・・・・俺は?」
「お前は・・・・・あれ、お前って年下だったっけ?」
「・・・あぁ。」

 

そうだったっけ。

 

「年下って感覚が全然なかった。・・・なーんかごめんな。私がもっとしっかりしないといけなかったんだな。」
孝「は?」

 

最近こいつが不機嫌な件に関してね。

私って一応管理人だし
改めて年上だし

もっと気に掛けてあげられるようにしよう。

管理人の仕事なんて無いに等しいんだ。
ちょっとくらい皆様のお役に立つことをせんといかんでしょう、うん。

 

孝「なに言ってんだ?」
「分かんなくていいよ。」

 

 

いやいやちょっと待て。

 

違う違う。
そのことは家に帰ってから考えよう。

 

 

とにかく今は

 

 

今日のこの状況をなんとか切り抜けたい!