ナ・イ・ト・ワ・-・ク Part3

ナ・イ・ト・ワ・-・ク Part3—–10 SAKURA∞SAKU second

『何があったんすか!?』
瀬「聞くな。」

 

瀬尾の連れだろうか。

孝に引かれるまま車に乗り込んだら運転席には知らない奴。

こんな遅くにお迎えサンキュー。

 

だが---礼を言う余裕はない。

 

(震えが・・・・止まらねぇ。)

 

未だ手を握ってくれてる孝。

なにも言わないけど・・・
お前にも伝わってるよな。

 

「孝、ごめん・・・・手、もう大丈夫---」
孝「いいから。」
「・・・・・うん。」

 

強く握り返される手。

こんな情けない姿、本当は見せたくなんかない。
孝にも余計な心配をかけてしまう。

 

でも---

 


今はこの手を放したくない。

 

 

 

怖かった。

 

 

 

こんなの-----あの時以来だ。

 

 

あの手の奴らは皆、女は無理矢理にでも組み敷けばいいと思ってるんだ。

泣いても嫌がっても関係ない。
それを見て楽しんでる。

 

・・・・・吐き気がする。

 

(あぁ・・・・・ダメだ。)

 

寒気が治まらない。

 

「孝・・・」
孝「なんだ。」
「・・・降ろしてくんねぇかな。」
孝「・・・・・・は?」

 

今帰ったら・・・

 

「今日は家に帰りたくねぇ。あいつらに・・・説明する元気もねぇ・・・だから今日はどっかに泊まる。」
孝「・・・・・・・。」

 

孝をはじめ、今家に帰ったら色々と説明しないといけなくなる。
心配かけてんだから当たり前だ。

 

でも-----

 

今は思い出したくねぇ。

 

落ち着く時間が欲しい。

 

「孝、頼む-----」
孝「お前を一人には出来ねぇ。」
「あのさ---」
孝「家に帰らねぇなら俺も一緒に行く。」

 

・・・・え?

 

孝「家に帰るか、俺を連れてくか。どっちか選べ。」

 

家に帰るか、お前を連れてくか?

 

工「・・・・・な、なんだ?どういうこと--」
孝「家には兄貴と弟がいっぱいいんだよ。」
工「・・・・はぁ?」
瀬「工藤、余計な詮索するなって。」
「・・・・・・・。」

 

家に帰るか、お前を連れてくか。

 

その二択なら答えは簡単だ。

 

孝「行くぞ。」
「・・・うん。」
工「お、おい!」

 

ワケが分からないという工藤を車に残して

孝と車を降りた。

 

「孝、やっぱりお前は帰れ---」
孝「ダメだ。約束だろ。」
「まぁ・・・そうだけどさ。・・・付き合わせてほんとごめん。」
孝「謝るな。」

 

どこでもいいだろ、と言って手を引いて歩き出す孝。

時間のせいか人通りもまばらな通り。
そんな中、心当たりがあるのか迷いなく進んでいく。

 

(え・・・・)

 

引かれるまま辿り着いたのはすっげぇでかいホテル。
パーティーの時の会場ほどではないが高級なホテルに間違いない。

 

「ちょ、ちょっと-----まさかここに入るつもりか!?」
孝「ダメか?」
「いやいやダメじゃないけどお前・・・お、おい!」

 

ダメか?なんて聞いてきたくせにずんずん進んで行く孝。
そしてフロントに声を掛けさっさと手続きを済ませてしまった。

 

孝「来い。」
「・・・うん。」

 

鍵を持ってさっさと部屋へ向かっていく。

 

そして・・・

 

部屋に着いた。

 

(うわ・・・・・すげぇ部屋。)

 

ふわふわの絨毯に質の良さそうなソファ。
壁一面に陣取る窓の向こうには綺麗な夜景が広がってる。

正にthe 高級

こういう時じゃなかったら思い切りテンション上がるんだろうけどな。

 

孝「どうする。酒飲むか?」
「・・・・・・少し。」
孝「少し?」
「今日は・・・寝れないと思うからさ。飲んでも意味ない。」
「・・・・・そうか。」

 

スッと視線を落とし、悲しそうな表情を浮かべる孝。

なんか・・・

なんか・・・ごめん。

 

孝「風呂入って来いよ。」
「え?お前が先でいいよ。」
孝「・・・・・・・。」
「・・・どこにも行かないって約束する。」
孝「・・・・絶対だからな。」
「あぁ。」

 

風呂入ってる間に逃げ出したらお前・・・
どうなるか分かってんだろうな。

顔にそう書いてある。

風呂場に消えていくまでずっと疑いの目を向けられた。

 

 

 

 

「・・・・・はぁ。」

 

 

 

 

無意識に、ため息。

 

 

 

「・・・・・・・・。」

 

 

 

頭の中が、真っ白。

 

何も考えられない。
考えたくも無い。

 

ちゃんと温まったんだろうか。
今入ったと思ったのにもう風呂から上がってきた孝。

 

私もシャワーでも浴びれば少しは落ち着くだろうか・・・

 

(気持ち悪ぃ・・・・・)

 

ガキに触られた手首や唇。

擦り切れちまうかもしれねぇくらい擦った。

 

そういえば

 

手首が痛ぇよバカヤロー。