ス「ネネさんお願いします。」
有「えっ?」
せっかく気分が良かったってのに・・・
絶妙なタイミングでスタッフが有希を呼びに来た。
有「要ちゃん・・・・・誰か他に来るって言ってた?」
「いや。もし来るなら連絡があるだろ。」
有「そ、そうだよね。」
なんで呼ばれるんだ?って反応だな。
はて・・・
俺に内緒で住人の誰かやって来たか?
有「え・・・」
「どうした?」
有「いや・・・くそ、またかよ・・・」
他の席を見て顔が強張る有希。
一体どうした?
有「はぁ・・・あー・・・・・要ちゃん。例のガキが来たみたい。」
「ん?」
例のガキ。
さっき言ってた客のことか?
有「今何時だっけ?」
「11時前。」
有「そっか。先に帰っててもいいよ?」
「なんで。」
有「あと1時間くらいだし、明日仕事でしょ?」
おバカだなぁこの子は。
お前を狙ってる奴が来てるのに帰るわけ無いでしょう。
「お前はそんなこと心配しなくてもいーの。-------ん?」
有「どした?」
ふと視線を感じて目を向けると・・・・
おーおー。
好戦的な奴だなぁ。
有「どうしたんだよ。」
「------ククッ。おい、有希。」
有「え?・・・・・・・っ!」
頬に
キスしてやった。
有「・・・・・え?」
有希はまぁ・・・固まってるな。
「あいつが睨んでくるから。マーキング?」
有「はぁ?バカかお前・・・・・ちょっと行ってくるからよ。」
「あぁ、早く帰って来い。」
有「うん。」
(まぁまぁ、嫌そうな顔しちゃって・・・)
『そのガキがな、よっぽど嫌だったらしいぞ』
そういえば真樹がそんなこと言ってた。
なぜか嬉しそうな顔してたのは無視したけど。
サ「アオイちゃん、緊張してるんでしょ。高野さんカッコいいから。」
ア「サ、サオリさんっ!」
忘れてた。
隣に座るヘルプの女の子があたふたしている。
新人さんか?
反応が初々しい。
同じ女でこんなにも反応が違うんだな。
有希だったら・・・・
まず緊張すらしねぇな。
想像すると笑いが出る。
サ「ネネさんの周りにはカッコいい人がたくさんいてビックリです。」
ア「そ、そうですよね。」
「?」
サ「この前いらした杉浦さんだって・・・男性スタッフまで見とれてましたよ。」
「真樹は男の目も引くからなぁ。」
『おい、そこの美人さん』
時々有希がからかって真樹をそう呼ぶ。
三倍返しされるのに良く懲りないもんだ。
サ「それにしても、ネネさんって不思議な雰囲気の人ですよね。その上可愛いし、スタイルも良くて羨ましいです。」
ア「本と!仕草とか女の子らしくて!」
「・・・・・・・そ、そうかな。」
女の子らしいって・・・
有希の?
どこら辺が?
女子の目にはそんな風に映ってるわけ?
どんだけ猫被ってんだよあいつは。
まぁでも、当たり障り無くやってはいるらしい。
女の子らしい・・・・ねぇ。
まぁ----
あの夜に見せた有希は女らしすぎて
かなり参ったけど。