(なな、なんつった?)
まるで雪崩のように一気に言い切った要。
あまりの情報量にプチパニック。
いやいやそうじゃなくて!
(すすすす好き?ほ、惚れてる?)
確かに、大学で『好きになっちゃうぜー』みたいなことは言われたぞ。
でもお前・・・
本当に好きになっちゃったのか?
予言通りになっちゃったんすか?
「ぅ・・・・・、・・・?」
ちょ、ちょっと待ってくれよ。
こいつといいこの前の真樹といい・・・
一体なんで・・・・?
じわじわと顔に熱が集まっていく。
すっげぇ熱い。
要「何それ・・・なんでそんな可愛い顔してんの・・・」
「へ?」
要「お前もしかして・・・俺のこと、意識してくれてんの?」
「-----っ!」
光にも負けねぇって速さで顔を覆った。
多分・・・いや、絶対顔が赤いんだ!
要「なぁ・・・」
「み、見るな!」
背中には金網。
顔の横には要の両手。
ちょ、ちょっと・・・逃げられないんですけれども。
焦る私なんかお構いなしに顔を覗き込んでくる要。
でも絶対上は向かないからな!
てか恥ずかしくて目なんか合わせられねぇよ!
要「嫌だったか?」
「なんだっ!?」
要「今のキス、嫌だったか?」
「は・・・は?」
要「答えろ。」
何言ってんだよ。
意味分かんねぇ。
要「もう一回試してみるか。」
「な、なにっ!?」
するすると頭の後ろに回される奴の手。
そして再びゆっくり要との距離が縮まって----
「やややめろバカ!ぃっぃぃぃ嫌じゃなかったから!!」
要「・・・・・・・・・・。」
「ぁ・・・・」
な、何を言うんだこの口は。
要「あのガキは嫌だったんだろ?なんで俺は嫌じゃないんだよ。」
「・・・・・・。」
なんでってお前・・・
ていうかなんだよその質問は。
なんて答えたらいいんだよ。
でも確かに・・・・
あいつのは不快感しかなかった。
でも要とのキスは・・・・・
「・・・・・・・・。」
さっきのはマジでヤバかった。
小さな抵抗すらさせてもらえないくらい激しくて
力なんて初めの数秒しか入らなくて
それに
火傷すんじゃないかってくらい熱くて・・・
(ちょちょ----やめろやめろ!)
だだだだダメだ!
思い出すの禁止!
要「ちょっと・・・・マジで待って。お前・・・可愛すぎだって、その顔。」
「うううるせぇ!こっち見んな!」
まるで真冬のホッカイロのように顔が熱い。
更には困ったことに現在進行でぐんぐん熱が上がって行く。
要「俺を男として見てくれてんだな?」
「・・・・・。」
要「だからそんな顔すんだろ?」
「いっ・・・言わせるのか!?」
要「--------お前・・・」
「-----っ!」
更なる追い討ちだ。
強く・・・抱きしめられた。
「はっ放せコノヤロー!!」
要「絶対放さねぇ。」
「か、要っ!」
要「好きだ。お前のこと・・・すっげぇ好き。」
「わ、分かったからもう言うなよ!」
要「可愛い~。」
何が楽しいのか、嬉しそうに私の頭をなでくり回す要。
ていうかいつものこいつに戻ってないか?
さっきため息ついてたくせに・・・
なんか辛いことがあったんじゃなかったんですか!?
要「もう・・・・我慢は無しだ。」
「は!?」
要「ずっと我慢してた。でももう止めた。」
「なんのこと----」
要「すぐに分かる。」
「・・・・・・・。」
ニヤリと口角を上げる変態。
なにその表情、寒気がします。
(ヤバい。ヤバいヤバい絶対ヤバい----!)
何らかの危険な扉を開いた・・・
地雷どころじゃねぇ。
私ってば核兵器並みの爆弾踏みつけた!!