有「真樹って、身長高いんだね。」
「なにを今更。」
有「なんとなく」
そろそろお開きってことで店を出ることになった。
会計を済ませて戻ってきた 有希。
じっと見上げてくると思えばなんだそれは。
毎日会ってて今更言うことか?
ていうかこいつ、こんなに小さかったか?
女にしては普通だと思うが・・・
態度がでかいせいで小さく感じたことがない。
「もう上がるんだろ?」
有「うん。」
「店を出たらすぐに電話しろ。」
有「了解----っわ!」
そういえば・・・
あいつが残ってた。
有「真樹様どういうことですかー。」
「あいつにお前は俺のモンだって見せ付けてんだよ。」
有「あいつ?・・・・あぁ。」
なんのつもりなのか知らねぇが最後まで好戦的な視線を寄越しやがった。
あのガキ ・・・
マジでやられてぇのかよ。
有「へっ。くだらねぇ。」
俺の心情なんざ露知らず。
ちらっとガキへ視線を流しボソッと吐き捨てた。
「おいおい。カワイイ振りはもう終わりかよ。」
有「誰も聞いてねぇからな。------っと、気をつけて帰ってくださいね。」
「・・・・・・。」
やはりこいつも女だ。
変わり身が早い。
それにしても・・・
店の出入り口が凄いことになっている。
ここの女達はミーハー集団か?
(面倒臭ェ な・・・ )
だが少しの間とはいえ有希が働く店だからな。
とりあえず笑っておこうと思う。
「じゃぁな。」
有「うん、ありがとう。」
相変わらず俺の心情に気づく気配もなくにっこり笑う有希。
改めて上から下まで視線を流してみる。
綺麗にセットされた髪
濃くはないがいつもより化粧されてる顔
そしてドレスに包まれた華奢な体
純になるつもりはない。
だが、マジでどっかの姫に見える。
(・・・・・・・・・・・・。)
後で、と思っていたが
我慢が出来なくなった。
有「?」
ニコニコ笑顔の有希と目を合わせたままゆっくり耳元に近づいた。
「後でな?早く着替えて出て来いよ。」
有「うん。分かって・・・・・
・・・・・・・チュッ。
有「・・・・・・る。」
あぁ、間違いじゃねぇ ・・・
やっぱりさっきと全然表情が違う。
有「・・・コノヤロー」
「消毒だ。」
有「え?」
「あいつにされただろ。」
有「あ?・・・あぁそういえば。」
「早くしろよ。」
ぽかんとする有希を置いて河野のところへ向かった。
①ビックリしたように目を見開く
②その後我に返って怒り出す
それがいつものパターンだ。
つまり
腹は立てているが不愉快な顔はしない。
河「何かいいことがあったんでしょうかー?」
「・・・・別に。」
うまく説明出来ないが
悪い気分ではない。