ナ・イ・ト・ワ・-・ク Part1

ナ・イ・ト・ワ・-・ク Part1—–13 SAKURA∞SAKU second

「・・・今日は抵抗しねぇんだな。」
「・・・・・・。」

 

確かに ・・・

腕を掴まれていたわけじゃない
背中が壁だったわけじゃない

逃げ道はいくらでもあった。

 

でも、動けなかったんだよ。

 

「有希?」

 

何も言わない私を不審に思ったのか真樹が顔を覗き込んでくる。

私はと言うと・・・
情けないことにまだ動けないでいる。

 

「お前・・・」
「・・・・。」
「・・・顔真っ赤。」
「-----っ!言うなぁぁ!!」

 

なにかと思えばそれかよ!

ていうか絶対そうだと思った!

顔熱ぃもん!
めっちゃくちゃ熱ぃ!!

これ以上言何か言われたら恥ずかしくて死んでしまいそうだ!

 

(離れてくれェ!)

 

暴れた。

とりあえず離れてくれ。
落ち着かせてくれ!

 

「ぅ・・・・・っ!」

 

なんてことだ・・・
離れるどころかヤツの手に力が篭った。

 

「は、放せ!」
「・・・・・。」

 

無駄だ。
無駄だけど・・・・

ひたすらもがく!!!

 

「ま、真樹っ!」
「すっげー嬉しい。」
「-----へ?」

 

う、嬉しい?
なんだそりゃ!

 

「俺のことを考えるお前も。俺のことで紅くなるお前も。マジで嬉しい。」
「な・・・・なな・・っ」

「好きだ。」

「--------っ!!」

 

もう言うなバカヤロー!

だいたいお前そんなこと言う奴じゃねぇじゃんか!
一体どうしちゃったんだよ今日は!

 

「なぁ。」
「な、なんだ!」
「前に"恋愛する勇気がない"って言ってたな」
「え?・・・・・・あ、あぁ。」
「今もか?」
「・・・・・・・・あぁ。」
「そうか。」

 

何を言うかと思えばそれかよ。

でも・・・そうなんだよ。

私は恋愛するのが
いや、人を好きになるのが怖い。

それは今も変わらない。

 

だからお前の気持ちには-----応えられねぇ。

 

けど・・・

 

(お前って男なんだなぁ・・・)

 

ドキドキした。
いや、実際今もバクバクしてる。

こんなに心臓が小躍りしたのは本当に久しぶりだ。

 

ずーーーっと前に置き忘れてきた感情を少しだけ思い出したような。

 

そんな気がする。