ライブ・本番!

ライブ・本番!16 SAKURA∞SAKU second

-----遼-----



楓「見つけましたぁ。」

勇「さすが楓!有希を探し当てる天才だな!」

楓「でしょう!?」






人ごみに連れてくると有希はいつも途中で抜け出す。

今日もいつの間にかいなくなってた。

あんなことがあった後だったからさ・・・
まぁ、心配するよな。






有「ごめんごめん。孝と話してた。」






心配には及ばなかったみたいだけど。
出来れば視界から消えないでくれ。






勇「晴樹が一緒に踊ろうだってさ。」

有「お、踊るぅ!?今からか!?」

勇「それで諦めてあげるとか言ってた。」

有「・・・・踊っちゃおうかなぁ。」

翔「ははっ!」






有希を見つけたFORMの連中がこっちへ来る。






晴「有希!どこ行ってたんだよ!」

拓「心配しちゃったじゃないか!」

有「ごめんな。酔い冷ましに風に当たってきた。」






笑いながら答える有希。

ダンス付き合ってーなんて言われて楓と勇気も一緒に連れて行かれてしまった。

ま、見えるとこにいるならそれでいい。









「はぁぁ・・・」









そりゃため息くらい出るでしょ。

今日のあれはあまりに衝撃がでかかった。

今になって拳が痛い。






翔「まさか、また新名に会うなんてな。」

「・・・・・・」






翔太は新名のことを知ってる。
なぜかと言うとこいつも同じ学校だったから。

あのことは知らないけど、何かあったんだなってのは勘付いてたはずだ。

なのに聞かないでいてくれてる、大人な奴だ。






翔「大丈夫か?」

「なんとか・・・」

翔「パンクしそうになったら言えよ。ちゃんと聞いてやる。」

「翔太・・・お前ってイイ奴。」

翔「今頃気付いたか。」






俺は・・・・・俺はいい仲間を持った!!






翔「それにしてもお前、有希と何かあった?」

「なんで?」

翔「なんていうか・・・こう・・・お前が"お父様"から"お兄様"に変貌したように見えるっていうか・・・」

「え・・・お兄様?」






それっていい変化?
ポジション的にはあまり変わらないような気がしますが・・・






「好きだって言った。」

翔「ぇ---なにっ!?」

「そんなに驚くことじゃ・・・」

翔「そ、それで!?」

「あいつは応えられない。それはお前も知ってるだろ?とりあえず気持ちは伝えた。」

翔「そ、そうか。どうりで有希が女に見えるはずだ。」

「え、そうなの?」

翔「俺はそう思ったけど。」






翔太君。
有希は元々女ですよ。

今日のあいつは踏んだり蹴ったりだな。
カワイソウに。






翔「有希の近くにいるイケメン5人もあいつが好きなんだろ?」

「君の観察力は鋭い。」

翔「鋭いって・・・誰が見ても分かるだろアレ。」

「まぁ・・・・確かに。」

翔「それにしても凄い目立ち様だよな。見ろよ。会場の女子が肉食獣のように彼らを見てる・・・・」

「あ、あぁぁぁぁ-----怖い。」






有希に気をとられて気付かなかったけど・・・
ダンスメンバーやスタッフの視線は桜館メンバーに釘付けだ。

最強☆フェロモン5レンジャー

こんなの言ったら絶対殺される。
息絶えるようなことがあればダイイングメッセージで『孝』って書いて死のう。






翔「あの人達見てると自分って一体なんなんだろうって思ってしまう・・・どうすればいい?同じ男として。」

「・・・そんなの俺が知りたいわ。自分で聞け。そして俺にも教えて。」

翔「ベロベロに酔ったら聞けるかも。」

「・・・お前って勇気と同レベル。」

翔「失礼なこと言うな。」

「勇気もほぼ同じこと聞いてきた。」

翔「・・・・・・・。」






まったく、女子だけに飽き足らず男のハートも鷲掴みかよ。

どうにかしろそのオーラ。

それを全く感じない有希はマジで変人だ。

いや・・・珍獣か。






楓「楽しかったぁ!」

勇「もうダメ・・・あれについていける有希って変人・・・」

有「誰がついて行ってた?もう足がガクガクよー。」






ひーひー言いながら3人が逃げ帰ってきた。






「お疲れさん。」

有「あーサンキュ。」

楓「喉渇いたー。」

勇「俺もー!」

翔「飲み物取りに行くか?」

楓・勇「賛成ー!!」






そりゃあんなに動けばのども乾くだろ。

3人は飲み物を取りに去って行った。

あれ、もしかして俺、取り残された?








有「なぁ遼・・・ちょっと抜け出さねぇ?」









3人をの背中が人ごみに隠れたころ






有希が俺の手を引いた。