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有「お前らにさ、約束して欲しいことがあるんだ。」
未だ小さく震える手。
それをごまかすように目に力を込め、静かに話し出した。
有「今日のことも含めて・・・説明すると約束する。だから、遼もお前らも-----"美咲"のことを詮索しないでくれ。」
"美咲"
新名が言ってた女の名前。
有希にとって嬉しい人物ではないってのは分かる。
有「特に遼、ちゃんと約束してくれよ。」
遼「・・・・・・・・。」
有「遼。」
遼「・・・・・分かった。」
しぶしぶ返事する遼。
約束守る気ねぇなこいつ。
有「お前らも約束してくれ。」
要「・・・・・・分かった。」
孝「・・・・・あぁ。」
「・・・・・・・・。」
再び手に力を込め、俺を見上げてくる有希。
とりあえず視線に応えて頷いてみる。
だが・・・
(詮索するなって言われても・・・なぁ?)
まぁ、有希を泣かせるようなことをするつもりは無い。
有「ありがとな。」
「!」
視線を合わせたまま小さく笑う有希。
その表情はあまりにも儚くて
今にも消えてしまいそうで・・・
(参ったな・・・)
家に帰ってからと思ってたが・・・
我慢出来ねぇ。
有「ちょ-----こ、こら真樹!」
震える手を引き寄せて、強く抱きしめた。
要「あー!真樹ずりぃー!」
「お前はさっきやっただろ。」
要「あんなんじゃ足りない。」
「我慢しろ。」
遼「真樹ずるいムカつくうらやましい。」
孝「早く交代しろ。」
有「な、なにバカなこと言ってんだ!ていうか離れろ真樹!」
「嫌だ。」
体は-----まだ震えてる。
「怖がる必要ねぇよ。俺らが傍にいるだろ?」
有「・・・うん。」
こいつは俺らといて安心するなんてほざいているが・・・
それはこっちのセリフだったりする。
お前を包むことで俺の方が安心してる。
遼「早く変われよ真樹。後がつかえてますよ。」
「うるせぇな。てめぇは孝にでも手ぇ握っててもらえ。」
遼「え、なんで孝?」
「さっきまで仲良く手繋いでたじゃねぇか。」
遼「え・・・えぇ!?ちょ、お前、さっきのはそんなんじゃ----!」
孝「---------。」
要「あーあ、今のは真樹が悪い。」
「・・・・・痛ぇ。」
蹴られた。
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