スポンサーリンク
ビックリした。
マジで・・・・びっくりした。
突然現れた薫。
突然でもなんでも、二度と会うことは無いと思ってた。
まさかあいつが進んで会いに来るなんて思ってもみなかった。
正直、二度と会いたくなかった。
あいつを好きだったことは事実。
だけどその延長線上にある思い出も
そしてあのことも
---思い出したくない。
要「新名君、そういうことだから。有希を守るのは俺らがやるんで。」
孝「同情装ってるお前に入る隙はねぇ。指くわえて身を引け。」
真「今更過去の男に譲るわけねぇだろ。愚かだった自分を後悔するんだな。」
要、孝、真樹の言葉にも
代わりに殴ってくれた遼にも
マジで感謝してる。
私一人だったら---
一体どうなってただろう
遼「とにかく新名・・・・美咲のこと教えろよ。」
(--------!)
新「・・・あれから連絡取ってないから詳しくは知らない。」
遼「・・・・・・・・・。」
新「でも・・・最近この街に戻ってきたって、そう聞いてる。」
遼「へぇ、そうか・・・」
新「俺が言うのもなんだけど・・・気を付けて--」
「も、もういいだろ!!」
遼に任せるって
確かに言ったのは私だけど
(聞きたくない-----!!)
これ以上はもう・・・嫌だ!
要「遼・・・」
遼「・・・あぁ。」
ごめん要・・・
迷惑掛けっぱなしだ。
新「・・・じゃぁな、有希。・・・・・本当に悪かった。」
「もう・・・・・いいから。」
要に埋もれたままなんとか言葉を返す。
まともに薫の顔を見れない。
確かに薫のことは好きだった。
別れたのも望んだことじゃなかった。
でも未練は無い。
あいつに再会して、改めてそう思った。
そして恨んでもない。
さっき言った言葉も心からの言葉だ。
嘘は無い。
ただ---
ただもう、会いたくない。
薫はそれ以上何も言わず部屋から出て行った。
ドアの外で拓海の緊張気味の声が聞こえたけど、その声も徐々に遠ざかって行った。
部屋の中に、静寂が訪れた。
要「・・・大丈夫か?」
「・・・あぁ、ごめん、もう大丈夫だ。」
ゆっくり、要から離れた。
ずっと目を閉じていたからか視界がチカチカする。
「皆、ありがとな。それと・・・迷惑かけてゴメン。遼は-----手、大丈夫か?」
視線を下げると傷ついた拳。
アーティストのくせに素手で殴りやがって・・・
遼「・・・なんで許したんだよ。」
「え?」
遼「お前・・・あんなに苦しんだじゃねぇか!!」
「・・・・・・。」
怒りの籠った叫び。
なんだか、泣いてるようにも聞こえる。
スポンサーリンク