ライブ・本番!

ライブ・本番! 06 SAKURA∞SAKU second

-----遼-----



「お疲れさーん。」

有「どーもー。」

「「「お疲れー!!」」」






ライブ終了!

まだまだ冷めない気分をなんとか抑えつつ控え室に戻ってきた。





いやぁ・・・やはり、有希がいると面白い。

久々のステージだったのに、ファンがあんなに反応してくれるとは思わなかった。



実は順番も間違っちゃったんだけどさ。

ま、凄い盛り上がりだったし、結果オーライってやつ?






有「汗だぐだぁ!さっさと着替えようぜー!」

楓「行こ行こ!まるで滝のようだね!」





着替えのため奥へ入っていく有希と楓。

二人とも、本当にお疲れ様でした。






翔「抑えるの大変そうだな。」

「え?」

勇「ほんとほんと。絶対MIKAMIがアタックしてくるよ。」

「あぁ、そのこと・・・」





面倒だけど絶対アクションがあるだろうな・・・

その時は帝王真樹様に任せよう。





「まぁ、なんとかなるだろ。なんせ本人にやる気のかけらもないし。」

翔「・・・確かに。」






万が一やる気があるならよそには絶対譲らないけど。






「お疲れ、遼。」

「お、サンキュー。」






要達が来た。

あれ、累たんと純は-----

あぁ、FORMのとこか。





要「あれ、有希は?」

「お着換え中。適当に座っててくれよ。」

要「サンキュ。」






それぞれ椅子に腰を掛ける三人。

長い足を組んでリラックスしているその様子・・・

なんとも優雅ですなぁ・・・
パイプ椅子が高級ソファーに見えます。





勇「この前も思ったけどさ、すっげぇカッコいいよなこの人達。俺どうすればいい?同じ男としてやりきれない。」






まだ興奮が冷めないのか、それとも奴らのフェロモンにやられてしまったのか。

勇気がワケの分からないことを聞いてくる。

ていうかどうすればいいのかって?

そんなこと分かるわけないでしょ。
俺だって教えて欲しい。






「自分で聞いてみろよ。まぁ、聞く度胸があればだけど。」

勇「・・・・・今度にする。」

「いい判断だ。」






まぁでも、やっぱりいい男共だよなぁ。

男の俺でもボーっと見とれてしまう。






有「お、やっほー。お前らもお疲れ。」






着替え終わったらしい。

通常モードに変身した有希が戻ってきた。






要「凄かったよー。感動した。」

「感動だぁ?嘘付くな。」

要「マジだって。」

孝「まぁ・・・良かったぞ。」

真「色々納得だな。」

「・・・なにそれどう意味。」





まぁ・・・・・・そういう意味だろ。





有「あれ?累と純君は?もしかして迷子----」

孝「お前じゃねぇんだ。FORMの・・・・・なんとかって奴が連れてった。後でこっちに来るってよ。」

有「ふーん。」

「晴樹かな。二人ともFORMに会いたがってたもんな。」






ていうかやっぱりFORMメンバーの名前覚えてないんすね。

さすがです、孝様。






「あぁそういえば・・・今から打ち上げがあるんだけど、お前らも行かない?」

真「打ち上げ?」

「そ。ちなみに有希も連れてくからな。」

有「えー。まぁ・・・行かなきゃな。」

要「じゃぁ行く。」

孝「・・・仕方ねぇな。」

「別に行かなくてもいいんだけど。有希はちゃんと送るし?」

「「「行く。」」」

有「行くのかよ。」






素直な奴らだよなぁ。

強力なライバルだが無敵のボディーガードでもある。
そこら辺すっげー心強いです。

あ、これって父ちゃん発言だ。

やめよやめよ。
俺だって皆と同ラインなんだからな。






「じゃぁ俺らも着替えるから。もう少し待っててくれよな。」







---コンコン







「ん?」

有「誰か来たみたいぞ。」

勇「ほんとだ、誰だろ。」





累と純か?
随分と早いお帰りだな。






「はーい、どちらさんですかぁ?」

拓「俺、拓海だよ。」

「拓海?」

勇「どうぞ、開いてるよ。」





あれ・・・そっちに純と累が行ってるんじゃなかったっけ。





拓「失礼しまーす。」

勇「お疲れ~。」

「お疲れ様。今日はありがと----」









(え・・・・・・)









ドアの向こうにいたのは確かに拓海だった。

そして----







拓海の後に、もう一人。







拓「ほら、前に遼と有希に会いたがってる奴がいるって言っただろ?」







入りなよ、と笑顔で入室を進める拓海。

促されて部屋へと足を進めるそいつ。






ていうか-----待って。

ちょっと待ってくれよ。







拓「どうしたの?遼と有希、二人とも知り合いなんだろ?」







知り合い?

知り合いっていうより、そいつは










有「・・・・・・・かお、る?」


「------っ」










有希のか細い声。

でもその口から出た名前は---

まるで雷のような衝撃だった。







『・・・・・・・久しぶりだな。』








-----今日のライブは最高だった。









でも・・










「新名-----てめぇっ!!」











今日のライブは最高だった。

久々に有希も参加してくれて、正直、すっげぇ嬉しかった。




でも---







要「ちょ-----遼!?」







体が勝手に動く。

止めようにも止められない。

止めようとも思わない。







要「遼!!」










新名薫。









有希の、元彼。









有希が眠れない原因に関わってる男。









一生、許したくない人間の一人。