Lesson

Lesson004~Loveholic




「はぁっ、はぁっ---!」






心臓の音が煩い。

呼吸も苦しくて・・・
目の前がチカチカする。






「翔子さん・・・」

「はぁ・・・ぁ、っ---」

「大丈夫ですか?」

「んっ---」






ふわりと頬を撫でられて、重い瞼をギギギと持ち上げる。

するとこれまた色っぽい表情の浩人と目が合った。






(うそ・・・でしょ--)






私、イかされちゃったの?


それも瞬殺。
しかも指で。






(なんで・・・)






緊張してたからかな。

それとも・・・浩人のせい?






(うわ・・・恥ずかしい・・・)






中で指が優しく蠢いて

その動きに押し上げられてあっという間に頭が真っ白になって

不感症?なにそれ?

軽くとぼけたくなるくらい気持ち良かった--






「翔子さん?」

「えっ!?あ、ご、ごめん---!」






じーっとこっちを見下ろしてた目に気付いてハッとする。

恥ずかしい・・・
思い切りボーっとしてた。






「そんなに気持ちよかったんですか?」

「!」






目を細めクスクス笑う浩人。

思わず顔を逸らす。

それ以上笑わないで。
すごく恥ずかし--






(-----っ!?)






不意に、下腹部に刺激が走った。






「え---ぁっ・・!」






中に入ったままの長い指が再び動き出した。

ゆるゆるとした緩慢な動きなのに、イッたばかりの体は小さな刺激にも反応して・・・

無意識に腰が跳ねてしまう。






「ちょっと浩人っ・・・待っ、て--!」

「なんでですか?」

「だって、まだ--!」

「・・・もっと気持ちよくなりたいでしょう?」

「ん、あぁっ---!」






深く侵入した指が奥の壁を引っ掻くようにくすぐる。

それに伴って拒否できない快感が押し寄せてきて・・


ちょ、ちょっと待って・・・

なにこれさっきまでと何か違う。






「浩人待っ---なんか、変・・・!」

「・・・・・。」

「ぁっ、ダメ--だめっ--」

「翔子さん、イッて・・・」

「ぁ、あぁっ---------!」






まるで波に攫われるように、あっという間に絶頂に呑まれた。






しかもさっきよりずっと、深い・・・






「は、はぁ、っ----!」






瞼の裏がチカチカする。

苦しくてうまく息が出来ない。




どうなってるのこれ。




まるで体が浮かんでるみたい・・・






「ゃ、あ----んっ!」






中から出て行こうとする浩人の指。

そんなつもりはないのに、待ってと引き止めるように下腹部が反応してしまう。






「翔子さん、可愛い・・」

「----?」






浩人ってこんな顔もするんだ・・・

見たことの無い優しい表情に吸い込まれそうになる。

何か言ってるみたいだけど・・・

ごめん、頭がボーっとして聞こえない。






(眠、い・・)






イくってこんなに疲れるの?

しかもこんな短時間で二度もイったからか、強烈な倦怠感と睡魔が襲ってきた。


眠い、眠い--



意識が落ちそう---






って・・・






なにやってんの私。







「ご、ごめんね浩人。私ばっかり気持ちよくなっちゃって。」

「え?」






睡魔を追い払い、気合で意識を呼び起こす。


忘れるな翔子。

今はレッスン中。

お互いの脱不感症の練習中なのよ!






「よーしそれじゃ、次は私の番だね!」

「え?」

「ほら、場所交代!上手くできるか分からないけど・・・満足してもらえるまで頑張るから!」

「えっ!」






さ、やるよ翔子。

自分のエロテクには全然自信ないけど・・・

成せば成る。
精一杯頑張ろう。

気だるい体を奮い立たせ、よっこらしょと起き上が--






「あ、あ、あの!俺は・・・・・俺はいいです!」

「え、なんで?それじゃ気持ちよくなれないよ?」

「え、えと・・」






なぜか慌て出した浩人。

どうしたんだろう。

もしや私のエロテクに不安を感じてるとか・・・






(は---!)






ちょっと待って。

まさか浩人・・・

触られるのが苦手なタイプだったりする?

いるいる、いるよねそういう人。





(はっ----!!)





もしかして浩人の不感症ってそれが原因なんじゃ・・

わ、どうしよう。

触らずにどうやって感じさせてあげればいいんだろ・・・





「参ったなぁ・・・せっかくの練習だし、浩人にも気持ち良くなってもらいたいんだけど・・・」

「・・・・・。」

「なにかいいアイデアないかな?」

「・・・・・。」






触らずに気持ちよくなれる・・・

む、難しいね。

でも大丈夫!

同士よ、一緒に方法を考えよう!






「それじゃ、その・・」

「え!なにか思いついた!?」

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」



「・・・このまま、進めてもいいですか?」

「へ?」






進める。

進める?






「え・・」

「---あ、あの!すみません変なこと言って!今のは聞かなかったことに--!」

「・・・いいよ?」

「・・・え?」

「でもいいの?それじゃ練習にならないんじゃない?」

「・・・・・。」

「あっ、で、でも・・・浩人がいいなら私は構わないよ?」






大丈夫だよ浩人、私はスパルタじゃないから。

今日のところは自分のできる範囲で。

そして少しずつ克服しよう!






「・・・いいんですか?」

「うん、全然オッケー。」

「本当に?」

「うん。」






入念に確認してくる浩人。

何度も言うけど大丈夫だよ。
同じ悩みを持つ者同士、一緒に頑張ろう!






(あ・・・)






安心したんだろうか。

浩人は口に手を当てプイッと顔を逸らしてしまった。

なんだか頬が赤い気がするのは見間違いじゃないと思う。






「それじゃ・・・」

「?」






準備します、と言って浩人は離れていった。


おぉ、やっぱり男子だね。

クローゼットの中からゴムを持ってきて、そしてポイポイと服を脱ぎだした。






(---っ!)






う、うわぁ・・

ちょっと、すっごくいい体してるよこの人。

細いと思ってたけど結構筋肉ついてるしお腹もしれっと割れてるし・・・





---この体に抱かれるんだ





無意識にこの先を想像してしまって

下腹部がゾクッと疼いてしまう。






「あ・・・」






どうやら準備完了したらしい。

ゆっくりとベッドに上がってくる浩人。

そして私の膝裏に手を滑り込ませ、優しく足を割った。




くる--




浩人が割れ目に触れた瞬間、体が強張った。

そして襲ってくるだろう痛みに備えて、固く目を瞑った。






「ぇ?ぁ---っ!」






すぐに挿れられるかと思ってた。

なのに十分濡れてるだろうソコに、なぜか自身を滑らせてくる浩人。






「ぅ、ん---っ!」






微妙な力加減で敏感な部分を擦られる。


気持ちいい
だけど物足りない--

もどかしい刺激に、治まりかけてたほてりがフツフツと甦ってくる。






「ぁっ---」

「・・・・・。」

「浩人・・・あ、」

「---っ」






どうしよう・・・

すごく、気持ちいい・・






「・・・翔子さん。」

「--っ、ん・・?」

「一つ、お願いしてもいいですか?」

「え?」






お願い?






「もし俺とのエッチが気持ち良かったら・・・

 俺と付き合ってもらえませんか?」

「えっ」






つ、付き合う?






「な、なんで?」

「・・・・・。」

「もしかして浩人・・・責任取らなきゃとか思ってる?それなら別に--」

「そんなんじゃないです。」

「じゃあ--」

「理由は・・・後で言います。とにかく、考えてもらえませんか?」

「・・・・・。」






付き合うだなんて・・・
一体何を考えてるんだろう。

まさか失恋したばっかりの私をからかって?

いやいや浩人はそんな人じゃない。






でも・・・






今はそんなことどうだっていい。






「分かっ、た・・・・分かったから---それ、もう・・・ヤダっ・・・!」






再び割れ目に自身を滑らせる浩人。

決定的な刺激をくれないその動きがじれったくて

欲しいのに与えられない感覚に

気が狂いそうになる・・・






「ぁっ・・・」

「・・・・・。」

「浩人--っ・・」

「それじゃ・・・気持ち良くなってもらえるように、頑張ります。」

「---っ」






ちょっぴり悪戯っぽく口角を上げる浩人。

その不適な笑みに、不覚にもドキッとしてしまった。






そして次の瞬間






固くて熱いモノが

ゆっくり割り入ってきた。






「ぁ、あ---あっ---!!」






クチュクチュ、と卑猥な音を立てて侵入してくるソレ。

指とは比べ物にならない圧迫感に軽く意識が飛びそうになる。

それに--






(な、なにこれ---!)






痛いのかって?

ううんそうじゃない。

それどころか---






「ゃっ---ま、待って浩人っ--!」

「・・・痛いですか?」

「ちが、う---でも--っ!」

「・・・・・。」






優しく、でもこじ開けるように入ってくる。

言ってしまえばそれだけ。

それだけなのに・・・






「奥まで、進めますよ・・?」

「待っ--ぁ、あぁっ-------っ!!」






(------っ!?)






言葉通り奥まで一気に進んできた浩人。

ほんの少し・・

本当にほんの少し強引に貫かれただけ。

なのに・・・






(う、うそだ・・・)






パチン、と弾ける視界
ビクン、と仰け反る背中






なんと






挿れられただけで絶頂を貪ってしまった。