こんな始まり方

こんな始まり方 008~Loveholic





「ぅ、う・・・・んー・・?」





朝だろうか。

目を開いたら部屋の中が薄っすら明るかった。





「・・・・・・・。」





そしてどうしたことか。

何度瞬きしても目の前の光景が変わらない。



これはどう見ても、そう・・・

人の、肌。




「・・・はぁ。」




思わずため息。

だって---




「・・・なんのため息ですか?」

「---ぷっ!」




声が聞こえたかと思ったら頭の後と背中を引き寄せられた。

急なことに胸板にゴツンと激突してしまった。




「ねぇ、楓さん・・・」

「ちょ--コラ!」




とりあえず暴れた。

だが遠慮がちに、でも離す気はないぞと言わんばかりに抱きついてくる。




(あ・・・)




ふと感じた爽やかな香り。

これは・・・昨日散々刻まれた匂いだ。




(全く・・・)




一瞬、昨日のアレは夢だったりして、と思った。

だってあまりにも突然のことで、それに有り得ないことで現実味が無かったから。




でも・・・





夢だったら良かった、とは思わなかった。





「・・・強引に奪ってすみませんでした。」

「・・・・・。」

「でもそれ以上は謝りません。」

「・・・・・。」




何それ。




「桐山、ちょっと離れて。」

「・・・・嫌です。」

「桐山。」

「・・・・・。」



「・・・奏太。」

「---!」




そんなにビックリしたのか

バッと体を離し、顔を覗き込んできた。




「バカ。」

「・・・はい。」

「サイテー。」

「・・・はい。」

「ねぇ。」

「・・・はい。」

「私を好きって本当?」

「・・・・・はい?」




---夢じゃなくて良かった




なんでそう思うのかは分からない。

もしかしたら宣言どおり体が奏太を求めてしまったんだろうか・・・





「俺は、楓さんが好きです。」





でも・・・

昨日は感じなかったのに、なんでだろう





今は"好き"という言葉が嬉しい。






(・・・・・・・・・。)






意外に単純だね、自分。


まぁでも・・・









------------こんな始まり方も、有り?









「あの、楓さん・・・」

「・・・なに。」

「すっごく顔が赤いですけど・・・」

「え!」


「・・・・・・。」

「・・・・・・。」


「あ、あの・・・」

「な、なに・・・」

「俺と、付き合ってもらえませんか?」

「・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・。」







「・・・いいよ。」