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「好きだ・・・・・有希・・・・」
優しく押し付けられた唇は酸欠になる前に離れていった。
そして耳元に寄せられたソレが
絞り出すように囁いた。
さっきも聞いた言葉。
でも今のはまるで
遼が流れ込んできたみたいで・・・
全身が、ゾクリと震えた。
「・・・・遼っ」
遼「・・・・すっげぇ・・・・好きだ。」
背中に回された腕に力が篭った。
遼「長かったなぁ・・・やっと言えたー。」
「長かったって・・・・お前・・・・」
遼「新名と付き合ってる頃から好きだったからな・・・・」
「え-------!!!!!?」
思わず遼を見上げる。
だって薫と付き合ってる時からって・・・
「嘘・・・だろ・・・・」
遼「ほんと。」
ちょっと・・・待て。
それが本当なら・・・どんだけ長い間・・・・・
遼「引くくらい長いだろ?まぁ、色々あったし・・・今も完璧解決してるわけじゃねぇけどさ。」
「・・・・・・。」
遼「でも、やっとスタートラインに立てたって思っていいよな?」
「・・・・・・。」
なんで
なんでなんだよ・・・
なんで・・・・なんで------?
「なんでここまで・・・・・なんで私なんか好きになったんだ!!私・・・・・・・お前に酷いことたくさん・・・」
遼「今はまだ、男を意識するのが怖いだろ?」
「・・・・・?」
遼「でも・・・・・俺は男だ。」
「!」
遼「意識してくれるだけで十分。今まではそれも許されなかったからさ。」
「・・・・・・」
遼「全く、我慢するの結構大変だったんだぞ。」
遼「え・・・」
そ、そうだったのか・・・
ごめん、全然気付かなかった。
遼「だから・・・あいつらには感謝してる。すっげー強敵ライバルだけど。」
「え?」
感謝って・・・
変態住人達に?
遼「分かんなくていいよ。これ以上あいつらに塩を送る必要はねぇもんな。」
「・・・意味分かんねぇ。」
遼「だから分かんなくていいって。」
クスクス笑い出す遼。
マジで意味が分かりません。
遼「とにかく、有希。」
「なんだ?」
遼「お前は、俺のモノにするからな。」
「-------!」
遼「好きだよ。有希。」
向けられた笑顔は見慣れたもの。
昔から変わらない居心地の良い笑顔だ。
だけど次の瞬間
額に、唇・・・・
「え・・・」
遼に対して警戒なんてしたことが無い。
されるがままだ。
「こ、こら-----」
「こらぁぁ!!遼!抜け駆けすんな!!」
突然、怒鳴り声が割り込んできた。
遼「あーもぉーー。もっとゆっくり準備してくれば良かったのに・・・累たん。」
累「調子に乗るなよ遼。俺も孝に負けないくらい力強いよ。やっちゃうよ?」
純「うわぁ、こわーい。でも遼も強そうだよね。」
遼「俺だって結構やるよー。ぎゃふんと言わせてやんぜー!」
累「言うか!」
こらこら・・・
くだらないことで喧嘩すんじゃねぇよ。
「止めなさいガキ共!ケンカなら私が相手してやる!!」
遼「へっ、お前なんか瞬殺だー。」
「んだと?よーし、言ったな?じゃあ勝負するか?お前が負けたら最新PC買ってくれよ!?」
遼「いいぞー!お前が負けたら2曲追加な!」
「どーんと来い!負ける気がしねぇ!!」
純「もー!いい加減にしなさい!!!」
「「・・・ごめんなさい。」」
・・・怒られた。
(・・・・・ぷっ・・・バカみてぇ。)
でも、こんなバカみたいな絡み合いも悪くない。
好きだと言ってもらえて
安心感まで与えてもらって
こいつらには感謝の気持ちでいっぱいだ。
きっと、少しだけ前進程度。
これからもマイペースに
適当に生きていくのには変わりない。
・・・待っていてくれなくても構わない。
こんな気持ちにさせてくれただけで
私は十分だ。
(とりあえず・・・・・・・・・)
ライブ・・・・練習しなきゃ。
ヤバイ。
・・・・・緊張したぁ SAKURA∞SAKU second(完)
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