軽ノリすんな・杉浦

軽ノリすんな・杉浦—3 SAKURA∞SAKU first




「てかなんなんだよ。なんでそのことでお前が怒ってるわけ?意味分かんねぇ!」

杉「お前にとって男は皆犬なのか?」

「あほか!!人の話をしっかり聞け!そして退け!離れろ!」






こいつも孝君と一緒だ。

なーんも聞いてねぇ。






杉「とにかく。」

「おいコラ退けよ!いい加減にしろ!」

杉「てめぇは二度も俺を振りやがった。許せねぇな。」

「フッただぁ?一体なんの話だ。意味分かんね--」









こいつの









漆黒の瞳に吸い込まれたかと思った。









「------っ!?」









顔が近づいてきたかと思ったら









気づいた時には唇が重なっていて









「----っ!」









不意打ちをかまされたため









いともあっさりと奴の侵入を許してしまった。









「----っ・・・やめ・・!」









イケメンのキスの上手さを甘くみてはいけない。

奴らのキスは凶器だ。






強引に体を押さえ込んでるくせに

めちゃめちゃ優しくて






角度を変えて

甘く、熱く・・・






何度も舌を絡めてくる。








「-----ん・・・ぁ・・・」








(・・・・・・・・。)







なんだ今の声。

やっぱ私か?

おいおいふざけんな・・・

喘いでる場合じゃねぇだろ!






「コラ・・・やめ・・!」






やばい。

もがきまくってた体から力が抜けていく。

そろそろ息も限界だ。







(あーもう、くそっ・・・!)







なんでこんなことになってんだよマジで。






何が悪かったんだ。

誰のせいにすればいいんだ?

累か、孝様か、それとも私か!?





いやいやあいつだあいつ。

諸悪の根源はあの不動産屋の狸オヤジだ!!






いや待て違う!

一番悪いのはこの帝王に決まってんだろ!!








杉「・・・・・。」

「・・・・っ・・・・はぁ---!」







意識が千切れる寸前

やっと解放されて空気が入ってきた。






「はぁっ、はぁっ!」






おいおい肩で息しちゃってるよ私。

これってかなり危なかったんじゃね?

今日も朝からお花畑だよ!







(最っ悪だ----!)







2日で-----3回もやっちまった。

しかも3回とも違う男とちゅーするなんて!



有り得ない・・・

なんなんだこの状況は。

何かの呪いか?








「てめぇ・・・・いい加減にしろよ。」








マジで勘弁してくれ。

昨日からのあまりの非常識にイライラする。

イライラすんぞ!








杉「孝とどっちが良かった?」








・・・・は








「は?」

杉「どっちの方が感じたかって聞いてんだよ。」






お前・・・

お前まさか---






「いい、今のちゅーって・・・孝君と比べるためにぶちかましたのか!?」






そういう奴・・・

そういう奴だと思ってたよ!






杉「まぁ、それもある。」

「"も"ってなんだ!"も"って!」

杉「うるせぇな、叫ぶな。」

「なんなんだよお前は!あっ、そうか!お前も犬なんだな!?」

杉「何言ってんのか分かんねぇ。」

「チクショーふざけやがって!」

杉「孝のことはともかく・・・お前に少し興味が沸いた。」

「へぇへぇそうですか!そりゃ物好きですなー!!」







なんなんだよなんなんだよ!

マジでマジでマジでマジでMAJIDE






ムカつく。






「とにかく退けよてめぇ!いつまで乗っかってるつもりだ!」

杉「嫌か?」

「嫌だ!当たり前だろ!」

杉「ふーん・・・」

「-----!」







ヤツの目が

きゅっ、と細くなった。







(ヤ、ヤバい・・・!)







落ち着け私。







生意気言うのはこの状況から脱出してからにしろ。