軽ノリすんな・累

軽ノリすんな・累—6 SAKURA∞SAKU first



「ぷ・・・・・っぷぷー!!!」

累「----お前。ビビるじゃんか、あんな・・・・」






彼女らには悪いことをしたが・・・

まぁでも累の前で喧嘩するよりは良かっただろ?

今度は一人の時を狙ってみるがいい。

意外と押しに弱そうだぞ、累たんは。






「良かった?私ってばなかなかプリチーだっただろ?」

累「プ、プリ・・・・・・・バカヤロ。」






プイッと顔を逸らす累。

可愛いヤツめ。

また赤く色づきやがった。






「それより累。てめぇ、私を利用しやがったな?」

累「え?」

「女子に絡まれるのが嫌で私を連れて行ったんだろうが。この確信犯め。」






全く、キュートな一面の裏側はやはり桜館住人か。

お前も蓋を開けたら真っ黒なんじゃねぇだろうな。






累「わ、悪かったよ。」

「ま、いいけど。大学生に見られて気分良かったし。」

累「そこ?」

「他に何があるんだ。それにしても、彼女らとメシ食い行かなくて良かったのか?」

累「なんで?」

「すっげー可愛かったじゃん2人とも。今日はうはうはだったかもよ?両手に花で。」

累「・・・俺は有希と食いに行くんだよ。」

「ふぅん。あぁいうタイプは苦手なんだな。」

累「-----。」

「可愛かったのに。累たんは贅沢なんですねぇ。」






眉間に皺を寄せて睨んできやがった。

こいつは本当にからかい甲斐がある。






「カワイイ顔してモテモテですなぁ。あー羨ましい。」

累「・・・・・。」






そんな顔されたらもっといじめたくなるだろ。

調子に乗ってコノヤローと突付いてやった。







(え・・・・・)







うわ、マジ睨み?

なんか目が怖い。







「あれ・・・お、怒った?」

累「・・・・・。」






そ、そんなに怒らなくてもいいじゃんか。

お近づきの軽いコミュニケーションだってば。






「うわっ!」






突然、腕に圧迫感を感じた。




急に引っ張られて首がカクンと落ちそうになる。






(うぉ・・・!)






こ、これはやばい。

からかいすぎた。









累の顔が---









唇がくっ付きそうなくらい近い。









「あー、ご、ごめん。言い過ぎたな。」

累「----あんまりからかうなよ。」

「うん。累が可愛かったから調子に乗った。気をつけます。」

累「"可愛い"とか、そういうのをからかうって言うんじゃないの。」

「え?あー・・・もう一回ごめん。」

累「・・・・・。」

「あ、あの、離れてくれよ・・・」







あと少しで0距離。







さすがにこれはちょっと・・・







累「・・・ふーん。」

「ふーんってお前------え。」







なぜか、累の口端が上がった。







「こら、変な笑いは止めなさい。そしてさっさと手を放せ。」

累「イヤだね。」

「おいおい。謝るから----」










---------チュッ










「・・・・・・・・・・・・・・は?」










唇に一瞬










柔らかい感触










累「これで許す。」

「--------。」










こ・・・・










こんのガキ!!!










「てめぇっ!!!」

累「っってぇなぁ!なにすんだよ!」







一発見舞った。

ガツンと食らわせてやった。






「なにすんだだと!?それはこっちのセリフだ!ふざけんなよてめぇ!さっさと車出せ!!」

累「チッ」

「舌打ちすんじゃねぇ!」






こいつ・・・






ちゅーしたよ!!






(なんのつもりだこいつ---!)






『僕はみんなの累たんだよ~』

みたいな顔してるくせによ!

なにが『これで許す。』だ!!

ふざけんな!








(公正してやらねばならん!!!)








このままじゃ杉浦君や五十嵐君のような黒いオーラを背負い込むことになる。

その前になんとか白い世界へ戻って来てくれ累!

お前はカワイイ心の弟だろ!?

キスを奪われたのもショックだが別の意味でもショックを受ける。

そして必ず公正させてやろうと誓った。

このままじゃ累が不憫すぎる。









その後、なぜかラーメンが食べたくなり、ボロいラーメン屋で飯を共にした。







安上がりな女だな、とボヤかれたが女にも色々いるんだぞと説教してやった。







「ご馳走様。それじゃ、そろそろ帰るか。」

累「ああ。」










店を出たら辺りはすっかり暗くなってた。










そして累の車に乗り込み、新居、桜館へ帰宅した。