軽ノリすんな・累

軽ノリすんな・累—5 SAKURA∞SAKU first




---取引成立。






といってもどうすりゃいいんだ?






目の前の二人、固まってるし・・・

『やっほ~実は彼女だよ~』なんて言える空気じゃない。






「そ、そんな。なんでですか?神崎さんずっと彼女作らなかったのに!」

「ちょっと、あなたどこの学部!?」






(うぉ・・・怒った。)






カワイコちゃん達の顔が鬼へと変貌。

これはマジで怒っている。

やばい、怯みそう・・・


でも私=大学生に間違えてくれてる。

とってもいい子達じゃないか。






(どうするかな・・・)






『学部なんて関係ねぇだろ。なぁ累?』

なんて言ったら噛み付かれそうだし。

できれば言葉遣いに突っ込んでくれねぇかな。


『あなた男だったの?なぁんだー』

なんちゃって。

ダメか?

何も言わない私が心配になったのか、累がちらりと視線を寄越す。






(言葉遣い・・・・・か。)






あ、そうだ。








「ねぇ、ルイ・・・」

累「------!」








ここは一つ・・・

すりすり☆おにゃんこ大作戦でどうだ!








「有希・・・なんだか怖い。早く行こ?」








プランB。

『守ってちょうだいマイダーリン』ってとこで押し切ろう。






(おいコラ。しっかり作戦についてこいよ。)






大サービスだ。

きゅっと服の裾を掴んでやった。






累「あ、あんまりビビらせないでやってね。行こ、有希。」

「う、うん。失礼します。」

「「・・・・・・・・。」」






(よーし!それ、今だ!!)






取り合えず女子が怯んでくれればそれでいい。

その隙に------逃げる!


放心する女子達に背を向け、肩を抱かれたまま二人三脚でその場を去った。

そして急ぎ足で車に直行。






(い、急げぇぇぇ!あれ、車どこに置いたんだっけ。)






累に連れられて足を進めていくと車は意外と近くにあった。



----ガチャバタン








無事







車に帰還。