軽ノリすんな・要

軽ノリすんな・要—7

「へぇ、ベッドとか運べたんだ。」

 

ドアを開けて小さい灯りをつける。

見渡すとすっかり部屋が出来上がっていた。
ま、女のかけらも感じさせない部屋だけど。

 

有「運べたっていうか・・・累と真樹が運んでくれた。」
要「ふーん。」
有「・・・・・・。」

 

あの真樹がねぇ…
帝王を動かすなんて、さすが変人有希ちゃん。

今日もなかなか面白い物が見れて楽しめたし
しばらくは退屈しなくて済みそうだな。

 

「そうだ有希ちゃん、水飲まなくて--」

 

大丈夫?

 

そう続けようとした、その時

 

トン、と胸に軽い衝撃。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

下を見ると俺の胸に崩れ落ちる有希。

まぁ…眠いんだよな。

それは分かってる。
分かってるけど・・

 

 

さっきからちょっと…

 

 

煽り過ぎなんじゃないの?

 

 

「こらこら…」

 

軽く閉じられた目
ほんのり濡れた艶やかな唇

そして力の入ってない無防備な体。

 

 

(こんなの見せられたらお前・・・)

 

 

まぁ、勝手に煽られちゃったわけなんだけど
こんな風に上手い具合に女を出されるとさすがに俺も・・・ねぇ?

 

 

簡単に言うと

 

 

何かが少し----キレた。

 

 

有「あれ・・・・ごめん、眠ってた…ありがと要ちゃん、ここでいいよ。後はベッドにダイブするだけだから…」

 

なんとか目を開いて下ろしてくれと促す有希ちゃん。
どうやら一瞬落ちただけだったらしい。

 

「・・・・・・。」

 

 

ここが境界線だった。

 

 

『イイ奴』と『そういう奴』
どっちを選ぶかの境界線…

 

 

(あぁ、なるほど…)

 

---すぐばれる

今になって真樹の言葉が頭を過ぎる。

つまり有希が俺の本性に気付くってことじゃなくて
俺が我慢できなくなるって意味だったわけね。

真樹の奴…もっと詳しく欲しかった。
分かってたならこんな遠回しなことしなかったのにな。

 

有「-----要ちゃん?今、鍵閉めた?」

 

下ろしてくれとの言葉は無視。

そのまま部屋に入り…
鍵を閉めた。

 

「あぁ、閉めた。」
有「…なんで?」
「さぁ、なんでだろ。」

 

"なんで?"
そんなの決まってんじゃん。

 

誰にも邪魔されない為だろ。

 

(あーあ、さっきまでシナリオ考えてたのにねぇ。全部パーだよ。)

 

今なら多分、まだ間に合う。

 

でも

どうせ我慢できないなら今でもいいや。

 

心の中で自己完結。
そして有希の顔わざと見ないままベッドへ向かう。

 

(さてさて…)

 

どんな表情を浮かべるのか…
ベッドの上でゆっくり見させてもらおうじゃないですか。

 

有「-----ぅわっ!なっ・・・何す----」

 

少々乱暴にベッドに下ろした。

ベッドに散らばる乱れた髪
ほんのり紅い頬

そして酔いと眠気で虚ろな瞳

 

あぁヤバい…

めちゃくちゃ煽られる。

 

有「あっ・・・・・ん・・・!」

 

抵抗する体に腕を絡みつけ

 

艶めかしく濡れる唇を

 

躊躇なく奪った。

 

(あぁ、こりゃ・・・やばいわ。)

 

柔らな感触が気持ちいい。

体が勝手にもっと…と求めてしまう。

 

有「んぅっ・・・・ん---!」

 

酔ってるせいで力が出ないんだろう。
胸を押し返してくる力は笑えるほどに弱々しい。

 

そんな小さな抵抗を押さえつけて

 

深く、激しく舌を絡ませる。

 

有「ちょっ・・・要ちゃ・・・やめ・・」

 

(聞こえないね…)

 

あいつらも下にいることだし最後までヤるつもりはないけど

でも---もう少し堪能させろよ。

 

有「やめ----ろ----ぁ・・・ん…!」

 

(こらこらちょっと・・・)

 

そんな可愛い声出したらダメだって。
我慢出来なくなっちゃうでしょ。

 

 

「…ずいぶん可愛い声出すんだな。」

 

 

これ以上味わっていたら絶対止められない。

 

非常に…
非常に残念だが

 

仕方なく唇を離した。

 

有「かな・・・・・っ!?」

 

(・・・・・シルシつけとこ。)

 

綺麗な白い首筋に唇を寄せ
柔らかな肌にキツく吸い付いた。

 

(あらら…)

 

こんなことしちゃって…
俺もおかしくなったんじゃね?

"自分のシルシ"なんて頼まれてもつけたことなんてなかったのに。

もしやこいつ・・・男を狂わせる天才か?
それとも俺ら限定?

 

(あーあ…明日から俺もあいつらと同じ扱い受けるんだろうなぁ。)

 

ま、我慢が出来なかった俺がいけないんだけどね。

 

有「かな・・・・!」

 

首筋から漂う甘い香りが堪らない。
誘われるまま耳元に唇を寄せ、可愛らしいソレを甘噛する。

 

(もう少しだけ味見させろよ…)

 

こうやって近づけるのもこれが最後かもしれないしね。
今のうちに存分に堪能しとこ。

 

有「----っ!」

 

ピクッと跳ねる体。
あ、耳弱いんだ。

 

有「や・・・・やめ・・・!」
「カワイー。やっぱ有希ちゃんも女なんだな。」

 

感度良好。

また一つ情報ゲット。