有「それじゃ皆さん。付き合ってくれてサンキューな。お前らもあんまり飲みすぎるなよ?」
ヘラっと笑いながらヤロー共に手を振る有希ちゃん。
一番大量に飲んでる奴が何言ってんだか。
てか待って。
1人で歩いたら絶対こける。
さっき自分で歩けないって言ってただろ。
こらこらちょっと待って待って--
有「それじゃお休み----っと!」
累「有希!」
こけると思ったよ。
だってふらふらじゃん。
とっさに支えたんじゃない。
支える準備万端だった。
準備出来てなかったのは…
(こいつ・・・やっぱ女だ・・・)
そう感じてしまったことに対する--
心の準備。
(軽い・・・・)
ふてぶてしい態度とは対照的だ。
女特有の華奢な体つき。
そして微かに匂う甘い香り。
(ふーん…)
そういうつもりは無いんだろうけど…
こういうギャップの魅せ方もあるもんなんだな。
「・・・ったく、危なっかしい女だな。」
有「へ?」
何が起こったか分かってないようだ。
軽く放心気味で離れようとしないもんで…
有「う----わ…!」
とりあえず抱き上げた。
うん、やっぱり軽い。
有「え・・・あぁぁ、あの!ごめん!歩けるから・・・!」
「酔っ払いは大人しくしてなー。じゃ、お姫様を寝かせてきまーす。」
今更状況に気付いたのか、慌てて見上げてくる。
ていうかなにその可愛い反応。
俺と同い年なんだろ?
その割には可愛らしすぎるんじゃね?
ダメダメそんな反応されたら我慢できなくなっちまうじゃないの。
せっかく"いい奴"ポジションから攻めようと思ってるのに計画崩れちゃうじゃん。
真「おい、変なマネすんなよ。」
孝「さっさと戻って来い。」
「努力します。」
有「要ちゃんに限ってんなことするかよ。」
真・孝「------。」
有「じゃ、お休みー。」
随分信用されてるみたいだな俺。
ふむふむなかなかいいポジションじゃないの。
悪いな皆の衆。
こいつは俺がいただきます。
有希から寄せられる信頼なんてなんのその。
平気で信用を裏切る思考を馳せながら
ゆっくりと2階へ向かった。