顔合わせ

顔合わせ 04 SAKURA∞SAKU second







「------う、わっ!?」






晴樹も行っちゃったし
練習もまだ終わってないことだし

さぁて私もそろそろスタジオに戻ろうか。




・・・と通路に出たら





突然、後に腕を引かれた。






「な、なんだ!------って、遼?!」

遼「・・・・・・・・・。」

「なんだよ急に!ビックリすんじゃねぇか!」

遼「・・・・・・・・・。」

「・・・・・?」

遼「・・・・・・・・・。」

「遼?どうし----」





なぜだ。返事がない。

もしや具合でも悪かったり---






(えっ------)






遼の顔を見上げた、その時






まるで覆い被さるかのように






ギュッと抱き着いてきやがった。







いやいや待て待て。





------は!?







「ちょっ---ちょちょちょちょ!?なななんだ!?どうしたんだ!?」





一体全体何事だ!?





遼「・・・別に、なんでもない。」

「なななんでもないわけあるか!変だぞお前!」

遼「・・・嬉しい意味で変だから大丈夫。」

「嬉しくて変!?意味分かんねぇ!」

遼「分からなくていい。」





分からなくていいって・・・





「お前------最近そればっかだな。」

遼「そうか?」





でも多分お前には分かんねぇよ、なんてクスクス笑う遼。

くそ・・・遼のくせに意味深なこと言いやがって。

なんだか負けた気分だ。






(------!)






ふと、体を覆う腕に力がこもった。。






「・・・遼?」

遼「・・・・・・。」

「本当に大丈夫か?」

遼「お前のこと、好きすぎる。」

「へ・・・」





スキスギル?
SUKISUGIRU?

え。

す、好きすぎる-----?!





「どど、どうしたんすか急に!?」





練習がハード過ぎで現実逃避か!?





遼「どうしよ------今まで我慢してたのが溢れて溢れて・・・このまま放っておいたらばーんって破裂するかも。」

「ばば、ばーんって破裂!?」

遼「そう。」

「そそそれはやめとけよ!痛いぞ多分!」

遼「そっか?じゃあやめとく。」





よ、よし!





遼「なぁ、有希」

「な、なんだ!」

遼「俺さ・・・・お前と晴樹が話してるの聞いちゃった。」

「私と、晴樹・・・?」

遼「そう。」





それってさっきの話か?

え、何を話したっけ・・・

①勧誘されて断って
②遼と晴樹は昔からの付き合いだって言われて
③恋してんのかって聞かれて
④それで・・・
⑤それで・・・・・・






なんか私・・・

すっげぇ恥ずかしいこと言ってなかったか?






例えばほら

大切だとか・・・

男としてとか・・・・






「うぅわぁぁ!!ちょ-----放せぇぇ!!」

遼「絶対やだ。」






なんだよマジ勘弁!

とにかく暴れる!

ひとまず離れてもらっても宜しいでしょうか!





「りょ、遼さん!マジでムリ!」

遼「嬉しすぎてばーんってなりそう。」

「わわ私もばーんなりそうっす!違う意味で!!」





ていうかばーんってなんだよ!

もう全てが分かんねぇ!!






遼「"あいつら"じゃなくて・・・"遼のことが"って言わせてやるから。」

「-----、・・」






そ、そりゃ・・・・・どーも。






「な、なぁ、そろそろ戻ろうぜ・・・皆待ってる、はず・・・」






練習はしたくないがこの際やむを得ない。

この状況・・・

しつこいけどばーんなりそうだ。






遼「なぁ、有希。」

「ん?」






不意に、トントンと額を突かれた。






反射で遼を見上げると---






「------っ!」






正に不意打ちだ。






軽く、唇が触れた。







「・・・おま・・・・・この-----!」

遼「ほら、行こうぜ。」







こいつ特有の気の抜けた柔らかな微笑。






ふわっとそれを浮かべて

手を引いて歩き出す。






(ここっ----このやろー!!)







悔しいけど完敗だ・・・







頭の中めちゃめちゃっすよ。








その後の練習。

今思い出しても全然内容を思い出せない・・・


















‥‥‥‥顔合わせ SAKURA∞SAKU second