秘密

秘密—–6 GAME


「んッ----んぅっ---!」



 

突然のことに・・・ビックリ。

だが驚いてる場合じゃない。

 



(なっ---何すんだ-----!!)

 



叫んだつもりが声にならない。

とにかく体を突き飛ばそうと両手で胸を押し返す。

 



「--------ッ!!」

 



壁に着いていた手が背中に回り強く抱きしめられる。

いわば抱擁による拘束。

両腕が巻き込まれて・・・・
抵抗できない!

 




「ん---んッ----ぁッ!」

 




上を向くことで唇が開く。
そして差し込まれる舌。

アルコールのせいか。

めちゃくちゃ・・・

 



熱い。

 




「-----んッ・・・あ!」

 




貪るように絡みつく舌。

逃げても逃げても捕まってしまう。

 




「んっ・・・・ぁ----ンッ・・」




 

絡まって。
吸われて。

甘く噛まれて・・・

 




「ん・・・・ぁ・・・ッ・・・」

 




(・・・・・・・・・・ちょっと・・)




 

なんだ・・・これ-----

体から力が抜けていく。
頭がボーっとする。

何も・・・考えられなくなる・・・・

 




「んっ・・・ん・・・・」




 

まさか私・・・




キスに感じてる-----?

 




「----ぁ・・・・ッ・・んっ----」

 




好きでもない男に・・・?
無理矢理なキスなのに・・・?

しかも相手は変態辰巳なのに・・・

感じて----

 



 

(感じてなんか----ない!!)

 



 

「んッ!んんっ!!」

 



(何を考えてんだよ!)

 



必死に暴れた。

とにかく離れたい。

変な感じがする---

 




「-----ぅッ?・・・ぁ---!!」

 




押さえつけるかのように腕に力が篭った。

 



(や---やばい-----!)

 



どんどん深くなる繋がり。

深くて
熱くて----

激しくて・・・・

 

 



---キモチ  イイ

 



 

「んっ・・・」

 




頭の中が

真っ白になる----

 




---プツッ




 

(---------?)

 




体に感じた小さな感覚。

でも、何が起こったか分からなかった。

 



----パサッ



 

(-------。)

 




さすがに今度のは分かった。

ジャケット・・・
自分のスーツのジャケットが床に落ちた音だ。

 


え・・・・・・




ジャケットが?

落ちた-----




 

(----------!?)




 

いつの間に緩んでたんだろう。

辰巳さんの腕の力は緩められていて、優しく背中に回っている。

---プツッ

体と体の間に滑り込んだ手が、今度はシャツのボタンを外していく。

一つ、二つ、三つ、四つ・・・・・

 




「--ん・・・・んッ・・---------ッ!?」



 

数えてる場合じゃないだろ!



 

「ゃめ---ろっ--!!」

 




呆ける頭をなんとか奮い立たせ、思い切り胸を押し返した。

急に込められた力に押されたのか、辰巳さんの唇が離れた。

 




「-----ぅ-----あっ!!」




 

良かった-----と思ったのは一瞬。

辰巳さんの支えを失った体は壁を伝って崩れ落ちる。

足に力が入らない。

 




辰「急に離れたら危ないだろ。力抜けてんだから。」

「・・・・・ぇ・・・」




 

床に座り込んだ私に目線を合わせるようにしゃがんでくる。

下唇をぺロッと舐める仕草がヤケにエロい。

いやいやその前に---

 




(力が・・・入らない・・・・)




 

こ、これって・・・
キスで骨抜きにされたってことか?

キ、キスで---?

うそだろ・・・




 

「----!?ちょっと!」

辰「なに?」

「なにすんだよ!降ろせ!」

辰「ダメ。」

「ダメって---こら!!」



 

いきなり感じた浮遊感。

背中と膝裏に回される腕
横抱きにされて床から離れる体

制止を無視し、辰巳さんはお構い無しに歩いていく。

寝室のドアに向かって-----




 

「ちょっとマジでやめろ!降ろして---ぅわッ!」

 




降ろしてもらえたと思ったらピョンと体が跳ねる。

どうやらベッドに投げられたらしい。

 



「何すんだよ!ビックリするだろ-----んんーッ!!」



 

スプリングが収まってベッドから降りようとすると再び傾く自分の体。

力が入ってないからじゃない。
今度はヤツの体が圧し掛かってきたからだ。

そしてまた----



 

唇が重なる。



 

「ゃ----やめ・・・ろ!」

 




これって----マジでヤバイ。

体が落ちていくような。
落とされるような。

 




なんだか・・・怖い。