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(と、止まった・・・・・止まった!)
孝の手も。
そして私の妙なザワザワも。
「孝!目ぇ覚ませ!なんかおかしいことになってる!」
孝「・・・・・・。」
こんなこと・・・・・
酔った勢いでとか、熱で朦朧とした勢いでとか。
そんなことがあったらいかん!
そして私はなんて有り様だ。
流されてんじゃねぇよ。
最低だ!
(-------!)
ゆっくりと体を起こす孝。
よしよしその調子だ。
落ち着いて頭を冷やせ。
そして正気に戻れ----
「-----っ!」
少し上から見下ろしてくる俺様。
虚ろな表情。
頬も上気していて熱が高いのだろうと思われる。
でも-------
(な、なんで・・・・・・そんな・・・・・・)
向けられる視線はひたすらに真っすぐで
逃げたくても、反らすことができない。
孝「おかしくなってんのは・・・・もう・・・ずっと前からだ。」
「------ぇ?」
孝「俺はお前が欲しくて堪んねぇ・・・これ以上---抑えられねぇんだよ。」
「-----っ」
(ちょ、ちょっと----)
やめろ。
そんなこと言うのはやめてくれ。
女子に戻ってみようかな
恋愛かぁ、考え直してみよっかな
なんて思ったのがついこの間。
その原因になったのはお前らなんだぞ。
お前らのことを
もちろんお前のことも
男だって意識したからなんだ。
私も人間で、一応女なんで。
熱に犯されているとはいえ---
意識してるヤローにこんな熱い目で見られたら
こんな状況でそんなこと言われたら---
孝「・・・・・・・。」
「-----!」
視線を離してくれないまま
再びゆっくりと顔が近づいてくる。
----ダメだ、こんなのダメだ!
脳内で理性が大騒ぎしてる。
なのに体が動かない。
動け、動け----
動いてくれよ・・・・・有希ちゃーん!
孝「有希。」
唇が触れそうな距離で
ピタリと動きが止まった。
「-------っ・・・・!」
声が-----出ねぇ・・・!
(頼むよ、孝・・・!)
お願いだから止まってくれ。
心臓も理性も
ぶっ飛びそう---
孝「愛してる。」
心臓が---
弾け飛んだかと思った。
もう
ダメだ・・・・
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