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「うわ------っ!?」
孝「捕まえた。」
言われるがまま近づくとあれ不思議。
腕を引かれて孝の身体にぶつかった。
あ、あれ、なんか捕まっちゃった~
じゃねぇだろ!
「ぎゃー!なな、なにしてんだ!」
孝「なにって・・・・・・捕獲?」
「ちち近ェよバカ!」
孝「構わねぇ。」
「構え!」
せっかく離れたのにまた密着する身体と身体。
さっきまでの心臓バクバクがよみがえってしまう。
頼むから速やかに止めて頂きたい!
(そそ、そうだ-------!)
英語!
英語の話をしよう!
話を反らせ!
とにかくこの状況から脱出するぞ!
「ププっ、プリーズ・・・ハナセ---!!」
孝「・・・何言ってんだお前。」
「Hiiii!Yameroooo!」
腰に手が回りがっしりホールド。
押しても叩いてもびくともしない。
それどころかグイグイ引き寄せられて距離を縮められる。
もう-----マジで勘弁してくれ!
孝「熱。」
「は!?」
孝「熱は?」
ね、熱?
熱って・・・
あ、そっか。
こいつ風邪引いてたんだったな。
様子を見ろとでも言うようにデコを寄せてきたので
恐る恐る額に手を当ててみる。
「うーん、まだ少し熱い気がするけど。今朝よりはずっといいんじゃねぇ?まだフラフラするか?」
孝「する。」
「・・・・・・・じゃあ寝ろ。」
孝「お前も一緒。」
「あほ!」
何がフラフラだ。
ほぼ全回復してんじゃねぇか。
力も強ぇし、顔色も良くなってきてるし。
「薬飲んで寝なさい。」
孝「お前が寝るなら寝る。」
「バカかてめぇは!ほら!薬取るから放せ!」
孝「薬はいらねぇ。このまま寝る。」
「こ、こらこらこらこら!!!」
再び腕が絡まってきた。
暴れてみるが・・・
回復したこいつの力に敵うはずもない。
「こ、孝様!マジで勘弁してください!」
孝「なんで。」
「いやあの・・・・・っ、ちょっと-----!」
たた、頼むから耳元で話すのは止めてくれ。
ぞわぞわするっていうか
さっきのを思い出すっていうか・・・
孝「思い出した。」
「・・・へ?」
な、なにを?
孝「さっきのお前・・・すっげぇ可愛かった。」
(・・・・・・え。)
さっきの?
ミーっすか?
孝「俺に触れられて感じてただろ。」
「は・・・」
孝「マジで可愛かった。」
「・・・・・・。」
な
な・・・・・・
(---------------------。)
もう・・・
消えてなくなりたい。
「※□×▽*△※□*ーーーっ!!!!!」
孝「なんだ?」
こっ、言葉にならーーーん!!
この天然俺様ヤロー!
恥ずかしいことをペラペラと口にしやがって!
「はっ放して※□△*×ーっっ!」
パニック。
いいや大パニックだ!!
母ちゃんにエ○本見つかった時の比じゃねぇ!
いやいや私は持っても隠してもないですけどね!!
孝「有希。」
「・・・・・・ぅっ!」
ぎゅっ、と抱きしめられた。
だだだだだから---
無駄にドキドキさせるのはやめてくれ--
孝「愛してるぞ。」
・・・ちーん
誰か・・・こいつを止めてくれ。
(・・・・・・・・・気絶したい。)
顔が熱い。
今なら火吹くどころかビーム打てそう。
頼むから誰か穴掘って私を隠してくれ。
PC一台あげるから・・・
「ああああありがとー!!」
とりあえずお礼は言っておこうと思う。
それから奴らが帰ってくるまで
どうやって過ごしたのか未だに思い出せない。
初めに帰って来た累に孝から引き剥がされ
胸元からひょっこり顔を出していたらしいキスマークに機嫌を損ねた真樹に捕まり更に数を増やされ
その状況から純君に助けてもらい
要からは『携帯持ってなさいって言ったでしょ!』と怒られ
孝様は『続きは今度な』なんて爆弾発言を投下した。
もう嫌だ。
やっぱ怖ぇ。
今更だが怖ぇよ桜館。
あんなに熱が高かったにも関わらず、結局あのまま熱が引き、孝は一日で回復しやがった。
看病なんていらなかったんじゃねぇのか。
結果論だがほったらかしとけば良かったと思う。
ちなみに余談だが
あんだけ風邪菌と一緒にいたにも関わらず
やっぱり私に風邪は移らなかった。
・・・変人だって。医者だって。(完)
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